AIに背中を刺される日がついに来た - 予測が現実になった瞬間の衝撃と気づき
先日、あるお客様から興味深いお話を伺いました(言い訳ではないのですが、別部署がサポートしているお客様です)。「横内さんには正直に伝えるんだけど、AIで内製化すればいいと思ってるんだよね」その瞬間、「ついに来たか」 という驚きと、「やっぱり」 という納得感が同時に押し寄せました。以前書いた未来予測の記事で「7-8割のコンサル業務は不要になる」と書いたことが、思った以上に早く現実になった瞬間でした。
1. 地方の医療・福祉会社で起きていること
このお客様は医療・福祉関係の会社で、正直なところ、一般的にはデジタル化が遅れがちな業界です。しかも地方の、割と古い文化を持っている会社(代替わりして改革真っ只中)。ところが、ここ数ヶ月で状況が一変しました。TOPが率先してAI活用を推進し、とにかくAIでできそうなことを実験的にどんどん試している。うまくいったケースは社内で共有し、月に2回AIチームの勉強会まで開催しているとのこと。使っているツールは、まずはGeminiとChatGPTから始めて、これからClaudeも文章生成に活用する予定。動画生成にも興味があるということで、私がKlingを教えたりもしました。わずか数ヶ月の間に「これってAIでできるよね?」という勘所が身についてしまったんです。
2. 月50万円の作業が数ヶ月で内製化
従来、外部コンサルに依頼していた採用系やインナーブランディング系のコンサルティング、社内報制作などの業務。月50万円程度、工数で言うと3-4日程度の作業が、AIを活用することで内製化できると判断されました。「これまでにできなかったことをどんどんやれるようになる」と、期待の方が大きいようです。課題は「いかに従業員がもっと使いこなせるようにしていくか」ということ。相談内容も変わってきています。どんなAIを使ったら解決できるか、どうしたら精度が上がるか、具体的なユースケースは何か。従来のコンサルティング業務から、AI活用の相談にシフトしているんです。
3. 予測と現実の一致、そして誤算
以前の記事で予測していた通り、AIによる代替は確実に起きました。ただ、予想より早くこのケースを体験することになったのは驚きでした。AIを積極的に活用するような大手系や若い会社なら理解できますが、地方の伝統的な医療・福祉会社からこの話が出てくるとは。直近のAI関連キーワード調査でも、アーリーアダプターを抜けてアーリーマジョリティ層に入っている感じはしていました。遅くとも年内にはレイトマジョリティにも広がり、来年くらいから徐々に仕事が置き換わると予測していたんです。でも、現実はもっと早かった。
4. 気づかされた厳しい現実
今回、お客様に価値を感じてもらえなかった理由を冷静に分析してみました。世の中は進化しているのに、これまでと同様のサービスを提供していたこと。 つい数ヶ月前までは価値があったものが、数ヶ月後にはお客様にとって「ただの作業」になっていることに気づかなかったんです。AIの進化スピードは想像以上です。ある日突然、何も知らなかったお客様がAIを使いこなせてしまう。「わざわざ何十万円も出して外注する必要ないよね」とある日突然気づいてしまう。物事を決めて実行できるまでのスピードが格段に変わり、すぐにやってみて反応をAIにフィードバックし、またすぐに実行する。このサイクルが回り始めると、従来の外部依存は確実に減っていきます。
5. 人間の新しい価値とは
では、人間は完全に不要になるのでしょうか?答えは「No」です。ただし、求められる価値が変化しています。そのお客様も「念のため最終確認で人に聞くことはあるかもしれない」と話していましたが、これも使い慣れてくれば必要なくなるでしょう。重要なのは、AIで何ができるのか、そして人間は何を価値とすべきかを先回りして理解し、新しい価値を提供していくことです。でもそれを怠ると、ある日突然AIに背中を刺されることになりかねません。
6. 今すぐ始めるべきこと
この体験を通じて、読者の皆さんにお伝えしたいのは「先回りして新しい価値を提供することの重要性」です。気づいた時には、もう遅いんです。もしまだAIをそこまで触ったことがない方で、自分の仕事にも関係しそうだと思うなら、まずはとにかく色々いじってみることです。どんなことができそうか、触っていると感覚的に理解できるようになります。自分の仕事に関連するユースケースを調べてみるのも参考になります。そして何より重要なのは、自分の仕事を振り返ること。これは価値提供ができているのか、価値ではなくAIでもいいような作業になっていないか、もっと違う価値を付加できないか、改めて考えてみてください。
変化を恐れず、先回りを
私の未来予測記事で書いた「様子見している場合じゃない」という言葉が、まさに現実になりました。世の中の変化は予想以上に早く、しかもどんな業界・会社でも起こりうることです。変化を恐れるのではなく、変化を先取りして新しい価値を提供する側に回ることが重要です。今からすぐに始めないと、AIに背中を刺される日は、思っているより早くやってくるかもしれません。
変化のポイント
- わずか数ヶ月でAI活用の勘所が身につく
- 地方の伝統的企業でもトップダウンで急速に進む
- 月50万円規模の業務が内製化される
- 相談内容がAI活用支援にシフト
今すぐできるアクション
- AI活用の実験と感覚づかみ
- 自分の業務の価値分析
- 新しい付加価値の模索
- 先回りした価値提供の準備