母集団を増やしても採れない|最も効くのに、やれていない5項目【経営者465名調査】
母集団を増やしても採れない|最も効くのに、やれていない5項目【経営者465名調査】
「求人媒体を増やし、母集団も広げた。なのに、良い人が採れない」。そう悩む経営者は少なくありません。採用で成果を出したいなら、効く順に手をつけるのが近道です。私たちが経営者465名に行った採用実態調査2026では、採用成功と最も強く相関する実践項目が5つ浮かび上がりました。相関は0.41から0.45。ところが、この5項目はどれも実践度が全体平均を下回っていました。最も効くのに、最もやれていない。ここが、どの会社にとっても最大の伸びしろです。
この記事の目次
- 結論|効く項目ほど、やれていない
- 成功と相関が高い5項目とは
- なぜ「効くのに、やれていない」が起きるのか
- 5項目を1つずつ|今日からの一手
- 上流を固めてから、この5項目に効かせる
- やり切った会社は成功率が跳ねる
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|伸びしろは、いちばん効くところにある
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結論|効く項目ほど、やれていない
最初に結論です。採用成功と強く結びつく実践項目ほど、実践度が低いという逆転が起きています。
私たちは2026年に、むすびが支援していない全国の経営者・役員465名へ、採用ブランディング21項目の実践度と、新卒・中途の採用成否を尋ねました。各項目と「計画通り以上に採れたか」の相関を調べると、成功と最も相関が高い上位の項目は、いずれも実践度が21項目の平均(2.82)を下回っていました。グラフの左上、つまり「相関は高いが実践度は低い」という領域に、同じ顔ぶれが並びます。多くの会社は、効かないところに力を入れ、いちばん効くところを後回しにしているのです。
成功と相関が高い5項目とは
成功との相関が高い上位5項目は、新卒・中途でほぼ共通していました。番号は採用ブランディング21の法則の項目番号です。
- 説明会・イベントに物語を込める(相関0.45・新卒で最大)
- 内定承諾から逆算したフロー設計(0.43)
- 選考に自社独自の工夫を入れる(0.42)
- 各フェーズの情報設計を一覧化する(0.42)
- 母集団を4指標で測定し、月1で振り返る(0.41)
中途でも、各フェーズの情報設計(0.39)、全社横断での擦り合わせ(0.38)、母集団の測定(0.38)、逆算フロー(0.37)、説明会の物語(0.37)が上位を占めます。いずれも採用プロセスの「下流」、つまり候補者の体験を設計し、結果を検証する工程です。そして下流は、21項目のなかでも実践度が最も低い領域でした。情報設計の一覧化2.73、強みの厳選2.74、採用スローガン2.74、軸の言語化2.75、フロー図と振り返り2.76と、成功に効く項目ほど手がついていません。
なぜ「効くのに、やれていない」が起きるのか
なぜこの逆転が起きるのでしょうか。理由は3つあります。
第1に、下流は手間がかかります。説明会の物語化も、フロー設計も、情報の一覧化も、腰を据えて作り込む必要があり、片手間では進みません。第2に、効果が見えにくいからです。母集団の測定や振り返りは、やってすぐ応募が増えるわけではなく、後から効いてきます。第3に、上流が固まっていないと下流が設計できないからです。自社の軸や独自性が言語化されていなければ、説明会に込める物語も、選考の独自工夫も生まれようがありません。だから多くの会社は、言語化や基準づくりの上流に「そこそこ」手をつけた段階で止まり、いちばん効く下流まで到達しないのです。
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5項目を1つずつ|今日からの一手
5項目を、着手しやすい順に具体化します。
まず母集団の測定と振り返りです。応募数、母集団の魅力度(質)、選考離脱率、内定承諾率の4指標を記録し、月1で振り返る。測るだけで、どこが詰まっているかが見え、打ち手の精度が上がります。次に各フェーズの情報設計です。どのフェーズで、誰に、何を伝えるかを1枚に一覧化する。伝え漏れと重複が消えます。そして逆算のフロー設計です。内定承諾というゴールから逆算し、各接点で何を感じてほしいかを設計する。説明会の物語化は、自社の歴史や理念を、候補者が自分ごとにできる物語として語ること。最後に選考の独自工夫で、自社らしさが伝わる体験を選考プロセスそのものに埋め込みます。候補者との全ての接点を、その企業らしさを体現する一貫したブランド体験にする。これが下流の設計の核心です。
上流を固めてから、この5項目に効かせる
ただし、下流だけを単独で磨いても、差別化のための差別化になり、効果は長続きしません。下流が効くのは、上流が固まっているときです。
自社の強みと独自性を言語化し、採用の軸を1文で定める。ほしい人物像とMUST基準を全社で共有する。この上流があって初めて、説明会に込める物語も、選考の独自工夫も、ぶれない軸から生まれます。「知名度が低くても『光る人材』が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)でも書きましたが、自社の強みと求める同志のインサイトが交差するビクトリーゾーンを定義することが、下流のすべての設計の起点になります。
https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-books/saiyou-branding-kanzenban-2020
上流で軸を立て、一貫性で通し、下流でこの5項目をやり切る。この順序が、最も効くところに最短で効かせる道です。
やり切った会社は成功率が跳ねる
下流までやり切った会社は、成果がはっきり跳ねます。
実践度を4つの層に分けて新卒の計画達成率を見ると、第1層22%、第2層30%、第3層45%、第4層82%と、階段状に上がりました。中途も23%、23%、37%、76%と伸びます。特に第3層から第4層での上昇幅が大きく、やり切った層でだけ成果が跳ねる構造です。薬の用量反応と同じで、中途半端な量では効かず、一定の水準を超えて初めて効き目が立ち上がります。効く5項目を後回しにしている限り、この跳ねは起きません。凡事を徹底し、やり切ること。それが、いちばん効くところに効かせる唯一の方法です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 採用で最初に手をつけるべき実践項目は何ですか。
採用成功と相関が高いのは、説明会の物語化、逆算のフロー設計、選考の独自工夫、各フェーズの情報設計、母集団の測定と振り返りの5項目です(相関0.41〜0.45)。なかでも母集団の4指標測定は着手しやすく、どこが詰まっているかが見えるため、最初の一手に向いています。
Q2. なぜ効く項目ほど実践度が低いのですか。
下流の設計は手間がかかり、効果が後から出るため後回しにされやすいからです。加えて、上流(軸や独自性の言語化)が固まっていないと下流を設計できません。多くの会社が上流に「そこそこ」手をつけた段階で止まり、いちばん効く下流まで到達していません。
Q3. 母集団の4指標とは何ですか。
応募数、母集団の魅力度(質)、選考離脱率、内定承諾率の4つです。これらを記録し月1で振り返ることで、採用プロセスのどこで詰まっているかが可視化され、打ち手の精度が上がります。
Q4. 下流の設計だけ磨けば成果は出ますか。
下流だけを単独で磨くと、差別化のための差別化になり長続きしません。自社の強みと独自性という上流の軸があって初めて、説明会の物語も選考の独自工夫もぶれずに設計できます。上流を固めてから下流をやり切る順序が重要です。
Q5. どのくらいやれば成果が出ますか。
実践度を4層に分けると、新卒の計画達成率は第1層22%から第4層82%まで階段状に上がりました。第3層から第4層での上昇幅が大きく、やり切った層でだけ成果が跳ねます。中途半端ではなく、一定の水準を超えてやり切ることが必要です。
まとめ|伸びしろは、いちばん効くところにある
採用実態調査2026が示したのは、採用成功と最も相関が高い5項目(説明会の物語化、逆算フロー、選考の独自工夫、情報設計、母集団の測定)ほど、実践度が低いという逆転でした。最も効くのに、最もやれていない。だからこそ、ここが最大の伸びしろです。上流で軸を立て、一貫性で通し、下流のこの5項目をやり切る。やり切った会社だけが、成功率の跳ねを手にします。
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採用がうまくいく会社といかない会社を分けているのは、「21の法則」という成功法則を実践できているかどうか。全国の経営者465名調査でわかったことです。全国平均は5点満点で2.82。ところが、むすびのクライアントは4.5以上に届きます。だから採用に成功する。裏を返せば、多くの会社はこの成功法則を持たないまま採用しているのです。『採用ブランディング完全版』(WAVE出版)の21の法則で、貴社の採用を21項目・5段階で診断する「採用力チェックシート」。平均4.0以上が「ほしい人材」を獲得できる企業の水準です。採用力チェックシートに申し込むと、貴社の結果を必ずフィードバックします。まずは、自社がこの成功法則にどれだけ乗れているかを知ってください。
なぜむすびのブランディングは成功するのか。そのメカニズムを知りたい方は、弊社説明ページをぜひご覧ください。
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結果がでるブランディングの成功事例はこちらをご覧ください。
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著者プロフィール
深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター
早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。2015年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はミラノでプラチナ賞、ロンドン、フランス、ミラノで合計6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。学術論文8編(査読付き)。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても"光る人材"が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナーブランディング」(セルバ出版)。「人が集まる中小企業の経営者が実践している、すごい戦略 採用ブランディング 新版」(WAVE出版)。国立大学法人富山大学とウェルビーイングに関する共同研究「幸福を超える共鳴」。2025年、新理論「共鳴経済」を日本マーケティング学会にて発表。2026年「共鳴経済 社員が"推す"会社が伸びる」(サンクチュアリ出版)を刊行。