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2023.07.24

インナーブランディングと採用の関係性

インナー・ブランディングと採用の関係性

インナーブランディングは、採用にも大きく関わってきます。

私たちむすび株式会社の「採用ブランディング・プロジェクト」においても、インナーブランディングの要素は含まれています。

そこで今回は、インナーブランディングと採用がどのように関わってくるのかについて、解説します。

 

採用の時点からインナーブランディングが始まる

採用の時点からインナー・ブランディングが始まる

インナーブランディングは「今、社内にいる人に向けて理念浸透を行いましょう」というのがこれまでの定義です。

対して、むすび株式会社が提供している採用ブランディング・プロジェクトは「理念共感した人を採用する」ことを最も重要としています。

自社の理念を伝えて、共感した人が集まる形になるので「採用の最初から教育が始まっている」「入社前から理念浸透ができている」と言っても過言ではありません。

つまり、採用ブランディング・プロジェクトとインナーブランディングを行うことで、より理念に共感する人材が残るのです。

そのため、採用ブランディング・プロジェクトとインナーブランディングを切り離して考えるのではなく、そもそも「インナーブランディングは採用のためにも行うもの」と考えて進めていくべきです。

 

採用ブランディング・プロジェクトとインナーブランディングの相互関係

採用ブランディング・プロジェクトとインナーブランディングは、相互関係にあると言えます。

採用ブランディングの視点から考えると、採用のための社内への理念浸透。インナーブランディングの視点から考えると、社内だけではなく社外に伝わるための理念。といったように、双方が補完し合う関係性と言えるでしょう。

少し噛み砕いて説明すると、以下のようになります。

  1. インナーブランディングで社内の文化を強くする
  2. 採用した際に文化や理念が強すぎて新入社員が拒絶反応を起こしてしまう(ミスマッチ)
  3. 理念や文化のミスマッチで離職されてしまうのであれば、最初から理念共感する人を採用すべき(採用ブランディング)
  4. 求職者は理念に共感、社内に入っても当然理念が浸透しているため、違和感なく働ける

上記のような円滑な流れが生まれるので、採用ブランディング・プロジェクトとインナーブランディングはどちらも行うべきなのです。

 

POINT「理念共感で採用した人材は活躍する」

企業のなかには「理念共感も大事だけれど、スペックを重視したい」と考えるケースもあるかもしれません。しかし、スキルというのは、理念・文化とマッチしなければ発揮されないものです。

具体的には以下の記事「どんな価値観を持った人を採用するかを決める」の項目で解説しているので、そちらも参考にしてください。

また、過去4回、母集団を変えてビジネスパーソンに調査を行っていますが、「いずれも入社時の理念共感度合いが高いほど、活躍しやすい」という統計的な因果関係があることがわかっています。

 

インナーブランディングと採用ブランディング・プロジェクトの順番

インナー・ブランディングと採用ブランディング・プロジェクトの順番

結論から言えば、どちらを先に行うべきとは言い切れません。

あくまで参考として、採用ブランディング・プロジェクトにインナーブランディングが紐づいてくるという考え方が良いでしょう。

なぜなら、企業にとってのほとんどの場合、採用活動は止められないからです。そのため、採用活動は早い段階で始めなければいけません。「インナーブランディングを固めて、理念を言語化してから採用活動に力を入れる」といった考えでは時間がかかりすぎてしまうため、現実的ではありません。

上記の点を考慮すると、今採用する人に向けた、採用ブランディング・プロジェクトを先行して行う方が進みやすいといえます。その上で、同時並行でインナーブランディングも行うのです。

ここでインナーブランディングができていないと、採用した人がいざ働き始めたときに「うちにそんな理念あったんだ」「俺(私)は、その理念に基づいて働いているわけではないけどね」といった社員が出てきてしまい、悪いギャップが生まれてしまいます。

つまり、採用ブランディング・プロジェクトにおいてもインナーブランディングは必要不可欠なものなのです。

 

インナーブランディングも採用ブランディングも理念浸透

インナー・ブランディングも採用ブランディングも理念浸透

インナーブランディングと採用ブランディング・プロジェクトも、軸にあるのは「理念浸透」です。

あえて違いを示すのであれば、インナーブランディングは「今いる社員に向けて理念を伝える」、採用ブランディング・プロジェクトは「これから社員になるであろう人に向けて理念を伝える」という違いです。

総じて言えば「社員に向けた理念共感」であるため、どちらか一方では採用のミスマッチに繋がります。

そのため、これからインナーブランディング、採用ブランディングを始めようとしている企業は、どちらか一方ではなく、セットで考えて進めていきましょう。

  

    

 

深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランスで5度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。

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