【定期的実験レポート】主要AI系メディア8サイトにトラフィックをもたらしたキーワード26年7月分を中心にCLAUDE Fable5.1に分析させてみた。
AI系メディア キーワード動向分析レポート(2026年7月)
1. 分析サマリー
本レポートは、AI系メディア群(392サイト・日本)のSimilarWeb検索キーワードデータ33,820件から抽出したファインディングスと、そこから読み取れる市場の洞察および今後の見通しをまとめたものである。うちAI関連のキーワードは16,788件で、トラフィック全体の67.1%を占める。
2026年7月は、新しいモデルと新しい機能の発表が一気に重なった月だった。GPT-5.6とgpt-live関連の検索は6月の8.5万件から94.4万件へ11倍、Kimi K3は1.8万件から41.2万件へ23倍、Gemini 3.6とGrok 4.5はいずれも6月時点でほぼゼロから8.7万件・6.8万件へ立ち上がった。AI関連キーワード全体の月間検索ボリュームは5,598万件で、前月比+9.2%。12ヶ月前の1.72倍である。
その裏で、Claude系が初めてはっきり下がった。3月の747万件をピークに7月は630万件で、前月比-13.9%。「claude」単体も224万件(-13.5%)、「クロード」も53万件(-16.4%)と減った。トラフィックの首位は「gemini」(51,424件・全体の9.79%)に入れ替わっている。
もう一つ、6月から続く動きとして、AIに広告を出す側の検索が14.9万件(前月比+35.9%)まで伸びた。5月の4.4万件から2ヶ月で3.4倍である。加えて法人向けプランの入口である「chatgpt work」が新たに14.7万件を記録した。新モデルの話題に隠れているが、AIを売る側と買う側の商流が動き始めた月でもある。
2. 主要な分析結果(ファインディングス)
- ファインディングス1:新モデルの発表が一斉に重なった。 GPT-5.6・gpt-live関連159件の合計は6月8.5万件から7月94.4万件(11.1倍)、Kimi K3関連54件は1.8万件から41.2万件(23.3倍)、Gemini 3.6関連11件は0から8.7万件、Grok 4.5関連9件は0から6.8万件。7月に初めて数字が立ったAI関連語は5,965件・471万件で、AI関連総量の8.4%を占める。
- ファインディングス2:Claudeが3月のピークから明確に下がった。 Claude系のキーワード群は3月747万件、4月680万件、5月642万件、6月732万件、7月630万件と推移し、前月比-13.9%。「claude」は224万件(-13.5%)、「クロード」は53万件(-16.4%)、「chatgpt 有料プラン」も6.5万件(-21.8%)と、6月に伸びていたものが一斉に反落した。
- ファインディングス3:総量の伸びは続いているが、中身は新製品に偏っている。 AI関連キーワードの月間ボリュームは5,598万件で前月比+9.2%。ただし12ヶ月連続で計測できる定番505語のパネルは2,758万件で前月比-4.8%。定番の言葉は減っており、伸びを作っているのは新しく出てきた言葉である。
- ファインディングス4:中国系モデルの検索が倍近くに増えた。 DeepSeek、Qwen、Kimi、GLM、MiniMaxを含む357件の合計は6月53.7万件から7月99.9万件(+86.1%)。牽引したのはKimi K3で、単一キーワードだけで33.5万件。
- ファインディングス5:AIを売る側・買う側の動きが立ち上がった。 AIと広告を含むキーワードの合計は5月4.4万件、6月11.0万件、7月14.9万件と2ヶ月で3.4倍。法人向けの「chatgpt work」関連45件も2.1万件から21.0万件へ10倍になった。課金・法人契約のクラスタ全体は112.7万件で、1年前の17.2万件から6.6倍。
3. 詳細分析:洞察と今後の展望
トピック1:「新モデルが一斉に出た月 — 検索は供給側の動きに反応している」
- 客観的なデータ事実: 7月に立ち上がった新モデル関連の検索は、GPT-5.6・gpt-live関連が94.4万件(6月8.5万件)、Kimi K3関連が41.2万件(同1.8万件)、Gemini 3.6関連が8.7万件(同0)、Grok 4.5関連が6.8万件(同0)、Codex micro が5.2万件(同0)。個別では「gpt-live」12.99万件、「gpt5.6」12.67万件、「gpt‑live」9.14万件、「gpt 5.6」8.76万件、「kimi k3」33.47万件、「gemini 3.6 flash」4.83万件、「grok 4.5」3.17万件。表記ゆれが多く、同じ製品が複数のつづりで検索されている。
- 洞察と今後の展望:
- [洞察] 7月の伸びの大半は、利用者が増えたからではなく、提供する側が新しい名前を出したから起きている。定番505語のパネルが前月比-4.8%で減っていることがその裏づけになる。同じ製品が「gpt-live」「gpt‑live」「gpt live」と3通りで検索されているのは、名前が定着する前の段階であることを示す。また、Kimi K3が単一キーワードで33万件という規模に達したのは、性能の高いモデルが安く出てくれば日本の利用者もすぐ試すという事実の表れである。
- [今後の展望] この種の伸びは発表からおよそ1〜2ヶ月で落ち着くことが多い。8月以降に総量がどう動くかで、市場の実力が見えてくる。企業の側で考えるべきなのは、モデルの更新がこの頻度で続く前提に業務を合わせることである。特定のモデルに深く作り込んだ仕組みは、半年で前提が変わる。乗り換えられる形で組んでおくほうが、結果的に投資が無駄になりにくい。
トピック2:「Claudeが3月のピークから下がり始めた」
- 客観的なデータ事実: Claude系のキーワード群は2026年2月に380万件へ急伸し、3月747万件でピークを打った。その後4月680万件、5月642万件、6月732万件、7月630万件と推移している。「claude」は3月以降2月連続で減り7月224万件、「クロード」は53万件で前月比-16.4%。トラフィック面では「claude」が12,258件(全体の2.33%)で、6月時点の全体11.11%から大きく下がった。一方で「claude api」は4.9万件でほぼ横ばい、トラフィックでも4,051件と上位に残っている。
- 洞察と今後の展望:
- [洞察] 2月から3月にかけての急伸は、話題として一気に知られたことによるものだった。名前を知るための検索は、知られてしまえば減る。7月の減少は利用が減ったことを意味するとは限らず、名前を調べる段階の人が一巡したと読むほうが自然である。実際、開発者向けの「claude api」は減っていない。話題として調べる人は減り、実際に組み込んで使う人は残っている、という形である。
- [今後の展望] ここから先の見方は二つに分かれる。8月以降に反転すれば、個人の試用から法人契約へ広がる第二の波が来たことになる。減り続ければ、日本での認知拡大は3月がピークだったという整理になる。判断材料としては「claude team」「claude enterprise」といった法人向けキーワードの動きを見るのがよい。自社でAIツールを選定する立場なら、話題の量ではなく開発者向けキーワードが落ちていない点に注目したほうが実態に近い。
トピック3:「Geminiがトラフィックの首位に立った」
- 客観的なデータ事実: トラフィック上位は「gemini」51,424件(全体の9.79%)、「comfyui」20,120件(3.83%)、「ジェミニ」13,413件(2.55%)、「claude」12,258件(2.33%)の順。Gemini・Google系のキーワード群は7月1,576万件で前月比+18.1%と、主要テーマのなかで最も伸びた。個別では「gemini spark」が5.6万件から14.3万件(2.6倍)、「gemini notebook」が340件から5.9万件、「googlegemini」が1.4万件から2.8万件。ただし「gemini」単体の検索数は828万件で前月比-8.1%、「google ai studio」も36.6万件で-15.3%と減っている。
- 洞察と今後の展望:
- [洞察] Gemini系が伸びたのは、本体の検索が増えたからではなく、周辺機能の名前で検索する人が増えたからである。「gemini spark」「gemini notebook」のように、機能単位で検索されるようになるのは、その製品が日常的に使われ始めたときの動き方だ。使い始める前は製品名で調べ、使い始めると機能名で調べる。Geminiは日本でその段階に入った。
- [今後の展望] 機能名での検索が増える製品は、利用者が定着している可能性が高い。同時に、機能が増えるほど「どれを使えばいいか分からない」という状態も生まれる。企業として導入する場合、契約するかどうかより、どの機能を誰にどう使わせるかを決めるほうが難しくなる。この先1年で、社内の情報共有や資料作成にGoogleの環境を使っている会社では、追加費用なしにAIが入ってくる場面が増える。使わせない理由を探すより、使い方を決めておくほうが現実的である。
トピック4:「AIを売る側と買う側の商流が動き出した」
- 客観的なデータ事実: AIと広告の両方を含むキーワードの合計は、4月0.6万件、5月4.4万件、6月11.0万件、7月14.9万件。「chatgpt広告」は2.8万件から5.7万件(2.0倍)で、トラフィックの受け皿はhelp.openai.comである。法人向けでは「chatgpt work」が新たに14.7万件、「chatgpt work とは」1.7万件、「chatgpt work 使い方」5,837件、「chatgpt business」1.1万件、「chatgpt business 価格」3,320件が並んだ。課金・法人契約のクラスタ全体は112.7万件で前月比+6.4%、1年前の17.2万件から6.6倍になっている。
- 洞察と今後の展望:
- [洞察] 新モデルの話題に比べると数字は小さいが、こちらは性質が違う。広告を調べているのはAIを使いたい個人ではなく、AIに出稿したい企業のマーケティング担当者である。「chatgpt work」を調べているのは、会社として契約するかどうかを検討している人だ。どちらもお金が動く検索であり、話題の検索とは意味の重みが違う。しかも受け皿が公式のヘルプページなので、情報収集ではなく手続きを確認する段階にいる人が多い。
- [今後の展望] 個人が使い始めてから会社が契約するまでには通常1年前後かかる。日本市場はいまその移行期にあたる。「chatgpt work」のような法人向けプランの検索が7月に一気に立ち上がったということは、秋にかけて社内での検討や稟議が増える。取引先や競合が先に法人契約を結ぶ場面が出てくるので、自社が何も決めていない状態が目立ちやすくなる時期である。
トピック5:「使う人が増えて、詰まる人も増えた」
- 客観的なデータ事実: 「できない」「エラー」「使えない」「ログイン」「障害」などを含むトラブル系のキーワード332件の合計は、6月22.9万件から7月28.2万件へ+22.7%。個別では「チャットgpt ログイン」5.0万件、「403エラー」2.8万件、「chatgpt エラー」1.2万件(6月1,170件から10.6倍)、「notta ログイン」1.1万件、「ノートブックlm ログイン」1.0万件、「claude 障害 リアルタイム」7,915件、「chatgpt canvas 使えない」5,091件(同3.4倍)。一方、同じ月に「使い方・方法」は+2.2%、「比較・おすすめ」は-2.3%、「事例・業務活用」は-10.1%と伸びていない。
- 洞察と今後の展望:
- [洞察] トラブルの検索だけが伸びて、使い方や事例の検索が止まっているのは、新しく学ぶ人よりも、すでに使っている人が困っている場面のほうが増えているということである。「ログイン」が上位に来るのは、業務のなかで日常的に開く道具になった証拠でもある。使い始めの人は使い方を調べ、使い慣れた人は動かないときだけ調べる。
- [今後の展望] AIが業務に組み込まれるほど、止まったときの影響が大きくなる。「claude 障害 リアルタイム」のようなキーワードが検索されるのは、その日の仕事が止まって困っている人がいるからである。特定のAIサービスに業務を寄せている場合、止まったときにどうするかを決めておく必要が出てくる。この観点はまだ多くの会社で抜けており、実際に長時間の障害が起きたときに初めて問題になる。
4. 人々はいま、何に関心を向けているか
検索キーワードは、SEOで狙う的である前に、人々がいま何を知りたく、何をしたいのかを映す記録である。その視点で7月のデータを読む。
最も関心を集めているもの(トラフィック上位 Top 12)
| # | キーワード | トラフィック | シェア | 7月検索数 | 検索数の前月比 | 主な受け皿 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | gemini | 51,424 | 9.79% | 8,277,940 | -8.1% | gemini.google.com |
| 2 | comfyui | 20,120 | 3.83% | 96,983 | +2.6% | aismiley.co.jp |
| 3 | ジェミニ | 13,413 | 2.55% | 3,440,432 | 前月データなし | gemini.google.com |
| 4 | claude | 12,258 | 2.33% | 2,241,362 | -13.5% | claude.ai |
| 5 | クロード | 6,285 | 1.20% | 532,857 | -16.4% | claude.ai |
| 6 | chatgpt 有料プラン | 6,164 | 1.17% | 64,964 | -21.8% | chatgpt.com |
| 7 | claude api | 4,051 | 0.77% | 48,846 | +0.4% | platform.claude.com |
| 8 | chat gpts | 3,738 | 0.71% | 13,756 | -2.8% | chatgpt.com |
| 9 | aiニュース | 3,580 | 0.68% | 14,592 | -13.2% | ledge.ai |
| 10 | ai博覧会 | 3,512 | 0.67% | 4,668 | -70.1% | aismiley.co.jp |
| 11 | ai ニュース | 3,017 | 0.57% | 11,242 | -30.9% | ledge.ai |
| 12 | google ai studio | 2,990 | 0.57% | 365,660 | -15.3% | aistudio.google.com |
この並びから読めること: 上位12件のうち10件が前月比で減っている。トラフィックの首位はGeminiに入れ替わったが、それも検索数自体は減ったなかでの首位である。関心の中心にある定番のキーワードは、7月にそろって一息ついた。伸びていたのは、この表に出てこない新モデルの名前のほうである。
7月に大きく増えたもの(検索数の増分が大きいAI関連キーワード)
| # | キーワード | 6月 | 7月 | 増分 | 関心の中身 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | チャットgpt | 8,824,172 | 9,595,563 | +771,391 | ChatGPTをカタカナで探す(後発層) |
| 2 | chatgpt | 5,580,030 | 5,922,428 | +342,398 | ChatGPTを使う |
| 3 | kimi k3 | 0 | 334,700 | +334,700 | 中国製の新モデルを試す |
| 4 | gpt | 1,818,169 | 1,994,362 | +176,193 | 総称で調べる |
| 5 | chatgpt work | 0 | 147,478 | +147,478 | 会社として契約する |
| 6 | gpt-live | 0 | 129,924 | +129,924 | 新機能を確かめる |
| 7 | gpt5.6 | 38,401 | 126,716 | +88,315 | 新版の性能を確かめる |
| 8 | gemini spark | 55,791 | 142,962 | +87,171 | Geminiの新機能を使う |
| 9 | gemini notebook | 340 | 59,041 | +58,701 | 資料を読ませて要約させる |
| 10 | codex micro | 0 | 52,433 | +52,433 | 軽い開発支援を試す |
| 11 | gemini 3.6 flash | 0 | 48,306 | +48,306 | 新版の性能を確かめる |
| 12 | grok 4.5 | 0 | 31,650 | +31,650 | 新版の性能を確かめる |
| 13 | chatgpt広告 | 27,987 | 56,569 | +28,582 | AIに広告を出す |
| 14 | novelai | 108,643 | 133,442 | +24,799 | イラストを生成する |
| 15 | moonshot ai | 3,199 | 22,628 | +19,429 | 中国のAI企業を知る |
この並びから読めること: 15件のうち7件が7月に発表された新しいモデルや機能の名前である。関心は新しいものへ強く向かった。同時に5位の「chatgpt work」と13位の「chatgpt広告」という、お金が動く検索が上位に入っている。話題の裏で、契約と出稿の検討が始まっている。
5. 月次トレンド推移
テーマ別の月間検索ボリューム推移(単位:千件)。キーワードの表記ゆれを含めて集計している。
| テーマ | 25-07 | 25-08 | 25-09 | 25-10 | 25-11 | 25-12 | 26-01 | 26-02 | 26-03 | 26-04 | 26-05 | 26-06 | 26-07 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ChatGPT・OpenAI系 | 14,924 | 15,186 | 14,244 | 10,510 | 13,278 | 13,100 | 14,442 | 13,622 | 16,017 | 16,082 | 19,175 | 20,984 | 23,987 |
| Gemini・Google系 | 9,169 | 7,728 | 10,401 | 10,246 | 11,281 | 13,047 | 14,047 | 12,572 | 16,650 | 12,284 | 13,407 | 13,342 | 15,764 |
| Claude系 | 1,838 | 1,190 | 1,215 | 1,386 | 1,241 | 1,187 | 1,710 | 3,795 | 7,465 | 6,797 | 6,418 | 7,323 | 6,304 |
| 画像・動画・音楽生成 | 1,671 | 1,876 | 1,494 | 2,073 | 1,579 | 1,807 | 1,928 | 1,525 | 1,620 | 1,683 | 1,749 | 1,791 | 1,771 |
| 課金・法人契約 | 172 | 161 | 174 | 161 | 176 | 235 | 288 | 581 | 769 | 761 | 888 | 1,059 | 1,127 |
| 中国系モデル | 368 | 387 | 326 | 298 | 266 | 252 | 241 | 262 | 321 | 428 | 468 | 537 | 999 |
| AIエージェント・MCP | 373 | 217 | 192 | 241 | 139 | 203 | 196 | 240 | 367 | 468 | 384 | 413 | 501 |
| AI×広告 | 6 | 7 | 3 | 5 | 2 | 5 | 10 | 12 | 7 | 6 | 44 | 110 | 149 |
| 事例・業務活用 | 13 | 20 | 7 | 4 | 5 | 5 | 4 | 6 | 12 | 14 | 23 | 90 | 81 |
| 規制・著作権・信頼性 | 14 | 43 | 7 | 10 | 9 | 5 | 25 | 17 | 19 | 10 | 15 | 62 | 46 |
読み筋: 7月に伸びたのはChatGPT・OpenAI系(+14.3%)、Gemini・Google系(+18.1%)、中国系モデル(+86.1%)で、いずれも新モデルの発表があった領域である。逆にClaude系(-13.9%)、事例・業務活用(-10.1%)、規制・著作権・信頼性(-26.4%)は減った。この月は、実務でどう使うかを調べる動きが止まり、新製品への関心が突出した。
6. このデータがビジネスに突きつけるもの
問い1:特定のモデルに深く作り込んでいないか
7月だけでGPT-5.6、Gemini 3.6、Grok 4.5、Kimi K3という4系統の新版が出て、それぞれ数万から数十万件規模の検索を集めた。この頻度で更新が続くなら、いま最良のモデルは半年後には最良ではない。社内の仕組みを特定のモデル前提で作り込むほど、乗り換えの費用が上がる。どのモデルでも動く形で組んでおくほうが、結果として長く使える。
問い2:AIツールの契約を、まだ個人任せにしていないか
「chatgpt work」が7月に14.7万件、関連を含めて21.0万件検索された。会社として契約する検討が、この月に一気に立ち上がっている。課金・法人契約のクラスタは1年で6.6倍になった。個人が自分の財布で契約して業務に使っている状態は、費用の問題ではなく管理の問題になる。誰が何を入力しているか会社が把握できないからだ。契約を会社の側に寄せる判断は、遅らせるほど後戻りしにくくなる。
問い3:AIに広告を出す選択肢を、検討の対象に入れているか
AIと広告のキーワードは5月4.4万件から7月14.9万件へ2ヶ月で3.4倍になった。しかも検索した人の行き先は公式のヘルプページで、出稿の手続きを確かめている。新しい広告媒体は、立ち上がりの時期ほど競争が少なく安く出せる。少なくとも、いま何ができて何ができないのかを一度確認しておく価値はある。
問い4:AIが止まった日の段取りを決めているか
トラブル系の検索が前月比+22.7%に増え、「claude 障害 リアルタイム」のように障害が起きているかを確かめる検索が上位に入った。業務に組み込むほど、止まったときに仕事も止まる。代わりに使うものを決めてあるか、その日は手作業に戻すのか、決めていない会社が多い。
来月、市場の分かれ道として注視したい点
- 新モデルの伸びが落ち着いたあとに、総量が残るかどうか。 7月の伸びの多くは発表への反応だった。8月以降に総量まで落ちるなら、市場は成長の踊り場に入ったことになる。
- Claude系が反転するかどうか。 3月のピークから2ヶ月続けて減っている。法人向けキーワードが伸びれば第二の波、続けて減れば認知拡大は3月が頂点だったという整理になる。
- 事例・業務活用と規制・著作権が戻るかどうか。 6月に立ち上がりかけて7月に反落した。ここが再び伸びるなら、導入検討が本格的に広がっている裏づけになる。
- 中国系モデルが高い水準を保つかどうか。 Kimi K3の一発で倍近くになった。次の月も高いままなら、選択肢として定着したと見てよい。
データについての注記
- データ元:SimilarWeb「Top Keywords / AI系メディア」(392サイト・日本・全デバイス)、対象月2026年7月、取得日2026年8月3日。総キーワード数33,820件。
- この月のエクスポートは、月次のVolume列が2025年7月から2026年6月までの12ヶ月ぶんで、対象月(2026年7月)の値は「検索回数」列に入っている。本レポートではこの列を2026年7月の値として月次系列に加えて集計した。
- カテゴリの性質上、AIと無関係な一般キーワードが長い尾に含まれる。本レポートの市場総量は、AI関連語16,788件に限定して集計した5,598万件を用いている。全キーワードの合計は7,910万件だが、この数字にはノイズが含まれるため単独では使っていない。
- 月次のVolume列には、値が0として記録されている月がある。これは検索がなかったのではなく計測の欠損である場合が多い。個別キーワードの「新規出現」の判定はこの欠損と区別がつかないため、複数月にわたって0が続いた後に立ち上がったものに限って扱った。
- トラフィックの前月比(変化列)は、当月のトラフィック総量そのものが月によって変動するため単独では解釈しにくい。本レポートでは主に検索ボリュームの前月比を用いた。
- 本レポートは2026年9月10日に、7月分のデータのみを用いて作成した。8月以降の実績は反映していない。8月の動向は同フォルダの2026年8月レポートを参照。