【IT】テックファーム:超ロジカルなエンジニア集団の採用を、図で束ねる。採用ブランディング事例
企業のDX改革から基幹システム、アプリ開発までを一気通貫で担う高度なエンジニア集団・テックファーム。人材紹介頼みで受動的だった採用を、採用ブランディングで「求める人材像」と自社の強みを言語化しました。結果、数値目標を置いていなかった新卒で13名の内定承諾(うち6名が自主応募)、中途は年間35名という目標を達成。ここでは、その取り組みの中身と効果を紹介します。
この事例のポイント
- 数値目標を設定していなかった新卒で13名が内定承諾。うち6名が自主応募だった
- 中途は年間35名の採用目標を達成した
- 経営トップと現場責任者の「求める人材像のズレ」を、図で可視化して共通言語にした
- 採用スローガン「腕は、育つ場所で磨け。」で、成長環境という強みを尖らせた
- 求める人材像を人材紹介会社と共有し、書類選考の通過率と面接での承諾率が上がった
目次
- 課題:紹介頼みの受動的な採用と、経営と現場の微妙なズレ
- やったこと1:トップと現場の言葉を「図」で束ねる
- やったこと2:あふれる付箋を預かり、目的に立ち返って収束させる
- やったこと3:競合ではなく、ターゲットのインサイトから掘り下げる
- やったこと4:「腕は、育つ場所で磨け。」でピッチ資料の核をつくる
- 効果:新卒13名・中途35名、そして採用の「精度」が上がった
- よくある質問(FAQ)
課題:紹介頼みの受動的な採用と、経営と現場の微妙なズレ
テックファームは、東京・初台に拠点を置くIT企業です。案件のすべてがプライム(自社受け開発)で、iモードの開発に携わったことでも知られています。企業のDX改革から基幹システムの構築、ANAの予約アプリのような誰もが日常的に使うサービスの開発まで幅広く手がけ、単にアプリをつくるのではなく、顧客企業の中枢まで入り込んで課題を解くのが特徴です。予約システムと運行情報システムを連携させながら使い勝手まで設計するように、複数の基幹システムを束ねて成立させる高度な仕事でした。求められるのは、技術力に加えてビジネスの理解力や設計への落とし込みまでこなせる、極めて高度な人材でした。
採用は人材紹介をベースに成り立っていましたが、動きは受動的でした。紹介してもらい、出会ってから動く。この流れがコロナ禍で止まってしまいます。そこで、自分たちから能動的に口説くための「採用ピッチ資料」をつくり、部長以上が同じ言葉で会社を語れる状態をつくりたい。将来的にはリファラルやタレントプールにつなげたい。そんな狙いから採用ブランディングに取り組むことになりました。採用目標は新卒10名、中途35名です。
もう1つ、見えにくい課題がありました。経営トップと現場責任者とで、求める人材像や採用の目的が「似ているようで微妙にズレていた」ことです。トップは、現場を理解したうえでの採用ピッチ資料をつくり、共通の価値観を持てる人を採りたい、スキルは面接で見ればよいと考えていました。一方の現場責任者は、人材紹介からの紹介数を増やしたい、スキルの底上げをしたいと、より現場に近い具体的な要望を持っていました。この小さなズレが、後の議論に影響しかねない火種でした。
経営と現場で「求める人材像」がずれていませんか。まず言葉をそろえるところから、むすびが伴走します。
https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-contact
やったこと1:トップと現場の言葉を「図」で束ねる
高度な思考を持つ集団ゆえに、議論はしばしば抽象度が上がり、言葉だけでは認識が空中戦になりがちでした。そこでむすびは、言葉ではなく「図(モデル)」で確認する進め方を徹底しました。
まず、トップの発言と現場責任者の発言をそれぞれ図に起こし、「こういうことですよね」と確認していきます。トップが求めていたのは、技術力を磨く方向に振り切った人材ではなく、顧客の中身に入り込める人材。ただし入り込みすぎてもいけない、そのバランスに立つ人物像でした。現場責任者は、いまのメンバーがテクニカルに寄りすぎている現状を踏まえ、各人のレベルを引き上げたいと考えていました。両者を掛け合わせると、狙うべきターゲット像はほぼ一致します。この共通認識をつくるためにワークショップの初回をほぼ費やしましたが、ここで言葉のズレを解消できたことが、その後の議論を支える土台になりました。
やったこと2:あふれる付箋を預かり、目的に立ち返って収束させる
いざワークショップに入ると、今度は逆の難しさが現れます。メンバーのスキルも熱量も高く、言葉が次々にあふれて議論が止まらないのです。
担当者から出た付箋は100枚を優に超えました。付箋がなかなか出ない現場も多いなか、ここでは出しすぎて収束しないことが課題になります。そこでむすびは付箋を一度預かって整理し、「つまりこういうことですよね」と構造化して示しました。さらに、初回に描いた「ここが目的だ」という図を要所で共有し、脱線しかけた議論をそのつど本筋へ戻していきます。任せきりにせず、まとめて方向づける。この収束の役割が、発散力の強いチームでは特に重要でした。
やったこと3:競合ではなく、ターゲットのインサイトから掘り下げる
議論の途中では、「他社事例やベンチマークはあるのか」「競合の情報がなければ自社の売りは絞れないのではないか」という問いも出ました。高い技術を持つ企業ほど、同業とのベンチマークに縛られやすいものです。
これに対してむすびは、順番が違うと整理しました。先に競合を並べて売りを絞ろうとすると、表層的で独りよがりな差別化になりがちです。まずターゲットが何を重視するのか、そのインサイトを議論する。そのインサイトに刺さる形で、自社の違いを掘り下げていく。競合の出方は「把握しておく」程度でよく、そこに流される必要はありません。自社が最も自信を持てる強みを見出し、それを核にコンセプトと採用スローガンをつくって勝負に徹する。この順番を共有したことで、議論は自社の強みを深掘りする方向へ収束していきました。
競合を並べる前に、自社の強みを言語化する。その順番から採用ブランディングは始まります。
https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-contact
やったこと4:「腕は、育つ場所で磨け。」でピッチ資料の核をつくる
掘り下げた強みは、採用スローガンとボディコピーへと落とし込みました。
掲げたスローガンは「腕は、育つ場所で磨け。」。案件がすべてプライムで、高い技術力を求められる環境だからこそ、技術力だけでなくビジネスの理解力や、それを設計に落とし込む力まで鍛えられる。ここで働けばエンジニアとして圧倒的に成長できる。その強みを一言に凝縮した言葉です。むすびは採用スローガンとボディコピーの案を提示し、テックファームはこれを核に、社内で採用ピッチ資料を制作しました。この資料が、新卒採用でも中途採用でも、会社の姿を同じ言葉で伝えるための共通の土台になりました。
効果:新卒13名・中途35名、そして採用の「精度」が上がった
取り組みの結果は、数と質の両面に表れました。
新卒(2023年卒)は13名が内定承諾に至りました。もともと新卒には数値目標を置いておらず「採れればよい」という位置づけでしたが、結果は13名。しかもうち6名が自主応募でした。会社がどういう存在かを伝える軸ができたことで、インターンに来る学生や会社説明会での説明にもピッチ資料が生き、自ら手を挙げる応募者が現れたのです。
中途は年間35名という目標を達成しました。現場責任者は当初「人材紹介からの紹介数を増やしたい」と考えていましたが、成果はそれにとどまりません。どういう人材が必要かを明確にし、それを人材紹介会社と共有できたことで、紹介される人材と自社のマッチ度が上がり、書類選考の通過率と面接での承諾率が向上しました。数を増やすだけでなく、採用の「精度」そのものが上がる。求める人材像を言語化し、社内外で共有することが、採用ブランディングの中核的な効果であることを示す事例です。
よくある質問(FAQ)
Q. テックファームはどんな会社ですか。
A. 東京・初台に拠点を置くIT企業です。案件のすべてがプライム(自社受け開発)で、iモードの開発に携わったことでも知られています。企業のDX改革から基幹システム構築、ANAの予約アプリのような身近なサービスの開発までを、顧客の中枢に入り込んで手がける高度なエンジニア集団です。
Q. なぜ採用ブランディングに取り組んだのですか。
A. 人材紹介頼みで受動的だった採用がコロナ禍で止まり、自分たちから能動的に口説く必要が生まれたためです。部長以上が同じ言葉で会社を語れる「採用ピッチ資料」をつくり、リファラルやタレントプールにつなげる狙いがありました。
Q. どんな成果が出ましたか。
A. 数値目標を置いていなかった新卒で13名が内定承諾し、うち6名は自主応募でした。中途は年間35名の目標を達成し、書類選考の通過率と面接での承諾率も向上しました。
Q. 経営と現場で人材像がずれている場合、どう進めるのですか。
A. 発言をそれぞれ図に起こし、共通認識をつくることから始めます。テックファームでも、トップと現場責任者の言葉を可視化して掛け合わせ、狙うべきターゲット像を1枚の図で合意しました。
Q. 技術者集団やIT企業以外にも応用できますか。
A. できます。求める人材像を言語化し、自社の強みをスローガンに凝縮して社内外で共有する発想は、業種を問わず有効です。詳しくはお問い合わせください。
採用力チェックシート|自社の“成功法則”を採点する
採用がうまくいく会社といかない会社を分けているのは、「21の法則」という成功法則を実践できているかどうか。全国の経営者465名調査でわかったことです。全国平均は5点満点で2.81。ところが、むすびが支援する企業は4.5以上に届きます。だから採用に成功する。裏を返せば、多くの会社はこの成功法則を持たないまま採用しているのです。21の法則で、貴社の採用を21項目・5段階で診断する「採用力チェックシート」。平均4.0以上が“ほしい人材”を獲得できる企業の水準です。採用力チェックシートに申し込むと、貴社の結果を必ずフィードバックします。まずは、自社がこの成功法則にどれだけ乗れているかを知ってください。
関連記事
- 【飲食】内定辞退の常態から承諾率94%へ。TBI JAPANの採用ブランディング事例
- 採用ブランディングとは──提唱者による定義・理論・実証データのすべて
- 採用戦略の立て方|5つの手順とフレームワーク、中小企業の成功事例
- 母集団を増やす前にやること|経営者465名調査でわかった採用成否を3.1倍動かす要因
- いい会社ほど採用で苦戦する理由|共鳴経済で読み解く打開策
もっと知りたい方へ
なぜむすびのブランディングは成功するのか。そのメカニズムを知りたい方は、弊社説明ページをぜひご覧ください。
https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-resonance-branding/recruitment-branding
結果がでるブランディングの成功事例はこちらをご覧ください。
https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-resonance-branding/projects
共鳴ウェルビーイングサーベイで、自社の強みや弱みを知りましょう。
https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-resonance-branding/wellbeing-survey