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2025.08.08

採用は人事の仕事ではない。経営の本質に迫る「採用ブランディング」

「人が採れない」「採用がうまくいかない」「良い人が辞めてしまう」
こうした悩みは、採用活動を行う多くの企業にとって共通の課題です。しかし、求人媒体を変えたり、条件を見直したり、SNSでの発信を強化したりしても、なぜか思うような成果が出ない。そんな経験はありませんか?

その原因は、採用を手法で解決しようとしているからかもしれません。本記事では「採用は経営である」という視点から、再現性のある理論としての「採用ブランディング」について詳しく解説します。

採用ブランディングについて相談したい方はこちらから

採用とは「目の前の人数集め」ではない

採用活動において多くの企業が見落としがちなのは、「何人採るか」ではなく「誰と働くか」という視点です。単なる人集めではなく、自社の未来を共に担う仲間との出会いをどう設計するか。それこそが、本質的な採用活動の目的です。

数値目標ではなく、未来を共につくる視点

採用は未来の組織をデザインする行為です。目の前の人手不足を埋めるための手段ではなく、経営の意志決定と直結した仲間選びであるという認識が欠かせません。

経営者の理念と採用は地続き

経営者の内側にある思想や価値観を、言葉にし、組織に浸透させ、求職者に届ける。それが採用ブランディングの核心です。理念を翻訳し、届けることで、価値観で共鳴する仲間と出会えるようになります。

採用ブランディングとは何か?

採用ブランディングとは何か?

「採用ブランディング」と聞くと、見た目の整った採用サイトやパンフレットを連想する方も多いでしょう。しかし、表面的なデザインにとどまらず、組織の核となる「人の選び方」にこそ本質があります。

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デザインではなく「設計思想」

本来の採用ブランディングとは、誰を迎えるべきか、そのためにどんな情報をどう伝えるべきかを言語化し、構造化する設計思想です。感覚ではなく、論理と戦略に基づいた「仲間探し」の設計ともいえるでしょう。

経営理論としての再現性

採用ブランディングは、戦略論や組織論と同様、理論としての再現性が求められます。実際、私たちのプロジェクトでは、すべての施策に後追い検証を実施しており、「決めた通りに実行すれば成果が出る」という実証データを積み重ねています。

採用は偶然ではなく「理論」で再現できる

「良い人に出会えたのは運が良かった」

そう考える経営者も少なくありません。しかし、本来、採用は運任せではなく、理論的に設計すれば誰でも再現可能な活動なのです。

データに基づいた改善と成功

採用ブランディングでは、どんな組織でも再現できるロジックを構築しています。だからこそ、業種・規模・地域を問わず、100%の改善実績を持ち、成功を「仕組み化」することができるのです。

採用は組織の思想が試される鏡

理念があるだけでは不十分。大切なのは、それが日常の言葉として社内で共有されているかどうか。採用で発信する言葉が、社内の日常と一致しているかどうかが、外部から見抜かれるポイントとなります。

採用ブランディングとインナーブランディングの関係

採用ブランディングを成功させるには、インナーブランディングとの連携が不可欠です。なぜなら、社内で共通認識がないまま発信しても、その言葉は本質的に届かないからです。

社内で通じていない言葉は外に届かない

外に向けていくら「理念」や「ビジョン」を語っても、社内でそれが使われていなければ、求職者には違和感として伝わってしまいます。内と外を一致させることが、信頼を得るための前提条件です。

ブランドは内側から育つ

採用ブランディングを通じて、理念を社内に浸透させ、文化として根付かせる。それが外への発信と連動し、結果としてブランドが育つ土壌になります。

採用は経営思想の“最前線”

採用は単なる人事施策ではありません。経営者の意志と思想が、そのまま外に現れる「最前線」なのです。だからこそ、採用ブランディングは経営における入り口の再設計だと言えるのです。

経営の意思がもっとも顕在化する場面

「誰と働くか」を決めることほど、経営の価値観が試される瞬間はありません。組織の未来に関わる重大な選択だからこそ、経営者の思想が問われます。

理念と現場をつなぐ架け橋としての採用

採用ブランディングは、経営者の理念を現場に橋渡しする構造的な装置です。それがあるからこそ、組織の方向性がブレず、求職者とのミスマッチも防げます。

採採用を経営として再定義する

採用とは、経営の最も重要な意思決定のひとつです。表面的な手法やデザインに頼るのではなく、自社の理念を言語化し、共有し、外に向けて発信すること。それが「採用ブランディング」の本質です。

採用を広報や人事に任せるのではなく、経営戦略として本気で取り組むこと。これこそが、持続可能な組織づくりと、共鳴する仲間との出会いを実現するための第一歩となるのです。

弊社のインナーブランディング事例はこちらをご確認ください。】

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深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても“光る人材“が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナーブランディング」(セルバ出版)。「人が集まる中小企業の経営者が実践しているすごい戦略 採用ブランディング」(WAVE出版)

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