【製造】田村製作所:採用ゼロから半年で15名。求人サイトを使わず選ばれる鉄骨会社に変えた採用ブランディング事例
新潟県長岡市の鉄骨製造会社・田村製作所は、仕事の依頼は殺到しているのに人が採れず、受けられる仕事を制限せざるをえない状態にありました。むすびの採用ブランディングで自社の強みと採用基準を言語化し、「社員が実際にどの経路で入社したか」を起点に採用チャネルを設計し直した結果、ハローワークとポリテクセンターだけで半年に15名を採用。求人サイトは1つも使っていません。ここでは取り組みの中身と効果を紹介します。
この事例のポイント
- 現場・工場系の応募がほぼ来ず、本社工場の採用は実質ゼロという状態が出発点だった
- 社内アンケートで「社員が何をきっかけに入社したか」を可視化し、最も効いていたチャネルに営業を集中した
- 採用基準を部署ごとに分けて言語化し、面接の合否がぶれない仕組みをつくった
- 見学から応募への転換率を、案内役の見直しとPDCAで引き上げた
- 求人サイトを使わず、ハローワークとポリテクセンターのみで半年に15名を採用した
目次
- 課題:仕事はあるのに人が採れない
- やったこと1:強みと採用基準を全員で言語化する
- やったこと2:社員の入社経路を潰し込み、チャネルを絞る
- やったこと3:見学から応募への転換をPDCAで上げる
- 効果:ハローワークとポリテクだけで半年15名
- よくある質問(FAQ)
- 関連記事
課題:仕事はあるのに人が採れない
依頼は殺到しているのに、人が採れないから仕事を受けきれない。これが出発点でした。
田村製作所は鉄骨の製造・施工を手がけ、工場に欠かせないクレーンの設置やメンテナンスも自社で行う会社です。従業員はおよそ65名。事務職の募集にはある程度人が集まる一方で、現場や工場系は見学も応募もほとんど来ませんでした。本社工場の採用は実質ゼロに近く、採用ブランディング導入前の実績は新卒0名・中途3名。求める人物像も明確でなく、面接の合否は「なんとなく」で決まりがちで、部署によって欲しい人材が違うことも整理されていませんでした。
新設したクレーン事業部の人材や、溶接・設計の経験者も欲しい。しかし「経験者は絶対に来ない」というのが社内の空気でした。
「仕事はあるのに採れない」は、多くの中小製造業に共通する行き詰まりです。まずはご相談ください。
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やったこと1:強みと採用基準を全員で言語化する
最初に取り組んだのは、自社の強みと採用基準を関係者全員で言葉にすることでした。
社長・部長・現場作業員・総務担当者などおよそ10名でワークショップを行い、田村製作所の強みを洗い出して「興味・やりがい」「社会とのつながり」「会社づくり」の3つに絞り込みました。あわせて、採用でぶれてはいけない条件(MUST)と、あると望ましい条件(WANT)を新卒・中途で分けて定義。この過程で、鉄骨の製造現場が欲しい人物像と、設計・原寸を担う部署が欲しい人物像はそもそも違うことが明らかになり、採用基準を部署単位で分けました。基準を全員で決めておくことで、面接の合否がその場の印象で動かなくなります。
この言語化から生まれたのが、採用スローガン「鉄骨をつくろう、鉄骨になろう。」です。前半は、知名度がないぶん何をしている会社かがすぐ伝わるように。後半は、将来の田村製作所を背負う人になってほしいという願いを込めています。認知が課題だったクレーン事業部には「クレーンで動かせ、日本のものづくり。」という別のスローガンを用意しました。
やったこと2:社員の入社経路を潰し込み、チャネルを絞る
次に、採用の媒体を「感覚」ではなく「事実」で選び直しました。
むすびが勧めたのは、まず自社の流入経路を潰すことです。全社員に「あなたは何でこの会社を知って入社したか」をアンケートで一斉に聞いたところ、圧倒的に多かったのはハローワークとポリテクセンター(新潟県が運営する職業訓練の拠点)でした。社員自身が体験した経路なので、社内でも納得しやすく、伝えやすい。そこで総務担当者がハローワークとポリテクセンターに徹底的に足を運び、企業説明会のラインナップに加えてもらいました。ハローワークが集めた求職者の前に立つことで、認知が少しずつ求職者に届くようになります。
説明会で使う資料も、社員自身が考えて作り、検証しながら改善しました。自分たちで手を動かすことで、採用が「人任せ」でなくなっていきました。
何の媒体を使うかは、自社の社員がどこで会社と出会ったかを見れば決まります。設計から私たちが伴走します。
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やったこと3:見学から応募への転換をPDCAで上げる
認知が広がると見学者は増えましたが、今度は「見学に来ても応募に至らない」という次の壁が現れました。
そこで案内役を見直しました。当初は総務担当者が案内していたものを、現場の若手が同行する形に変更。ところが、20代から30代前半の若手が40代・50代の経験者を案内しても響きにくいことがわかり、ベテランの課長職に案内を任せると、年齢層が近い求職者の応募につながりました。若手には、課長の話し方を学んで自分の案内に取り入れてもらう。こうしたPDCAを回すことで、若手が案内しても応募につながるようになりました。
採用基準を全員で決めていたことも効きました。基準に合わない応募者は自社に合わないと判断して見送り、半年でおよそ4〜5名を見送っています。数を追うのではなく、基準で採る。この一貫性が定着にもつながりました。
効果:ハローワークとポリテクだけで半年15名
取り組みの結果、採用実績はゼロに近い状態から半年で15名に伸びました。
使った媒体はハローワークとポリテクセンターのみ。大手の求人サイトは1つも使っていません。「絶対に来ない」と思われていた溶接の経験者やクレーンの取扱者、さらに設計・原寸の経験者まで採用でき、管理職級の人材も入社しました。仮に人材エージェント経由(年収400万円・フィー35%)で15名を採用していれば約2,100万円の費用がかかる計算で、そもそもエージェントを使っても採れていなかったことを踏まえると、その差は大きなものです。
採用力が事業を押し上げ、売上は2024年の24億円から、2025年10月期には31億円になりました。求人サイトへの出稿ではなく、自社の強みの言語化と、社員の入社経路に基づくチャネル設計が、採れない鉄骨会社を「選ばれる会社」に変えた事例です。
求人サイトを増やす前に、自社の強みと採用基準を言葉にする。それが採用ブランディングの出発点です。
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よくある質問(FAQ)
Q. どんな成果が出ましたか。
A. 採用実績がほぼゼロの状態から、半年で15名を採用しました。溶接・クレーン・設計の経験者や管理職級の人材まで採れ、売上も2024年の24億円から2025年10月期に31億円へ伸びました。
Q. どの媒体を使ったのですか。
A. ハローワークと、新潟県が運営するポリテクセンターのみです。大手の求人サイトは使っていません。社員が実際にどの経路で入社したかを調べ、最も効いていたチャネルに営業を集中しました。
Q. なぜ「経験者は来ない」と思われていた人材が採れたのですか。
A. 採用基準を部署ごとに言語化し、面接の合否をぶらさない仕組みをつくったことが大きいです。誰にどう魅力を伝えるかが定まると、条件の合う経験者にも届くようになります。
Q. 見学は来るのに応募につながりません。どうすればよいですか。
A. 案内役を見直すことが有効です。田村製作所では、求職者と年齢層の近い社員が案内する形に変えたことで応募が増えました。案内の質を全員で共有し、PDCAで改善していきます。
Q. 製造業以外にも応用できますか。
A. できます。採りにくい業界ほど、求人媒体を増やす前に「自社の強みと採用基準を言葉にする」ことが効きます。詳しくはお問い合わせください。
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