【実証実験レポート】プログラミング初心者がCursorでワイヤーフレーム作成ツールを作ってみた話〜企画書作成が3-4倍速になった驚きの結果〜
「企画書のワイヤーフレーム、またパワポですか?」そんな非効率から解放された話
「新しいサービスの企画書を作るのに、またワイヤーフレームをパワポでつくるの?」
中小企業でWEB企画を担当していると、必ずこの瞬間がやってきます。PowerPointで四角形を並べて「ここに写真」「ここにテキスト」と書き込んで...時間はかかるし、修正も面倒。かといって、本格的なワイヤーフレームツールはちょっと高いし、不必要な機能もたくさん。私はお客様やデザイナーにこのページはこんな情報を入れたい、という基本中の基本構成を整理して伝える役割のため、そこまでの網羅性や機能性は求めていませんでした。デザイナーからもあまり細かく作られるとデザインが制限されるので、概略だけでいいとよく言われていましたし。
そんな時、「これ、AIで自動化できないかな?」とふと思い立ったんです。プログラミング経験ゼロの私が、AIコーディングアシスタントのCursorと一緒に、ワイヤーフレーム作成ツールを開発してみた実体験をお話しします。
1. どんなツールを作ったのか
基本機能:企画書作成に特化したシンプル設計
作成したのは、完全ブラウザ内で動作するワイヤーフレーム作成ツールです。専門知識がなくても、直感的に使える設計にこだわりました。
主な機能:
- ページタイトルとメインビジュアルの設定:基本的なページ構造を定義
- ブロック式コンテンツ作成:13種類のブロックタイプから選択可能
- PC・スマホ両対応:同時プレビューで確認しながら作成
- 複数ページ管理:サイト全体の構成を管理
- PNG形式ダウンロード:PowerPointに貼り付けて企画書に活用
- ページ削除機能:不要なページを簡単に整理
技術的には、HTML5、CSS3、JavaScriptで構築した完全クライアントサイドのアプリケーションです。サーバーは不要で、ブラウザでHTMLファイルを開くだけで使える手軽さが特徴です。
※実際に作成したのがこちら。
2. Cursorと一緒に開発してみた感想
「本当にできるの?」から「意外と簡単!」への転換
正直、プログラミング経験がまったくない私には「フレーム作成アプリなんて作れるの?」という不安しかありませんでした。でも、Cursorに「ワイヤーフレーム作成ツールを作りたいんですが...」と相談してみたところ、意外とすぐに基本形ができて驚きました。
Cursorの優れている点:
- 思いついたらすぐ形に:「こんな機能が欲しい」と伝えると、動作するコードを生成
- エラーも怖くない:動かない時も「一緒に解決していきましょう」という感じで修正
- 段階的な改善:基本機能から徐々に高度な機能へとステップアップ
最初は「ページタイトルと簡単なブロックが作れればいいかな」程度の期待でしたが、気がつけば本格的なワイヤーフレームツールになっていました。
つまずいたポイントと学んだコツ
もちろん、すべてが順調だったわけではありません。特に機能追加の段階で重要な教訓を得ました。
つまずいたポイント:
- 一度に複数機能を追加しようとして失敗:「あれもこれも」と欲張ると、全体が動かなくなる
- バックアップなしで作業して後悔:新機能を追加した際に既存機能が壊れることが多発
- エラーの原因が分からず混乱:何が問題なのか特定できずに時間を浪費
発見したコツ:
- 段階的開発の重要性:「まずこの機能、次はこれ」と一つずつ確実に進める
- こまめなバックアップ:機能が動いた段階で必ずバックアップを取る
- Cursorへの相談:分からないことは遠慮なく相談する
この教訓は、プログラミング以外の業務でも活かせる重要な気づきでした。
3. 驚きの開発プロセス:5段階の進化
開発作業記録を振り返ると、ツールは5つの段階を経て進化していました。
第一段階:基本機能の実装
- ワイヤーフレームの骨格作成
- PC・スマホ表示切り替え
- 基本的なブロック配置
- PNG形式でのダウンロード機能
所要時間:約半日
感想:「え、本当にできちゃった!」
第二段階:ページ管理機能
- 複数ページの作成・切り替え
- ページ独立性の確保
- タブベースのページ管理
所要時間:1日
苦労した点:ページ間でデータが混在する問題の解決
第三段階:ブロックタイプの拡充
- 1カラム〜4カラムレイアウト
- 写真のみ、テキストのみブロック
- ボタンブロックの追加
所要時間:半日
発見:ユーザビリティの重要性
第四段階:ボタンブロックの改善
- テキスト内容の正確な反映
- ボタン風デザインの実装
- Canvas描画処理の最適化
所要時間:半日
学び:細部へのこだわりが使いやすさを左右する
第五段階:ページ削除機能
- 不要ページの削除機能
- 確認ダイアログの実装
- 企画書作成ワークフローの完成
所要時間:数時間
完成:実用的なツールとして完成
4. 実際の業務効率化効果
企画書作成が3-4倍速に
実際に企画書作成で使ってみたところ、効果は想像以上でした。
Before(手動作成でゼロベースからの前提):
- PowerPointで四角形を配置
- 「写真エリア」「テキストエリア」をテキストボックスで記載
- ページごとに同じ作業を繰り返し
- 10ページの企画書で約2-3時間
After(ワイヤーフレームツール使用):
- ブロックを選択して内容を入力
- PC・スマホ表示を同時確認
- PNG形式でダウンロードしてPowerPointに貼り付け
- 10ページの企画書で約40分
結果:70%程度の時間短縮を実現しました。しかも、手作業より統一感があり、同じ悩みがあった業務委託の人からの評価も向上。「思ってたより楽に作れますね、無料で使えるから全然いいです」と驚かれることも増えました。
5. プログラミング初心者でも本当にできるのか?
「私にもできた」リアルな体験
開発前の私のプログラミングスキル:
- HTML、CSS、JavaScript:聞いたことがある程度
- プログラミング経験:ほぼゼロ
- 開発環境構築:ほぼやったことなし
それでも実用的なツールが作れた理由:
1. Cursorの対話型サポート
「こんな機能が欲しい」と日本語で説明するだけで、動作するコードを生成してくれます。
2. エラー解決の丁寧さ
エラーが出ても、「ここが問題ですね。こう修正しましょう」と具体的な解決策を提示。
3. 段階的な学習
いきなり高度なことをするのではなく、基本から徐々にステップアップできる設計。
成功の秘訣:完璧を求めない
重要なのは「完璧なツールを作ろう」と思わないことです。
おすすめのマインドセット:
- 70点で十分:最初から100点を目指さず、まず動くものを作る
- 小さく始める:壮大な計画より、身近な困りごとの解決から
- 失敗を恐れない:エラーは学習の機会と捉える
- バックアップ必須:動いた段階で必ず保存
6. AIコーディングがもたらす可能性
民主化される開発体験
今回の実験で強く感じたのは、AIツールがプログラミングを民主化しているということです。
従来は:
- プログラミング = 専門家の領域
- ツール開発 = 大きな投資が必要
- カスタマイズ = 外注するもの
AIコーディング時代は:
- プログラミング = 誰でも挑戦できるスキル
- ツール開発 = アイデアがあれば実現可能
- カスタマイズ = 自分で調整できる
中小企業にとっての意味
特に中小企業にとって、この変化は革命的です:
コスト面のメリット
- 外注費用の削減(数十万円の開発費が実質ゼロに)
- ライセンス費用の節約(年間数万円のツール費用が不要)
- 保守費用の軽減(自分で修正・改善が可能)
スピード面のメリット
- 思いついたらすぐ試せる
- 業務に合わせてリアルタイムで調整
- 外部ベンダーとの調整が不要
カスタマイズ面のメリット
- 自社の業務にピッタリ合ったツール
- 必要な機能だけを実装
- 不要な機能による複雑化を回避
今まではSaaSサービスを契約していたけど、これからは簡単なものは自分で作ってしまうことが当たり前の時代になりそうです。そのくらいちょっとしたアプリならすぐに作れてしまいます。
7. 「まず試してみる」ことの大切さ
行動することで見える世界
今回の開発を通じて学んだ最も重要なことは、「やってみないと分からない」ということです。
実際にやってみるまでの想像:
- 難しそう
- 時間がかかりそう
- 失敗しそう
実際にやってみた結果:
- 思ったより簡単
- 想像以上に早く完成
- 失敗しても学びがある
次のステップへのヒント
「私も作ってみたい」と思った方へのアドバイス:
スタートのポイント
- 身近な困りごとを洗い出す:毎日の業務で「面倒だな」と思うことを特定
- Cursorをインストール:まずは環境を整える
- 小さな要望から始める:「こんなツールがあったら便利」から開始
- 完璧を求めない:70点で動くものを目指す
おすすめの第一歩
- 簡単な計算ツール
- データ整理ツール
- タスク管理ツール
- 定型業務の自動化
続けるためのコツ
- 段階的に機能追加
- こまめなバックアップ
- エラーを恐れない
- 仲間と情報共有
8. 今後の展望:AIと一緒に働く未来
変化する働き方
このワイヤーフレームツール開発は、単なる業務効率化以上の意味を持っています。それは、人間とAIが協働する新しい働き方の実証実験でもありました。
従来の働き方:
- 人間がすべてを考え、実行する
- 専門知識がないとできないことが多い
- 外部リソースへの依存度が高い
AIとの協働スタイル:
- 人間がアイデアと判断、AIが実装を担当
- 専門知識がなくても実現可能
- 内製化による自立性の向上
5年後の予想
今回の体験を踏まえ、5年後の業務環境を予想してみます:
ツール開発の常識化
- 業務ツールの自作が当たり前になる
- 「困ったらまず自分で作ってみる」が標準的な発想に
- 外注や既製品購入は最後の選択肢に
スキルギャップの解消
- エンジニアと非エンジニアの境界が曖昧に
- 誰でも基本的な開発スキルを持つ時代
- 「プログラミングができない」は過去の話に
創造性の解放
- 技術的制約からの解放により、純粋なアイデア勝負に
- より多様で実験的なソリューションの登場
- イノベーションの加速
9. AIコーディング時代の到来
今、始めるべき理由
「まだ早いかな」「もう少し技術が成熟してから」と思っている方もいるかもしれません。しかし、今がまさに始めるべきタイミングです。
理由1:学習コストの低さ
- AIサポートにより、従来の1/10以下の時間で習得可能
- エラー解決も自動化され、挫折率が大幅に低下
- 段階的学習により、無理なくスキルアップ
理由2:競争優位性の確保
- まだ多くの人が挑戦していない今がチャンス
- 早期習得により、市場での差別化要因になる
- 組織内でのキーパーソンになる可能性
理由3:技術の安定化
- Cursorなどのツールが実用レベルに到達
- 大きな変化より、漸進的な改善の時代へ
- 基本スキルは今後も通用する
最後のメッセージ
半年前の私は「プログラミングなんて絶対無理」と思っていました。でもCursorと出会って、AIと一緒に働くことの可能性を実感しています。
重要なのは、AIに全てを任せるのではなく、人間とAIが協力して価値を生み出すこと。私が業務の課題を整理し、Cursorが技術的な実装をサポートする。この役割分担がうまく機能したからこそ、短期間で実用的なツールを作ることができました。
技術の進歩は止まりません。でも、その技術を使いこなすかどうかは、私たち次第です。「難しそう」「時間がない」「失敗したら恥ずかしい」という気持ちは分かります。でも、一歩踏み出してみてください。
きっと「こんなことができるの?」という驚きと、「自分でも作れた!」という達成感を味わえるはずです。そして何より、明日からの業務が、もっと効率的で楽しいものになりますよ!
今回使用したツール
- Cursor:AIコーディングアシスタント。プログラミング初心者でも安心
- HTML5/CSS3/JavaScript:モダンWebアプリケーション開発の基礎技術
- Canvas API:高品質画像出力のための描画機能
開発のポイント
- 完璧を求めず、まずは動くものを作る
- エラーを恐れず、Cursorに相談しながら進める
- 段階的開発とこまめなバックアップが成功の鍵
- 小さな業務改善から始めて、徐々に拡張していく
プロジェクト成果
- 開発期間:約1週間(実作業時間は3-4日)
- 最終機能数:13種類のブロックタイプ、ページ管理、画像出力等
- 業務効率化:企画書作成時間を70%程度短縮
- 技術習得:プログラミング初心者からWebアプリ開発者へ