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2023.04.26

採用ブランディングと採用コンサルティングの違いとは

採用ブランディングと採用コンサルティングの違いとは

一重に採用の手法と言っても、「採用マーケティング」に「採用コンサルティング」「採用ブランディング」などがあります。

なかでもとくに違いがわかりにくいのは「採用コンサルティング」と「採用ブランディング」ではないでしょうか。

そこで本記事では、採用コンサルティングと採用ブランディングの違いについて解説します。

ただし、昨今の「採用コンサルティング」の定義の幅は広いため、必ずしも下記のとおりではありません。

以下では採用ブランディングを体系化したむすび株式会社の視点から、それぞれの違いについて解説します。

 

採用コンサルティングは採用の設計・提案がメイン

採用コンサルティングは採用の設計・提案がメイン

前提として、採用コンサルティングの定義は企業によって大きく異なります。

採用の戦略をクライアントと一緒に作り上げるのも採用コンサルティングですし、説明会や面接の人数を追いかけてアドバイスするのも採用コンサルティングの業務の一つです。

上記の前提を踏まえた上で、あえて定義づけるのであれば、採用コンサルティングは勝ち筋の設計がメインの業務と言えます。

市場調査やヒアリングをもとに戦略、採用フローの設計を行い、提案するのが採用コンサルティングです。

ただし、あくまで採用コンサルティングが行う設計は、データが元になります。

クライアントの文化や価値観を重視するのではなく、市場や数字を元に設計していくのが、採用コンサルティングの一つの定義です。

 

採用ブランディングは採用の文化を作る

採用ブランディングは採用の文化を作る

採用コンサルティングと採用ブランディングの大きな違いとして、クライアントの文化や理念、価値観を土台にしているかどうかがあります。

採用ブランディングは、クライアントの価値観や強みを話し合いながら、戦術・戦略をクライアントと一緒に作り上げていきます。

その上で、面接や面談、説明会やイベントなどの「直接接点」と、採用広報やSNS、HPでの発信などのプロモーションを一つのコンセプトで貫くことが、採用ブランディングです。

 

採用ブランディングは採用のアウトソーシングではない

採用コンサルティングの中には、説明会や面接などの人事業務を代行するケースもあります。

しかし、私たちの採用ブランディングでは、代行は行いません。

なぜなら、採用を代行してしまうということは、クライアントの理念や価値観に基づく採用を阻害してしまうからです。

もし私たちが面接などを行った上で入職者が決まった場合、必ずミスマッチが起き、結果的に早期離職に繋がってしまいます。

これらのフローすべてを自社で一貫したコンセプトで行えるように育てていくのが、採用ブランディングです。

 

採用ブランディングは採用チームの育成

採用ブランディングは、クライアントの採用チームの育成でもあります。

改めて自社の採用の戦略・戦術を構築することによって、自社の採用チームができあがるのです。

ただの「研修」ではなく、自社の採用戦略・戦術づくりという、本番環境で採用チームを強化できるので、一時的な効果ではなく、今後の採用力にも繋がります。

また、ここで大事なのは、人事担当を中心としない部分です。

人事と現場社員の欲しい人材というのは、必ずしもマッチするものではありません。

人事だけで採用の戦略を作ってしまうと、現場で求めている人材が採用されてしまうようなミスマッチが起きます。

だから、採用ブランディングでは、現場の社員もチームに入れた上で戦略・戦術を構築するのです。

  

採用ブランディングと採用コンサルティングは協業関係でもある

用ブランディングと採用コンサルティングは協業関係でもある

採用ブランディングと採用コンサルティングは、決して対立的な位置にあるわけではありません。

むすび株式会社においても、採用コンサルティングの会社と協業するケースがあります。

例えば、求人広告を出す際には、私たちの作ったコンセプトなどを踏まえた上で採用コンサルティング会社に求人広告を作ってもらうこともあります。

また、実際の面接現場でサポートや面接代行などを採用コンサルティングが代行するケースもあります。

そのため、採用を強化する上で「採用ブランディングも採用コンサルティングもどちらも依頼する」といった選択肢は、間違いではありません。

ただし、アドバイスをするだけの採用コンサルティングの場合は、意味がないと言えます。

 

採用ブランディングと採用コンサルティングのどちらに依頼するべきか?

採用ブランディングと採用コンサルティングのどちらに依頼するべきか?

上記のように、採用ブランディングと採用コンサルティングを両方依頼するケースも考えられるので、一概に「どちらを選ぶべき」とは言えません。

あえて分けるとするならば、採用コンサルティングは、企業規模ではなく採用担当者のパートナーとしての依頼が好ましいです。

採用担当者が密なコミュニケーションをとったり、自分のやっている方法が正解か間違いかを知りたかったりする場合には、採用コンサルティングを選んだ方が良いでしょう。

対して、採用ブランディングを依頼するべきなのは、自社で独自の必勝の採用方法を確立していきたい企業です。

採用担当者による属人的なものではなく、企業としての採用の文化を一貫させ、採用担当者が変わった場合にも採用し続けられる仕組みを作るには、採用ブランディングが向いています。

 

採用ブランディングと採用コンサルティングは根本的に違う

採用ブランディングと採用コンサルティング

採用ブランディングと採用コンサルティングの違いをわかりやすく言うのであれば、以下のようになります。

  • 採用ブランディング…自社の採用力の育成
  • 採用コンサルティング…採用のアウトソーシング

必ずしもどちらを選ぶのが正解とは言えませんが、一時的ではなく、自社全体で採用力を高めるのであれば、採用ブランディングが適していると言えます。

 

    

 

深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランスで5度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。

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