採用ブランディングの実践度は平均3.02という現実|21項目でわかる「できていない」の正体
採用ブランディングの実践度は平均3.02という現実|21項目でわかる「できていない」の正体
採用に関わる現場社員200名の採用ブランディング実践度は、平均3.02でした。5点満点で、中央値の3をかろうじて超える水準です。経営者465名では2.82。突出した強みを持つ会社は少なく、多くの企業が21項目のどこかで「できていない」を抱えています。まず、自社がどの段階にいるかを知ることが出発点です。
この記事の目次
- 実践度とは何か|採用ブランディングを21項目で測る
- 平均3.02、経営者は2.82|横並びの「できていない」
- 上流はできていて、下流でつまずく
- 「大企業だからできている」わけではない
- 自社の実践度を自己診断する3つの問い
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|まず、現在地を数字で知る
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実践度とは何か|採用ブランディングを21項目で測る
採用ブランディングは、できているかどうかを感覚で語られがちです。私たちは、それを21の具体的な項目に分解して測りました。
私たちが2026年に行った採用実態調査2026では、全国の経営者・役員465名と、実際に採用実務に関与する社員200名に、採用ブランディングの実践度を21項目で尋ねました。強みの言語化、ほしい人物像の設定、スローガンへの落とし込み、面接官の判断基準の統一、採用フローの設計、母集団の測定と振り返り。採用活動の入口から出口までを網羅する項目です。それぞれを「よくできている」から「全くできていない」までの5段階で聞き、分析では5をよくできているに揃えました。この21項目の内的整合性は非常に高く、単一の尺度として信頼できる水準でした。
平均3.02、経営者は2.82|横並びの「できていない」
最初に全体像を見ます。実践度は、決して高くありませんでした。
現場社員200名の実践度は平均3.02、経営者465名では平均2.82でした。5点満点で中央値が3ですから、経営者はそれを下回り、現場もかろうじて超える程度です。しかも21項目は狭い幅に密集していました。ある項目だけが突出して高い、いわゆる尖った強みを持つ企業はごくわずかです。多くの会社が、どの項目も横並びで「そこそこできていない」状態にとどまっていました。採用がうまくいかない理由を1つの弱点に求めても、実態は全体的な作り込み不足なのです。
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上流はできていて、下流でつまずく
横並びの中にも、傾向はありました。つまずいている場所は、上流ではなく下流です。
相対的にできているのは、全社で強みをすり合わせる、弱みもポジティブに発信する、ほしい人物像を設定するといった上流の項目でした。反対に低く沈んでいたのは、母集団を測定して振り返る、説明会を物語として演出する、印象に残るフローを設計するといった下流の項目です。多くの企業は、自社の強みをある程度は言葉にできています。しかし、それを現場の判断や候補者の体験にまで落とし込む工程で止まっている。上流の言語化から下流の設計へ渡す橋が架かっていないのです。この構造は、採用ブランディングを1冊で体系化した「人が集まる中小企業の経営者が実践している、すごい戦略 採用ブランディング 新版」(WAVE出版)でも繰り返し指摘してきた、多くの企業に共通する詰まりです。
https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-books/saiyou-branding-sugoi-senryaku-2024
「大企業だからできている」わけではない
実践度は会社の規模とともに多少上がりますが、その差は小さいものでした。規模で片づく話ではありません。
売上規模の帯ごとに実践度を比べると、規模が大きいほどわずかに高くはなります。しかし、経営者と現場で規模帯をそろえて比較すると、両者の差は5点満点で0.2以内に収まりました。つまり、実践度の高低は「大きい会社だから」ではなく、規模を超えて存在する作り込みの差です。規模で不利な中小企業でも、実践度は自力で引き上げられます。逆に言えば、大企業であっても実践度が低い会社は珍しくありません。採用ブランディングは、資本力ではなく、どこまで凡事を徹底したかで決まります。
自社の実践度を自己診断する3つの問い
自社の実践度は、大がかりな調査をしなくても点検できます。私が最初に投げる問いは3つです。
1つ目は、「自社の強みを、現場社員3人が同じ言葉で語れるか」です。語れなければ、上流の言語化がまだ社内に浸透していません。2つ目は、「面接官の合否の判断基準が、1枚の言葉に統一されているか」です。人によって基準がぶれているなら、下流の設計が空白です。3つ目は、「直近の採用で、母集団の何を測り、何を振り返ったか」です。数しか見ていないなら、振り返りの仕組みが欠けています。この3つに詰まりを感じたら、それが実践度の伸びしろです。数を集める前に、この足元から着手することを勧めます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 採用ブランディングの実践度とは何ですか。
採用活動の入口から出口までを21項目に分解し、それぞれをどこまで作り込めているかを5段階で測った指標です。強みの言語化、人物像の設定、判断基準の統一、フロー設計、母集団の振り返りなどを含みます。
Q2. 実践度の平均はどれくらいですか。
私たちの調査では、採用に関わる現場社員200名で平均3.02、経営者465名で平均2.82でした。5点満点で中央値の3前後にとどまり、突出して高い会社は少数でした。
Q3. 自社の実践度はどうすれば測れますか。
21項目を自己採点するのが基本ですが、まずは現場社員が強みを同じ言葉で語れるか、面接官の判断基準が統一されているか、母集団の何を振り返っているかの3点を点検してください。詰まりのある箇所が伸びしろです。
Q4. 実践度は会社の規模で決まりますか。
決まりません。規模とともにわずかに上がりますが、規模帯をそろえると差は5点満点で0.2以内でした。中小企業でも実践度は自力で引き上げられ、大企業でも低い会社は珍しくありません。
Q5. 実践度が低いと、採用にどう影響しますか。
実践度は採用の成否を強く左右します。詳しくは実践度が上がるほど採用できるで、規模を超える効果を数字で示しています。
まとめ|まず、現在地を数字で知る
採用実態調査2026が示したのは、採用ブランディングの実践度が現場で平均3.02、経営者で2.82という、横並びの「できていない」でした。多くの企業は上流の言語化まではたどり着き、下流の設計でつまずいています。しかもそれは規模で説明できる差ではありません。採用を変える第一歩は、自社の実践度という現在地を数字で知ることです。
自社の採用ブランディングを21項目で点検する準備ができた方は、無料相談からお気軽にご連絡ください。書籍著者の深澤了をはじめとする専門チームが、最短の一手を一緒に描きます。
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著者プロフィール
深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター
早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。学術論文7編(査読付き)。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても"光る人材"が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナーブランディング」(セルバ出版)。「人が集まる中小企業の経営者が実践している、すごい戦略 採用ブランディング 新版」(WAVE出版)。国立大学法人富山大学とウェルビーイングに関する共同研究「幸福を超える共鳴」。2025年、新理論「共鳴経済」を日本マーケティング学会にて発表。2026年「共鳴経済 社員が"推す"会社が伸びる」(サンクチュアリ出版)を刊行。