REPORTS

レポート

2025.09.12

採用にも通ずる、令和時代の企業の在り方

これまで多くの企業では、従業員の採用や定着をあまり深く考えずにすんでいました。「人は足りて当たり前」「辞めてもすぐ補充できる」という前提で経営や組織づくりが回っていたからです。

しかし、日本の人口減少や人手不足が進み、採用も定着も簡単ではない時代になりました。今や、どんなに良い商品やサービスがあっても、それをお客様に届ける人がいなければ企業の成長は止まります。

これからは「人」を無視した経営が通用しなくなっています。本記事では、従業員や求職者を「無視できない存在」として、会社全体の仕組みや考え方を見直す必要性について解説します。

採用ブランディングについて相談したい方はこちらから

採用・離職の意識転換が求められる

かつては「仕事はいくらでもある」「人も補充できる」という空気がありました。しかし今や、企業が採用に困るのは当たり前、辞める人も増えて当たり前です。

現場の人数が足りなければ、どんなに立派な理念や計画も絵に描いた餅。まずは人を集めて定着させることが企業運営の最優先課題になっています。

企業・顧客・従業員・求職者「全部つながっている」意識へ

企業・顧客・従業員・求職者「全部つながっている」意識へ

これまでは「お客様のファンづくり」「従業員の育成」「求職者への訴求」など、企業と関わる人たちをバラバラに捉えるのが一般的でした。ですが実際は、この3つは完全につながっています。企業の魅力や強みを「誰に」「どう届けるか」を分断せず、一体で考えることが大切です。

従来は別々だった仕組みを整理する

企業は顧客向けのブランド戦略、従業員のマネジメント、採用活動と、部門ごとにバラバラに取り組むのが当たり前でした。しかし「働きたい人がいない」「お客様にも選ばれない」と悩む会社が増えている今、これらを横断的に整理しなおす必要があります。

顧客・従業員・求職者への発信や関わりを一体で考えることで、全体の循環がうまく回るようになります。

従業員が自分らしく働ける仕組みが成長を生む

人は「替えがきく歯車」として動くのではなく、自分の強みや個性を活かしてイキイキ働くことで組織全体に良い影響をもたらします。従来のように「効率重視・人材は消耗品」という考え方だけでは、人も集まらず会社も育ちません。現場の一人ひとりが意欲的に動ける環境づくりが、会社全体の力を底上げします。

「誰がやっても同じ」ではなく「あなたが必要」と思える会社へ

会社の仕組みとして誰でも回せる組織を目指すのは大切ですが、それだけでなく、「ここで働く意味」「自分の役割」に納得できる状態を作ることが、いま企業に求められています。

自分らしく力を発揮できる従業員が増えれば、その分だけ会社のパフォーマンスやお客様へのサービスも良くなります

人がいないと届けたいものも届かない

どんなに良い商品やサービスも、現場で働く人がいなければお客様のもとに届きません。従業員を無視した経営や発信では、今後の成長は見込めない時代です。

「人を集めて、活かす」ことを会社全体の戦略の中心に置くべきです。

企業成長の出発点は「中の人」をどう動かすか

これからの企業成長は、「商品やサービスをどう売るか」だけでなく、「それを誰が、どうやって届けるか」にも注目が集まります。現場の従業員がブランドや理念に納得し、自分らしく働けることで、初めてお客様や社会に価値を提供できるようになります。

「人が足りないから仕方ない」と思考停止するのではなく、今ある人材の力をどう引き出し、未来の仲間をどう増やすか。その視点こそが企業経営の要です。

これからの会社は「人」を中心に再設計する

これからの会社は「人」を中心に再設計する

企業がこれまで以上に「人」を大事にし、顧客・従業員・求職者すべてをつながった存在として考えることで、成長の土台を作ることができます。効率重視や「替えのきく人材」から、「自分らしく活躍できる人」を増やす方向へ。これが、今あらためて求められている組織の考え方です

弊社のインナーブランディング事例はこちらをご確認ください。】

sai2

深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても“光る人材“が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナーブランディング」(セルバ出版)。「人が集まる中小企業の経営者が実践しているすごい戦略 採用ブランディング」(WAVE出版)

  • PAGE-TOP