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レポート

2025.12.31

ファンを作るビジネスの本質。“推される会社”が生み出す持続成長戦略

ビジネスにおいて「ファンを作る」ことは、単なるリピーターや購買者を増やす以上の意味を持っています。かつては「モノやサービスをたくさん売る」ことが企業の成功指標でしたが、今や社会全体の価値観が大きく変化しました。

消費者だけでなく、働く従業員や求職者までもが企業やブランドの“推し”となり、共鳴しながら成長を後押しする時代です。この変化のなかで「推される会社」こそが、持続的に成長し続ける条件を備えた新たなモデルといえるでしょう。

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従来型の「集める・売る」から「選ばれる・応援される」へ

従来のビジネスは、大量の顧客を集めて商品やサービスを販売し、短期的な売上や規模拡大を目指すモデルが主流でした。しかし現代では、この“集める・売る”型だけでは限界が見え始めています。

人も企業も「選び、応援し合う」ことで、ブランドの本当の価値が問われる時代へと変わっています。

顧客も従業員も“推し活”する時代

今やファンづくりは顧客だけの話ではありません。社内でも「この会社が好き」「このビジョンを共感できる」と語る従業員が増え、企業のSNSやオウンドメディアを通じて自発的に“推し活”を行う例が多く見られます。

求職者も、「この会社で働きたい」「ここで成長したい」と企業の物語やカルチャーを重視し、選択しています。選ばれる時代には、顧客も従業員も“ファン”になり、ブランドの力を内外から高めていきます。

“推される”会社の共通点

推される会社には共通点があります。

まず、企業の理念や歴史、価値観が社員や顧客に一貫して伝わっていること。さらに、現場の温度感やリアルな体験、商品やサービスの“ストーリー”が社内外で共有されていることです。

押し付けではなく、「ここで働いて良かった」「この会社の商品を勧めたい」と思わせる空気感と納得感が、応援や選択につながっています。

ファンを生む「共鳴経済圏」の仕組み

ファンを生む「共鳴経済圏」の仕組み

“共鳴経済圏”とは、会社と従業員・顧客・求職者が三位一体となり、それぞれの立場から価値を感じ合い、応援し合う循環モデルです。

会社・従業員・顧客・求職者。四者の三位一体構造

この経済圏は、単なる取引ではなく、「会社⇔従業員⇔顧客⇔求職者」という四者の関係性が深く交差します。従業員が会社の歴史や理念を誇りに思い、その言葉で顧客や求職者に伝えることで、会社のファンが生まれやすくなります。

また、現場のリアルな体験や社内文化を通じて、新しい価値や共感が広がります。

従業員の“推し語り”がブランドになる

SNSや説明会、面接の現場で語られる従業員の声が、そのままブランドの信用力となる時代です。

「現場で感じた感動」や「成長実感」などの“推し語り”が、外部に伝わることで会社の魅力がより立体的に伝播します。従業員一人ひとりが“ブランドアンバサダー”となり、社外のファンを増やす起点になるのです。

採用・組織づくりも「ファンづくり」へ

人手不足や早期離職が課題となる現代、採用も組織づくりも「ファンづくり」から始まります。惹きつけて選ばれた人材こそ、企業の成長を加速させる原動力になります。

“共鳴採用”でエンゲージメントを高める

“共鳴採用”は、理念や物語に共感し「惚れて入社する」人材を増やすことを目指す手法です

採用の初期から理念やビジョン、現場のストーリーをわかりやすい言葉や体験で伝え、候補者の「自分もこの仲間になりたい」という想いを引き出します。

こうした採用は、入社後の定着率やエンゲージメント(自発的な貢献意欲)も高める結果につながります。

ファンづくりがビジネスにもたらす成果

ファンを生み出す会社は、単なる売上増やイメージ向上にとどまらない多層的な成果を手に入れることができます。顧客も従業員も企業の理念や物語に共鳴し、主体的に企業活動に関わるため、組織の強さとしなやかさが一段と高まります。

定着率や生産性の向上

まず、ファン化した社員は単なる“労働力”にとどまりません。

会社のビジョンや目的に納得し、自らの仕事に誇りを持って主体的に動くため、自然と定着率が高くなります。人間関係やチームワークの質も向上しやすく、従来の「指示待ち」型の組織から「自律的に動く」集団へと変化します。

こうした空気は、新たに加わる社員にも好循環を生み出し、社内の知見や経験がスムーズに伝承されるため生産性の底上げも期待できます。

売上・紹介・リピートに波及

ファンを生み出すことで、単発の取引ではなく、長期的な関係が育まれます。

たとえば“この会社を応援したい”と感じた顧客は、価格や条件だけでなく、ブランドそのものに愛着を持つため、繰り返し商品・サービスを利用しやすくなります。既存顧客からの口コミや紹介が新たな顧客を呼び込む「推される連鎖」が生まれ、広告費に頼らずとも市場での認知と信頼が着実に拡大していきます。

BtoBであればパートナー企業からの紹介や事業提携の広がり、BtoCであればSNSでの自発的な拡散など、ファンの存在があらゆる成長の原動力となります。

社員のロイヤルティとブランドの拡大

ファン化した社員は会社に対するロイヤルティ(忠誠心)が自然と高まります。「自分の会社を推したい」「ここの一員であることに誇りを持てる」という気持ちは、日常のちょっとした行動やコミュニケーションにも表れます。

こうした熱量が社外にも伝播し、採用・顧客開拓・メディア露出などブランド全体の拡大へとつながっていきます。また、社員の満足度が高い企業はイノベーションも生まれやすく、新規事業や新しいプロジェクトにも積極的に挑戦できる環境が整います。

ファンを作る会社が選ばれる時代

現代ビジネスにおいては「ファンを作る」ことこそが、持続的な成長を可能にする最大の資産です。顧客だけでなく、従業員や求職者までもを巻き込み、「推される会社」を目指すことで、ブランドも組織もより強く、しなやかに発展します。

ファンづくりを軸に据えた企業経営こそが、これからの時代に本当に“選ばれる会社”となります。

弊社のインナーブランディング事例はこちらをご確認ください。】

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深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても“光る人材“が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナーブランディング」(セルバ出版)。「人が集まる中小企業の経営者が実践しているすごい戦略 採用ブランディング」(WAVE出版)

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