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レポート

2024.04.05

オリエンタルランドのインナーブランディング戦略を徹底紹介

「夢の国」を現実にするオリエンタルランド。

その独自のインナーブランディング戦略が社内文化を形づくり、従業員のモチベーションを高める工夫を紐解きます。

中小企業でも取り入れることのできる方法なので、ぜひ参考にしながら実践してみてください。

オリエンタルランドの社内文化とは?

オリエンタルランドでは、顧客への夢と魔法の提供をミッションとした社内文化が浸透しています。従業員一人ひとりがこの精神を体現し、訪れる来場者に特別な体験を提供することを目指しているのです。

このような文化は、ブランドを内側から支える力となり、社員の行動や意思決定においても重要なガイドラインを提供しています。また、社員同士のコミュニケーションやチームワークの向上にも寄与し、社内の雰囲気作りにも大きな役割を果たしているのです。

コーポレートアイデンティティと社内文化の連携

オリエンタルランドのコーポレートアイデンティティは、一貫したブランドイメージを外部に発信するための基盤となっています。これは、ブランドのビジョンや価値を明確にし、社員それぞれが日々の業務を通じてこれを体現することで成り立っています。

具体的には、ブランドのストーリーテリングを大事にし、社員一人ひとりが主役となりブランドストーリーを紡いでいくことが求められます。

また、社内イベントやコミュニケーションの場においても、このアイデンティティを反映させることで、より強固な社内文化が築かれているのです。

社員へのブランド価値の浸透方法

オリエンタルランドでは、社員にブランド価値を浸透させるために、様々な取り組みを行っています。

新入社員教育の段階からブランドの理念を徹底しており、社員それぞれがブランドを具体化するための「生きた教材」となるよう促しています。

継続的な研修やミーティングでは、日々の業務がブランド価値にどう貢献しているのかを共有し、自らがブランドの伝道者となるよう励ましています。さらに、社内報やインターネットを用いた情報共有システムを通じて、常にブランド価値を社員間で共有しているのです。

インナーブランディングが社内で果たす役割

インナーブランディングはオリエンタルランドにおいて、社内の結束力を強化する重要な役割を果たしています。

社員がブランド理念に共感し、自分事として受け止めることで、サービスの質の向上や革新的なアイディアの創出が促されます。このような文化が、社員の行動基準となり、ブランドへの忠誠心やモチベーションを高める要因となっているのです。

インナーブランディングによって生まれるプライドは、仕事への意欲を創出し、結果として顧客満足度の向上にも寄与すると考えられているのです。

オリエンタルランドにおけるブランド教育プログラム

オリエンタルランドが注力しているインナーブランディング戦略の中心には、社員向けのブランド教育プログラムがあります。これは単にブランド理念を伝えるだけではなく、社員一人ひとりがブランド価値を理解し、その価値を行動やサービスを通じてお客様に伝えていくための仕組みを確立することが肝要とされています。

ブランド教育は社員の意識変革を促し、企業文化に根付かせるために不可欠なプロセスであると言えるでしょう。

教育プログラムの構築と目的

オリエンタルランドでは、ブランド教育プログラムの構築にあたって、まずブランドの核となる価値や理念を明確に定義し、それらを社員が共有できるプラットフォームを作ります。

教育プログラムは新入社員から現場のリーダー、経営陣にいたるまで階層別にカリキュラムを用意し、それぞれの役割に応じたブランド教育を徹底して行います。

目的は単に知識を伝授することではありません。ブランドの理念を内面化し、それをお客様へのサービスとして具体化できるよう、思考と行動を変化させることに重点を置いているのです。

実際のプログラム内容とブランド価値の共有

具体的なプログラム内容としては、オリエンタルランドの企業理念やサービス精神に関するセミナーやワークショップを開催しています。これには、ブランドストーリーテリングの実践や、卓越した接客を形にするロールプレイなどが含まれ、社員達は実際の経験を通じてブランド価値を体得していきます。

また、定期的な研修を実施することで、ブランド価値を常にアップデートし、それを生きた知識として身につけることを促進しているのです。

教育を通じたブランドメッセージの統一

ブランド教育を通じて、社員全員が一貫したブランドメッセージを発信できるようになることがオリエンタルランドにおける大きな目標です。

社員一人ひとりがブランドの顔となり、言葉だけでなく行動や態度でブランド価値を表現することが求められます。教育を受けた社員から発せられる統一されたブランドメッセージが、最終的にお客様の耳に届き、心に響くことを目指しています。

ブランドメッセージの統一は、企業のイメージ向上に直結し、結果としてビジネスの成功に寄与することになるでしょう。

オリエンタルランドにおける具体的な成果事例

オリエンタルランドでは、インナーブランディングを通じて、従業員が自らの仕事に誇りを持ち、やりがいを感じられる環境の整備に成功しています。

例えば、定期的に開催されているブランド教育ワークショップでは、社内の異なる部門の従業員が一堂に会し、企業理念やブランドストーリーについて深く学びます。これにより、従業員一人ひとりが企業の大枠を理解し、ブランド価値を自分の仕事にどのように取り入れるかを考えるきっかけを与えているのです。

また、実際のゲストとのコミュニケーションを通じて、オリエンタルランドならではの「おもてなし」を実践することで、客観的な評価の向上と、従業員自身の自己実現へも寄与しているのが見受けられます。これらの取り組みが、社員のモチベーションを高め、長期的に企業の成長と顧客満足度の向上につながっているのです。

オリエンタルランドから学ぶインナーブランディング

インナーブランディングの効果や取り組みを知るにあたり、オリエンタルランドはとてもわかりやすい成功例と言えるでしょう。

このような成功事例は、決して「オリエンタルランドだからできる」ものではありません。中小企業も、同じようにインナーブランディングを成功へ導けます。

私たちむすび株式会社でも、これまでいくつものインナーブランディングを成功へ導いてきました。

以下で事例を紹介していますので、ぜひそちらも参考にしてください。

深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナー・ブランディング まず教育、そして採用、業績アップ。鉄板の好循環をつくる」(セルバ出版)。

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