採用がうまくいかない原因が分からない|課題が見えない会社ほど採れていない【経営者465名調査】
採用がうまくいかない原因が分からない|課題が見えない会社ほど採れていない【経営者465名調査】
「求人を出しても良い人が来ない。でも、何が悪いのかは分からない」。採用がうまくいかない原因を言葉にできない経営者は、少なくありません。あるいは「うちの採用に、特に課題はない」と感じているなら、それは順調なのではなく、課題が見えていないだけかもしれません。私たちが経営者465名に行った採用実態調査2026では、採用ブランディングの実践度が高い会社ほど、自社の課題を多く挙げました。高実践群の平均課題数は2.25個、低実践群は1.24個。さらに経営者の3割が「課題はない」と答えています。見えないことは、強さではありません。採用最大の盲点を、データで解き明かします。
この記事の目次
- 結論|課題が見えないのは、順調だからではない
- 実践度が高い会社ほど、課題を多く挙げる
- 経営者の3割が「課題はない」と答えた
- なぜ、できていない会社ほど課題が見えないのか
- 現場は、経営より多くの課題を見ている
- 盲点を消す第一歩は、測ることと、聞くこと
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|見えないものは、直せない
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結論|課題が見えないのは、順調だからではない
最初に結論です。採用課題が少なく見えることは、採用がうまくいっている証拠ではありません。むしろ、実践度が低く、課題を見つける解像度そのものが育っていない可能性があります。
私たちは2026年に、むすびが支援していない全国の経営者465名へ、採用ブランディング21項目の実践度と、採用課題24項目を尋ねました。すると、実践度と「挙げた課題の数」の間に、直感に反する関係が見えてきました。できている会社ほど、課題が見えている。できていない会社ほど、課題が見えていない。この逆説が、採用の盲点の正体です。
実践度が高い会社ほど、課題を多く挙げる
実践度の高さで回答者を上位と下位に分け、それぞれが挙げた採用課題の平均数を比べました。
結果、新卒採用で、高実践群の平均課題数は2.25個、低実践群は1.24個でした。実践度が高い群のほうが、挙げた課題数が多いのです。
普通に考えれば、できている会社ほど課題は少ないはずです。ところが現実は逆でした。採用ブランディングをやり切っている会社ほど、自社のどこが弱いかを具体的に把握しています。測り、振り返り、候補者の体験を設計しているからこそ、詰まりが見える。一方、手をつけていない会社は、そもそも何が課題かを言語化できていない。だから「課題は少ない」と答えてしまうのです。
経営者の3割が「課題はない」と答えた
この盲点は、別の数字にも表れています。
調査では、24の採用課題を1つも挙げなかった、つまり「課題はない」と答えた経営者が、新卒で30%にのぼりました。3割の経営者が、採用に課題を感じていないのです。
しかし、全体の現実はどうか。新卒で計画通り以上に採れた会社は47.2%。裏を返せば、半数以上が計画に届いていません。採用ブランディングの実践度は全体平均2.82で、中央値の3を下回ります。多くの会社が計画未達で、実践度も高くないのに、3割が「課題はない」と答える。この差こそ、見えていない証拠です。
「自社に本当に課題がないのか」を第三者の目で確かめたい方は、無料相談で、現状を数字と事実で棚卸しします。
なぜ、できていない会社ほど課題が見えないのか
なぜ、実践度が低い会社ほど課題が見えないのでしょうか。理由は、課題は「基準」があって初めて見えるからです。
自社の採用の軸や、来てほしい人物像の基準、母集団の質をどう測るかが定まっていなければ、何が「できていないか」を判断するものさしがありません。ものさしがなければ、ずれにも気づけない。だから、課題がないように見えてしまう。逆に、採用ブランディングを実践している会社は、明確な基準を持っています。基準があるから、理想と現実のギャップが課題として浮かび上がる。見えているのではなく、見えるようにしているのです。
採用を「空いた席を埋める作業」と捉えている限り、この基準は生まれません。採用を、同じ未来を目指す同志を迎え入れる旅と位置づけ、自社の強みと来てほしい人のインサイトが交差するビクトリーゾーンを定義すること。その基準づくりの考え方は「知名度が低くても『光る人材』が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)でも1冊かけて書きました。
https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-books/saiyou-branding-kanzenban-2020
現場は、経営より多くの課題を見ている
盲点は、立場によっても生まれます。
同じ会社でも、経営者と現場では見えているものが違いました。「課題はない」と答えた割合は、経営者30%に対し、現場の社員は15%。現場のほうが、課題を0.7から0.8個多く挙げています。どんな課題が重要かの順位は、経営者と現場でほぼ完全に一致していました(相関0.95)。見ている方向は同じなのに、経営の側だけ、課題の数が少なく見えている。
これは、現場が経営に届けきれていない詰まりがある、ということです。経営が現場の声を吸い上げ、同じ解像度で課題を見る。それだけで、経営の死角は大きく消えます。採用は人事部だけのタスクではなく、全社一丸で取り組む経営の最優先事項です。
盲点を消す第一歩は、測ることと、聞くこと
では、どうすれば盲点を消せるのか。やることは2つです。測ることと、聞くことです。
まず測る。母集団の数だけでなく、質、選考の離脱率、内定承諾率の4指標を記録し、月に1度振り返る。数字にすれば、どこで詰まっているかが見えます。次に聞く。現場の採用担当が感じている詰まりを、経営が直接吸い上げる。順位は一致しているので、現場の声は経営の死角をそのまま埋めます。測ることで自社の現実が見え、聞くことで立場の死角が消える。課題が見えて初めて、直すことができます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 採用に課題を感じていないのですが、問題でしょうか。
課題が見えないことは、順調である証拠とは限りません。調査では、実践度が高い会社ほど課題を多く挙げ(高実践群2.25個、低実践群1.24個)、経営者の3割が「課題はない」と回答しました。一方で半数以上が計画未達です。見えていないだけ、という可能性を一度疑うことをおすすめします。
Q2. なぜ実践度が高い会社ほど課題が多く見えるのですか。
課題は基準があって初めて見えるからです。採用の軸や人物像の基準、母集団の測り方が定まっている会社は、理想と現実のギャップを課題として把握できます。基準がなければ、ずれにも気づけず、課題がないように見えてしまいます。
Q3. 経営者と現場で、課題の見え方は違いますか。
違います。「課題はない」と答えた割合は経営者30%、現場15%で、現場のほうが0.7から0.8個多く課題を挙げました。ただし、どの課題が重要かの順位はほぼ一致(相関0.95)しています。見る方向は同じで、経営の側だけ数が少なく見えている状態です。
Q4. 採用課題として、最も多いものは何ですか。
母集団形成です。新卒では母集団の質が低い23%、母集団が集まらない21%が上位でした。選考や内定より前の、入口の段階で詰まっている会社が多いという結果です。
Q5. 課題を正しく見えるようにするには、何から始めればよいですか。
測ることと、聞くことです。母集団の数・質・離脱率・承諾率の4指標を記録して月1で振り返り、現場が感じている詰まりを経営が直接吸い上げます。基準を持ち、数字と現場の声で現実を見ることが、盲点を消す第一歩です。
まとめ|見えないものは、直せない
採用実態調査2026が示したのは、採用ブランディングの実践度が高い会社ほど自社の課題を多く挙げ(高実践群2.25個、低実践群1.24個)、経営者の3割が「課題はない」と答えたという事実でした。課題が少なく見えるのは、順調だからではなく、課題を見つける基準が育っていないからです。見えないものは、直せません。測ることと聞くことで現実を可視化し、盲点を消すことが、採用を立て直す出発点になります。
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採用力チェックシート|自社の「成功法則」を採点する
採用がうまくいく会社といかない会社を分けているのは、「21の法則」という成功法則を実践できているかどうか。全国の経営者465名調査でわかったことです。全国平均は5点満点で2.82。ところが、むすびのクライアントは4.5以上に届きます。だから採用に成功する。裏を返せば、多くの会社はこの成功法則を持たないまま採用しているのです。『採用ブランディング完全版』(WAVE出版)の21の法則で、貴社の採用を21項目・5段階で診断する「採用力チェックシート」。平均4.0以上が「ほしい人材」を獲得できる企業の水準です。採用力チェックシートに申し込むと、貴社の結果を必ずフィードバックします。まずは、自社がこの成功法則にどれだけ乗れているかを知ってください。
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https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-resonance-branding/recruitment-branding
結果がでるブランディングの成功事例はこちらをご覧ください。
https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-resonance-branding/projects
共鳴ウェルビーイングサーベイで、自社の強みや弱みを知りましょう。
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著者プロフィール
深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター
早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。2015年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はミラノでプラチナ賞、ロンドン、フランス、ミラノで合計6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。学術論文8編(査読付き)。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても"光る人材"が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナーブランディング」(セルバ出版)。「人が集まる中小企業の経営者が実践している、すごい戦略 採用ブランディング 新版」(WAVE出版)。国立大学法人富山大学とウェルビーイングに関する共同研究「幸福を超える共鳴」。2025年、新理論「共鳴経済」を日本マーケティング学会にて発表。2026年「共鳴経済 社員が"推す"会社が伸びる」(サンクチュアリ出版)を刊行。