【外食】ギフト:数千万円かけて採用ゼロだった家系ラーメンチェーンが、新卒15名を採用できた採用ブランディング+企業ブランディング事例

外食チェーンの採用は難しい。求人媒体に出稿し、人材紹介会社に頼み、説明会を開いても応募が集まらない。そんな「採る手段はやり切ったのに採れない」状態は珍しくありません。 ある家系ラーメンチェーンも同じでした。年商10億円規模まで急成長し、店舗を任せられる人材さえいれば出店できる。それなのに、2014年と2015年の新卒採用に数千万円をかけても、採用できた人数はゼロ。この会社が採用ブランディングに取り組んだ結果、翌年の新卒採用では高卒を含めて15名を採用し、その後は大卒だけで毎年数十名規模を安定して採用できる会社になりました。支援したのはむすび株式会社です。本記事では、何をやってどんな成果が出たのかを第三者の視点で整理します。 ## この事例のポイント - 数千万円の採用費をかけても新卒採用ゼロだった外食チェーンが、採用ブランディング実施後の新卒採用で高卒含め15名を採用 - 実施からわずか1カ月で中途採用3名を確保。その後は大卒だけで毎年数十名規模を安定採用 - 出発点は求人手法の改善ではなく、口頭伝承だった価値観の言語化。理念(ビジョン・ミッション・バリュー・クレド)と社名、採用スローガンを一気に刷新 - 採用スローガンは「家系を世界への贈り物に」。社名も変更し、事業の考え方と採用メッセージを一本の軸で通した - 体験を組み込んだ採用フローを設計。仕込みから試食まで体験できる「ラーメン説明会」が大きく当たり、説明会に30〜40名が集まるようになった ## 目次 1. 課題:採る手段はやり切ったのに、新卒採用ゼロ 2. やったこと1:強みを掘り起こすヒアリング 3. やったこと2:理念と社名、採用スローガンの言語化 4. やったこと3:体験を組み込んだ採用フロー設計 5. やったこと4:企業サイトと採用パンフレットの一貫制作 6. 効果:採用ゼロから新卒15名、そして毎年数十名へ 7. よくある質問(FAQ) 8. 関連記事 ## 課題:採る手段はやり切ったのに、新卒採用ゼロ 相談時、この会社は家系ラーメンのチェーンとして急成長の途上にありました。直営店を増やしたいが、店舗を任せられる人材が育たないと出店しない方針。人材こそが成長の律速でした。 採用のために求人媒体に出稿し、人材紹介会社にも依頼し、独自に新卒採用も走らせていました。2014年と2015年、そこに投じた採用費は数千万円規模。それでも新卒の採用人数はゼロでした。手段の量は十分だったのに、応募が集まらず、集まっても入社まで進まない。外食業界に共通する「母集団を集める発想では届かない」壁に、この会社もぶつかっていたのです。 課題の本質は求人手法ではありませんでした。急成長を支えてきた自社の強みや価値観が、経営者や店長の頭の中に口頭伝承として存在するだけで、外に伝わる言葉になっていなかった。採用市場で選ばれるための「軸」が言語化されていなかったことが、根っこの問題でした。 ## やったこと1:強みを掘り起こすヒアリング むすびが最初に行ったのは、求人媒体の選び直しではなく、経営者と現場社員へのヒアリングです。ここまで急成長できた要因は何か、この会社ならではの強みはどこにあるのか。事業モデルまで踏み込んで言葉にしていきました。 浮かび上がったのは、ラーメンの命とも言える麺・タレ・スープを自社で製造し、各店に供給するという独自のモデルでした。職人の技に依存する従来のラーメン店とは異なり、味を仕組みとして再現できる。いわばラーメンを製造業の発想でスケールさせている。この強みこそが、急成長と多店舗展開を支えていた核でした。採用のメッセージは、まずこの強みを掘り起こすことから始まりました。 ## やったこと2:理念と社名、採用スローガンの言語化 次に取り組んだのが、口頭伝承のままだった価値観の言語化です。ビジョン・ミッション・バリュー・クレドといった理念を整理し、会社の柱となる言葉を定めました。ビジョンは「幸せを自分から」。自分から幸せを与えられる人であってほしいという、社員に対する願いが込められています。 この理念の刷新にあわせて社名も変更し、採用スローガンを「家系を世界への贈り物に」と定めました。目を見て注文を受け、目を見て一杯を差し出す。ラーメンを贈り物のように届けるという接客の思想が、そのままメッセージになっています。事業の考え方と採用で伝える言葉が、一本の軸で通ったことが大きな転換点でした。 採用ブランディングと理念づくりのどちらから着手するかは、迷いどころです。この会社は本質を優先し、理念の言語化を含めて軸から固める判断をしました。採用のメッセージが会社の根っこと直結していれば、その後に打つ施策すべてに一貫性が生まれます。 ## やったこと3:体験を組み込んだ採用フロー設計 軸が定まった後は、採用フローの設計に移りました。ポイントは、候補者に会社を体験してもらう接点を厚くしたことです。ラーメン作りの体験、製麺の体験、実際に店舗へ食べに行く体験。こうした施策を数多く並べ、候補者が味と接客のこだわりを自分の五感で受け取れるようにしました。 このなかから生まれ、大きく当たったのが「ラーメン説明会」です。会場でラーメンを仕込み、実際に食べてもらいながら会社を説明する。これが強く響き、それまで人が集まらなかった説明会に30〜40名が集まるようになりました。応募の入り口が一気に広がったのです。 採用フローの設計では、施策を絞り込みすぎないことが重要でした。スローガンという軸に沿って設計していれば、何をやっても一貫性は保たれます。一方で、何が候補者に響くかは事前には読み切れません。だからこそ決めた施策はまず全部やってみて、当たったものをさらに磨き込む。この進め方が、ラーメン説明会という当たり施策を生みました。 ## やったこと4:企業サイトと採用パンフレットの一貫制作 言葉とフローが固まった後は、それを世に見せる制作物まで一気通貫で仕上げました。この会社では企業サイトと採用サイトを一体で制作しています。通常、企業サイトと採用サイトは顧客と採用候補者でターゲットが異なるため分けるのが原則ですが、この会社は顧客と採用したい人物像がともに学生層で重なる例外ケースでした。 採用パンフレットは、薄く安価なものではなく、質感の高い紙と本気のデザインで制作しました。表紙の一部には金箔押しをあしらい、説明会の机に並べただけで手に取りたくなる存在感を持たせています。中面には、社員一人ひとりが自分の失敗と、そこからどう成功へ向かったか、これから何をしたいかを2000字規模で綴りました。採用サイトとパンフレット、そして説明会で語る内容までを同じ軸でそろえ、どの接点でも同じ会社の姿が伝わるようにしたのです。 ## 効果:採用ゼロから新卒15名、そして毎年数十名へ 成果は数字にはっきり表れました。 - 実施からわずか1カ月で、中途採用3名を確保 - 翌年の新卒採用(2017年入社)は内定23名、高卒を含めて15名を採用。数千万円をかけて採用ゼロだった状態からの大きな転換 - 大手証券会社の内定を辞退して入社した学生が出るなど、採用の質も向上 - その後は大卒だけで毎年数十名規模を安定採用できる会社へ 採用面の成果は、事業の成長とも重なりました。着手当時に年商10億円規模だったこの会社は、2018年に株式上場。売上は2015年の18億円から2023年には229億円、2024年には284億円へと伸びています。人材が採れる会社になったことが、多店舗展開と海外進出を可能にした土台になりました。 この事例が示すのは、採用の突破口が求人手法の量ではなく、自社の価値観を言語化し、あらゆる接点で一貫して伝えることにあるという事実です。基本に忠実に、決めたことを全力でやり切る。その積み重ねが、採用ゼロを毎年数十名採用へと変えました。 自社の採用がうまくいかない、母集団を集めても入社まで進まないと感じている企業は、まず自社の強みと価値観が言葉になっているかを見直すところから始めてみてください。むすびでは採用ブランディングのご相談を承っています。[お問い合わせはこちら](https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-contact)。 **【後編あり】** この約10年後、同社は年商358億円・900店舗超・東証プライム上場企業へと成長し、新卒67名・中途年約120名を採れる会社になりました。「毎年採れる会社」をさらに磨き込んだ拡大期(2024〜2026年)の取り組みは、後編で解説しています。→[年商358億円・900店舗超に成長したギフトホールディングスの採用ブランディング事例(拡大期・2024〜2026年)](/reports/case-study-gift-holdings/) ## よくある質問(FAQ) **Q1. 採用費を数千万円もかけて採用ゼロだったのは、何が原因だったのですか。** 求人媒体や人材紹介といった手段の量は十分でした。問題は、急成長を支えてきた自社の強みや価値観が言語化されておらず、採用市場で選ばれるための軸がなかったことです。手段ではなく、伝える中身の設計に原因がありました。 **Q2. 外食チェーンでも採用ブランディングは効果がありますか。** 効果があります。この事例では、採用ゼロだった状態から翌年の新卒採用で高卒含め15名を採用し、その後は毎年数十名規模の安定採用につながりました。応募が集まりにくい業種ほど、価値観の言語化と体験設計が効きます。 **Q3. 最初に取り組むのは求人媒体の見直しではないのですか。** 違います。この事例で最初に行ったのは、経営者と現場社員へのヒアリングによる強みの掘り起こしと、理念・採用スローガンの言語化です。軸を固めてから施策に展開することで、すべての接点に一貫性が生まれます。 **Q4. 「ラーメン説明会」のような当たり施策は、狙って作れるのですか。** 一発で狙い当てるのは困難です。スローガンという軸に沿って施策を数多く並べ、まず全部やってみて、響いたものを磨き込む。この進め方の中から当たり施策が生まれます。施策を絞り込みすぎないことが重要です。 **Q5. 企業サイトと採用サイトは一体にした方がよいのですか。** 原則は分けるべきです。顧客と採用候補者はターゲットが異なるためです。この事例は、顧客と採用したい人物像がともに学生層で重なる例外だったため一体制作が有効でした。自社がどちらに当たるかの見極めが前提になります。 **Q6. 成果が出るまでどれくらいかかりますか。** この事例では実施から1カ月で中途採用3名を確保し、翌年の新卒採用で大きな成果が出ました。むすびは軸づくりから採用フローの運用まで伴走し、自社で採用を回せる状態になるまで支援します。ご相談は[こちら](https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-contact)から承ります。 ## 関連記事 1. [【後編】年商358億円・900店舗超に成長したギフトホールディングスの採用ブランディング事例(拡大期・2024〜2026年)](/musubi-resonance-branding/projects/gift-holdings-recruitment-branding-case) 2. [採用ブランディングとは──提唱者による定義・理論・実証データのすべて](/musubi-resonance-branding/blogs/employer-branding-definition-history-data) 3. [いい会社ほど採用で苦戦する理由|共鳴経済で読み解く打開策](/musubi-resonance-branding/blogs/good-companies-hiring-struggles-resonance) 4. [母集団を増やす前にやること|経営者465名調査でわかった採用成否を3.1倍動かす要因](/musubi-resonance-branding/blogs/hiring-success-factors-survey) 5. [採用ブランディングの費用対効果|投資と捉え直す考え方と採用単価が下がる仕組み](/musubi-resonance-branding/blogs/hiring-branding-cost-roi-guide) 6. [採用戦略の立て方|5つの手順とフレームワーク、中小企業の成功事例](/musubi-resonance-branding/blogs/hiring-strategy-framework-guide) 採用ブランディングのご相談は[お問い合わせフォーム](https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-contact)から承ります。

日本BtoB広告賞 採用案内 金賞受賞

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発表ページはこちら http://www.bbaa.or.jp/jigyo/sogo/2016sogof.html

https://www.youtube.com/watch?v=okF4lYAY7js

企画制作:パラドックス CD+C+ブランディング・ディレクター:深澤 了 AD+D:岡田和朗(ありがとう) D:古田ナツ子(ありがとう) Dir:吉田大 C:梅原平三郎+恩田大輔(ランニングホームラン)+奈良和幸(むすび)撮影(スチール):四十物義輝 撮影(動画):堺亮太 TD+PRG:早川孝仁(ニンニンドットコム)