【外食】ギフトホールディングス:年商358億円・900店舗超に成長した家系ラーメンチェーンが、新卒67名を採れる会社になった採用ブランディング事例
株式会社ギフトホールディングスは、「横浜家系 町田商店」「豚山」「元祖油堂」を展開する総合ラーメン企業です。年商358億円(2025年10月期)、900店舗超、東証プライム上場。すでに毎年数十名を採用できる会社になっていました。それでも急成長に採用が追いつかない。この拡大期(2024〜2026年)の課題に、むすびは約3年伴走しました。結果、新卒採用は48名→51名→67名と毎年レベルアップを続け、中途採用は昨対178%増。新卒と中途を合わせれば、年100名以上を採用する会社になりました。ここでは、すでに採れている会社が採用を「さらに磨いた」中身と効果を紹介します。
この事例のポイント
- 課題は「採れない」ではなく「急成長に採用人数が追いつかない」。ゼロイチ突破の先にある拡大期の課題
- 採用チームが半年周期で入れ替わる組織のために、これまでの採用ブランディングを「教科書」として言語化・形式知化した
- 内定承諾率を上げる共通法則を型に整理。ヒアリング・伝える・社員との接点・自社理解・本人との対話・人以外の接点を体系化
- 内定者が自分の言葉で会社を語れる「武器発見ワーク」、応募者が行動で会社を選ぶ「共鳴の作り方ワーク」を実装
- 新卒48→51→67名(2027年卒は100名超えを見込む)と毎年レベルアップ、中途昨対178%増・年約120名で新卒と合わせ年100名以上、承諾率も着実に改善、新卒3年離職率は外食平均50%に対し10%を切る水準へ
創業期と拡大期。同じ会社の10年前と今
この会社には、10年前に「新卒採用ゼロ」だった時期があります。年商10億円規模・上場前の立ち上げ期に、数千万円を投じても1人も採れなかった状態から、採用ブランディングでゼロイチを突破したのが2014〜2016年です。本記事はその続き、年商358億円・900店舗超・東証プライム上場を果たした拡大期の話です。まず、同じ会社の2つの時期を並べます。
| 比較軸 | 創業期(2014〜2016年) | 拡大期(2024〜2026年) |
|---|---|---|
| 会社規模・売上 | 年商10億円規模 | 年商358億円(2025年10月期)/430億円見込み(2026年10月期) |
| 店舗・上場 | 立ち上げ期・上場前(2018年上場) | 900店舗超・東証プライム上場済み |
| 採用フェーズ | ゼロイチ突破(採用ゼロ→初めて採れる会社へ) | 磨き込み(毎年採れる会社をさらに強く) |
| 採用規模(新卒) | ゼロ→高卒含め15名 | 48→51→67名(2027年卒は100名超え見込み) |
| 採用規模(中途) | 実施1カ月で3名 | 昨対178%増・年約120名 |
| 採用スローガン | 家系を世界への贈り物に | 世界中の舌を虜にする |
創業期の「ゼロイチ突破」の物語は前編で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。→数千万円かけて採用ゼロだった家系ラーメンチェーンが、新卒15名を採用できた採用ブランディング事例(創業期・2014〜2016年)
目次
- 課題:急成長に、採用人数が追いつかない
- やったこと1:積み上げた採用ブランディングを「教科書」にする
- やったこと2:内定承諾率を上げる法則を型に整理する
- やったこと3:内定者が自分の言葉で語れる「武器発見ワーク」
- やったこと4:行動で会社を選ぶ「共鳴の作り方ワーク」
- やったこと5:徹底した対面。ラーメン説明会と本社体験
- 効果1:新卒48→51→67名、中途と合わせ年100名以上
- 効果2:中途は昨対178%増、離職率も大幅改善
- 効果3:採用チームの外側まで巻き込む「全社の共鳴」
- この事例からわかること
- よくある質問(FAQ)
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課題:急成長に、採用人数が追いつかない
拡大期のギフトホールディングスの課題は、「採れない」ではありませんでした。すでに毎年数十名を採用できる会社です。それでも、店舗網の急拡大に採用人数が追いつかない。課題は「急成長に伴う採用人数の底上げ」でした。創業期のゼロイチとは、まったく段階の違う課題です。
もう一つ、拡大期ならではの事情がありました。採用チームのメンバーが入れ替わることです。この会社では、店長経験者が半年ほど採用プロジェクトに加わり、また現場へ戻るという運用があります。採用がキャリアの一環として組み込まれているため、当時の議論に参加したメンバーがいなくなり、蓄積したノウハウが引き継がれにくい。強みや欲しい人物像の整理はあっても、現場が迷いながら動く場面が残っていました。
同社の採用責任者からむすびへ、一つの申し出がありました。これまで積み上げてきた採用ブランディングの中身を、新しく入る人にも教えられる形にまとめてほしい。拡大期の伴走は、ここから始まりました。
貴社の採用が「採れているのに追いつかない」段階に入っているなら、次の一手を一緒に見極めませんか。
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やったこと1:積み上げた採用ブランディングを「教科書」にする
最初に取り組んだのは、これまでの取り組みを一冊の「採用ブランディングの教科書」として言語化することでした。募集集団形成の考え方、強みと弱みの整理、欲しい資質、理想のペルソナとそのインサイト、採用コンセプト、採用フロー。散らばっていた資料を、初めて見る人にも順を追って理解できる教材へと再構成しました。大手企業でいう引き継ぎ書、いわば現場の「虎の巻」です。
このなかで、拡大期のコンセプトも改めて言葉になりました。ラーメンの国内店舗数では上位でも、ラーメン市場全体で見ればシェアはごく一部。国内も海外もまだ伸ばせるという発想から、採用スローガンは「世界中の舌を虜にする」と定められています。創業期の「家系を世界への贈り物に」から、視点は世界市場へと広がりました。理想のペルソナ、そこに刺さるインサイト、ぶつける強みまでを一つの軸でつなぎ、誰が採用担当になっても同じ軸で語れる状態をつくったのです。
やったこと2:内定承諾率を上げる法則を型に整理する
拡大期の主題の一つは、内定承諾率の引き上げでした。人数が多いぶん、ここが少し動くだけで採用の総量が大きく変わります。むすびは同社の実践と他社の知見を突き合わせ、承諾率を上げる共通の法則を型に整理しました。
軸は「相手を知り、自社を伝え、意思決定を後押しする」という流れです。具体的には、就職軸・スタンス・未来を引き出すヒアリング。理念・環境・数字・熱量を過不足なく伝える設計。誰に会わせるかを見極める社員との接点づくり。採用担当が自社を語れるまで深く理解すること。本人と向き合い、考えさせ、覚悟を引き出す対話。そして厨房体験や実店舗訪問など、人以外の接点で意思決定を促す工夫。これらを型にし、誰が担当しても再現できる状態にしました。面談では、ほめて終わるのではなく覚悟を問う比率へと運用も見直しています。
「採れる」から「狙って承諾を取れる」へ。承諾率を上げる型づくりは、むすびがともに設計します。
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やったこと3:内定者が自分の言葉で語れる「武器発見ワーク」
拡大期の採用チームには、拡大期ならではの悩みがありました。高学歴の学生や、コンサル・大手メーカーなど他業界の名だたる企業と競合すると、担当者がひるんでしまう。学歴や社名は変えられません。そこで、変えられない条件で勝負するのをやめ、自分たちが自信を持って語れる「鉄板」を各自が見つける「武器発見ワーク」を実施しました。
これまで反応の良かった相手を思い出し、自分のとっておきのエピソードを棚卸しする。どの人物像に何が響いたかを並べ、コンセプトと紐づけて語れるように磨く。良い語りは互いに真似し合い、チーム全体で目線を上げていきました。さらに内定者本人にも、会社を自分の言葉で語れる武器を渡します。内定後にラーメン研究や説明会スライドづくり、子ども食堂の企画運営といったプロジェクトを任せ、親や後輩にギフトの面白さを説明できる人材へと育てました。採用担当だけでなく、内定者自身が語り手になっていったのです。
やったこと4:行動で会社を選ぶ「共鳴の作り方ワーク」
もう一つの柱が「共鳴の作り方ワーク」です。理念への共感を掲げる採用は数多くありますが、自分から応募し、自分の意志で入社を決める行動は、共感を超えた「共鳴」だと同社は捉え直しました。共鳴をどう生むかを、最新の調査知見も交えて言語化していきました。
ワークでは、社員自身が最も感動した経験や、誰かに貢献できたと感じた瞬間を書き出します。それを採用コンセプト「世界中の舌を虜にする」と紐づけて語る練習を重ねました。ギフトという会社に共感・共鳴しているポイントはどこか、自分のやりたいことと会社の方向性はどこで重なるか、働くなかで満足を感じた瞬間はどこにあるか。言い換えれば、働く幸せの構造を一人ひとりが言葉にしていきました。加えて、実在店舗を題材にしたケーススタディを4本作成し、採用チーム自身に体験してもらうことで、現場で使える教材にしていきました。
やったこと5:徹底した対面。ラーメン説明会と本社体験
拡大期でも、対面へのこだわりは変わりませんでした。むしろ他社との差別化として、対面を意図的に強化しています。象徴が、創業期から続く「ラーメン説明会」です。実際にギフトのラーメンを仕込み、食べてもらいながら会社を語る。一緒に食べて感想を言い合う。町田商店・豚山・元祖油堂の3ブランドをそろえ、地方でも複数日連続で開催するまでになりました。
本社を使った体験も設計しました。渋谷のスクランブル交差点を望むフロアにいったん集合し、渋谷の話から海外の話へ、そして「世界中の舌を虜にする」というコンセプトへと自然につなげる。麺を切る体験や、景色を眺めながらラーメンを味わう時間を通じて、言葉だけでは伝わらない会社の空気を体感してもらう流れです。徹底して人と対面で出会わせ、体験で意思を固める。この積み重ねが、承諾率の底上げを支えました。
対面と体験を軸にした採用フロー設計も、むすびの伴走テーマです。
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効果1:新卒48→51→67名、中途と合わせ年100名以上
取り組みは数字に表れました。新卒採用は2024年卒48名、2025年卒51名、2026年卒67名と3年連続で増加し、毎年レベルアップを続けています。2027年卒は100名超えを見込むところまで来ました。中途採用と合わせれば、年間100名以上を採用する規模です。内定承諾率も着実に改善し、人数規模が大きいなかでの改善は採用総量に直結しています。アルバイトから社員への転換採用でも、2026年卒で約10名が加わりました。
数だけでなく、質も伴っています。採用できた学生は、いずれも理念への共感度が高い層。大手企業の内定を辞退してギフトを選ぶ学生も生まれています。
効果2:中途は昨対178%増、離職率も大幅改善
中途採用も大きく伸びました。ある四半期の中途採用は過去最高となり、昨対178%増を記録。年間では約120名を採用する規模になっています。飲食・外食に強い競合との採用競争でも、勝ち切る場面が増えました。
定着の面でも成果が出ています。外食業界の3年離職率が一般に50%程度とされるなか、2024年卒は10%を切る水準で推移。キャリア採用の離職率も、年間50%から20%へと改善しました。入社後に必ず現場を見せ、夢だけでなく現実まで伝え切る。合う人だけが残る設計にしたことで、残った人材の感度が高いという状態が生まれています。採用の量と質、そして定着が同時に上がったのです。
効果3:採用チームの外側まで巻き込む「全社の共鳴」
拡大期でもっとも象徴的だったのは、採用チームの外側まで共鳴が広がったことです。入社2年ほど、採用に関わってまだ半年という若手が、海外に興味を持つ学生のために、海外拠点で研修中の同期とのオンライン面談をその場でセッティングする。しかも、その面談が「口説くため」であることを全員が理解して動く。役職が何層も上の相手にも、当たり前のように協力を依頼できる。採用チームだけが語れる状態を超え、全社が同じ目線で採用に加わる感覚が生まれていました。
外部パートナーにも共鳴は広がりました。中途採用で連携する人材紹介会社では、新入社員が最初に取り組む仕事の一つに「ギフトの採用を決めること」が位置づくほど、関係が深まっています。連携先とのコミュニケーション量を増やし、やってきたことを丁寧に共有する。この地道な積み重ねが、中途採用の急増につながりました。採用チームの一つ外、さらにその外の人たちまでが自分ごととして動く。これこそ採用ブランディングが目指す姿だと、むすびは受け止めています。
採用チームの外側まで巻き込む「全社の共鳴」づくりを、貴社でも設計できます。
https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-contact
この事例からわかること
ギフトホールディングスの拡大期が示すのは、「すでに採れている会社」にも、採用ブランディングの伸びしろが大きく残っているという事実です。創業期にゼロイチを突破した会社が、拡大期には積み上げを教科書として形式知化し、承諾率を上げる法則を型にし、内定者や社員が自分の言葉で語れるようにした。その結果、採用の量と質と定着が同時に伸び、共鳴は採用チームの外側まで広がりました。採用ブランディングは一度やって終わりではなく、会社の成長段階に合わせて磨き直していく取り組みだと言えます。
よくある質問(FAQ)
Q. すでに毎年採用できているのに、採用ブランディングをやり直す意味はありますか。
A. あります。拡大期のギフトホールディングスの課題は「採れない」ではなく「急成長に採用人数が追いつかない」でした。承諾率を上げる法則の型化や、蓄積の教科書化に取り組んだ結果、新卒は48名→51名→67名、中途は昨対178%増へと伸びています。成長段階に合わせて磨き直すことで、採れている会社もさらに伸ばせます。
Q. 「採用ブランディングの教科書」をつくった狙いは何ですか。
A. 採用チームのメンバーが半年周期で入れ替わる組織で、蓄積したノウハウを引き継げるようにするためです。募集集団形成の考え方から強み・弱み、欲しい人物像、コンセプト、採用フローまでを一冊に整理し、新しく入る人にも同じ軸で採用を語れる状態をつくりました。
Q. 内定承諾率はどのように上げたのですか。
A. 承諾率を上げる共通法則を型に整理しました。就職軸・スタンス・未来を引き出すヒアリング、理念や数字を過不足なく伝える設計、誰に会わせるかを見極める社員との接点、採用担当の自社理解、本人との対話、そして体験など人以外の接点で意思決定を促す工夫です。これにより承諾率は着実に改善しました。
Q. 拡大期でも対面にこだわったのはなぜですか。
A. 他社との差別化になるからです。実際にラーメンを食べてもらう「ラーメン説明会」や、本社での体験を通じて、言葉だけでは伝わらない会社の空気を体感してもらいました。徹底した対面と体験が、承諾率と定着の底上げを支えています。
Q. 採用の質や定着はどう変わりましたか。
A. 採用できた学生は理念への共感度が高く、大手の内定を辞退して入社する例も生まれています。定着面では、外食の3年離職率が一般に50%程度とされるなか、2024年卒は10%を切る水準、キャリア採用の離職率は年間50%から20%へ改善しました。
Q. この取り組みは飲食以外の会社にも応用できますか。
A. 応用できます。重要なのは、蓄積を形式知化し、承諾率を上げる型をつくり、社員や内定者が自分の言葉で会社を語れるようにすることです。業種を問わず、拡大期の採用課題に効きます。詳しくはお問い合わせください。
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