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レポート

2020.01.23

なぜラグビー日本代表は勝てたのか。

2019年のラグビーワールドカップがあれだけ盛り上がると事前に予想できた人はどのくらいいたでしょうか。要因は日本代表のジャイアント・キリングを起こした快進撃。史上初のベスト8進出でした。もう20年以上のラグビーファンとしては感慨もひとしおです。

昨年の流行語大賞になった「ONE TEAM」はこの日本代表のスローガンでした。これが決まった背景を推測すると、ラグビーが協会主義で、多国籍の人種で構成されること。そして強豪国に勝ち、史上初のベスト8へ進出するには、他のチーム以上にチームワークが大事であるということが言えるでしょう。またそのために、選手の言葉からもよく出ていましたが、多くを犠牲にしたハードな練習を乗り越えるにはチームの一体感を高める必要があったのだと思います。

この快挙をブランド論的に解説すれば、チームに必要な価値観をシンプルな言葉で言語化し、そのニュアンスまで含めてチーム全員で共有、一人ひとりがそれを実行することができた(プレーしている選手だけでなくスタッフも)ということでしょう。つまり考えと行動に「一貫性」が生まれた状態をつくることができたから、これまで以上の信じられないほどのパフォーマンスを発揮できたのだと思います。

つい先日、ラグビーの大学選手権の決勝が新しい国立競技場で行われました。私も朝早くから並び、早稲田-明治の記念すべき試合を見ることができました。12月の早明戦で明治が勝利。昨年帝京を下し、デフェンディング・チャンピオンになっていることもあり、戦前の予想は圧倒的に明治有利。その下馬評の中、早稲田が見事に勝利した試合でした。

早稲田は昨年12月に明治に負けて以来「REBORN」をテーマに毎日練習してきたと言います。もう一度、自分たちのパフォーマンスを取り戻す。原点に返る。まさにその徹底が、大学選手権決勝に現れたのだと思います。

どの会社にも理念やスローガンはあります。しかしそれが社員のパフォーマンスにまで現れていなければ、大きな成長や奇跡を起こすことはできません。日本代表や早稲田の例は、いかに実行することが大事かを教えてくれています。つまり理念が従業員に浸透し、従業員自らが創意工夫をする状態。そのためにはなにをすればいいのか。それが私たちの考えた理念浸透を促進する「ブランド・プラクティス」理論。理念と個人の価値観を重ね合わせることで、やり甲斐が生まれ、そこを目指すことで、企業と個人が成長していくモデルです。

(深澤)

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