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2025.10.08

「伝わる社内報」は組織の強さにつながる

「伝わる社内報」は組織の強さにつながる

企業がインナーブランディングを進めるうえで、社内報はただの情報伝達ツールではありません。内容が現場に届き、日常会話や行動の中に入り込んで初めて「伝わる社内報」になります。

本記事では、社内報を活用した組織強化の新たな視点と、伝え方の工夫、現場との信頼関係づくりについて解説します。

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社内報が生む組織会話

社内報の目的は、単なるお知らせや一方通行の情報伝達ではありません。社員同士が話題にできる組織会話のきっかけをつくることが、本質的な価値となります。

会話のきっかけになる内容設計

たとえばプロジェクトの舞台裏や失敗談、現場の工夫など「普段の業務では見えない部分」を記事化すると、「あの記事読んだ?」という会話が自然と生まれます。

単なる数字やお知らせでなく、共感や発見を生むストーリーが社員の間に広がると、現場のコミュニケーションも活性化します。

組織の温度差を埋める工夫

本社と現場、ベテランと新人など、部署間や世代間の温度差はどんな会社にもあります。社内報で異なる部署の取り組みや多様な社員の声を取り上げることで、相互理解や横断的なコミュニケーションが生まれやすくなります。

これは、人数規模が大きい会社ほど重要なポイントです。

社内報とインナーブランディング

社内報を活用したインナーブランディングは、経営理念やビジョン、価値観を現場の言葉で伝える効果的な手段です。ここでは伝え方と現場参加の観点で整理していきます。

伝える努力が共感を呼ぶ

ただ記事を配信するのではなく、社内イベントや朝礼、Slack・Teamsなど他のチャネルと連動し、「この人のインタビュー記事です」と生の声で紹介することで、「読んでみようかな」という動機が生まれます。

どんなに良い内容も伝える努力がなければ現場には届きません。

現場の参加が自分ごとをつくる

現場社員のインタビューやコラム、座談会の議事録を記事にすると、「自分や同僚が登場する」ことで自然と読まれやすくなります。

実際に現場が主体となって語った記事は、読む側も「自分ごと」として受け止めやすく、現場への浸透力も高まります。

方法論だけを追わない、自社らしさの探究

論だけを追わない、自社らしさの探究

社内報や社内コミュニケーション施策で陥りがちなのが、「他社の事例をそのまま真似する」ことです。

最適な方法は会社ごとに異なり、現場の声や文化の違いを見極めて、最適な伝え方を探ることが大切です。

成功例は参考、決め手は現場との対話

「このフォーマットが一番良い」「動画が流行だから動画で」など、方法論だけを鵜呑みにすると失敗しやすくなります。現場との対話を重ね、自社独自の伝え方や巻き込み方を試行錯誤しながら決めることが、結果的に現場に刺さる社内報につながります。

継続的な観察と改善

社内報の内容や伝え方は、配信して終わりではありません。現場からの反応や声を定期的に収集し、必要に応じて構成や発信方法を見直す「運用改善」の視点が不可欠です。

短期間で成果が出なくても、粘り強く現場と向き合い続ける姿勢が長期的な組織強化を実現します。

社内報を現場の力に変える

伝わる社内報とは、内容・伝え方・現場との対話がそろって初めて実現します。会話が生まれ、現場に参加意識が芽生え、会社ごとの文化に根づいたとき、本当のインナーブランディング効果が発揮されます。

他社事例に流されず、自社にとって最良の方法を現場と共に探り続けることが、これからの組織づくりには不可欠です。

社内報については、以下の記事も参考にしてください。

 

弊社のインナーブランディング事例はこちらをご確認ください。】

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深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても“光る人材“が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナーブランディング」(セルバ出版)。「人が集まる中小企業の経営者が実践しているすごい戦略 採用ブランディング」(WAVE出版)

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