【実験レポート】AIコンサルツールを作ってみた話〜Gemini 2.5 Proが予想外の大勝利〜

「自分の暗黙知をAI化できるかも?」という実験

これまでの記事で「コンサル職は7-8割不要になる」なんて話をしてきましたが、「だったら自分でAIコンサルツールを作ってみよう」と思い立ちました。

採用マーケティングや採用ブランディングのご相談を多く受けるので、そのノウハウを形式知化してAIに組み込めば、汎用的なコンサルツールになるのでは?という発想です。

まだテスト段階ですが、予想以上に面白い結果が得られたので、実験レポートとしてシェアします。

1. どんなツールを作ったのか

基本コンセプト:状況に応じて自動判断

ユーザーの質問内容によって、AIが自動的に最適なアプローチを選択するシステムです:

相談内容によって、マクロ観点かミクロ観点かを判断→

機能と特徴

採用に関わるあらゆるテーマに対応できる汎用型ツール。戦略レベルの大きな相談から、インターンシップ企画のような具体的な施策まで幅広くカバーします。

最も苦労したのは汎用性の確保でした。マクロな視点の相談もあればミクロな視点の相談もあり、どちらにも対応できるバランス調整に手こずりました。それぞれのユーザーの入力に対して、どんな観点の相談かをまずは判断、そこから最適なルートと出力形式で回答するように調整しています。

2. 暗黙知の形式知化プロセス

これまでの案件をデータ分解

自分が大事にしている観点はもちろん、これまでの案件をデータ(数値的なデータやテキスト情報)から振り返り要素分解していきました。

ただし、要素を分解しすぎると逆に何が大事かわからなくなり、使いづらいものになってしまいます。そこである程度集約して機能するように調整しました。

ノウハウの「押し付け度合い」調整

悩んだのは「ノウハウをどこまで押し付けるか?」という観点。最終的には複数段階に分けて状況に応じて抽出する仕組みにしました。

3. 3大AIモデルで性能テスト

テスト内容

同じシステムプロンプトで、GPT、Gemini、Claudeの最高性能モデル(有料の最高額プランではない範囲)でテストしました。

テストケース:

結果:Gemini 2.5 Proの圧勝

1位:Gemini 2.5 Pro

2位タイ:GPT・Claude

意外な発見:GPT 4o-mini-highの健闘

GPTの中では4o-mini-highが最も良い結果でした。4oやo3よりも丁寧な回答で、コストは1/10程度。コストパフォーマンスを考えると非常に優秀です。

逆に、Claude Opus4やGPT 4o、o3は割と淡白な回答でした。補足説明を要求しないとただのジャストアイデアな感じになってしまう懸念が感じられました。

4. 実用化への道のり

高性能モデル必須という現実

今回の実験で分かったのは、高性能なモデルじゃないと機能しないツールになってしまったということ。汎用性と精度を両立させようとすると、どうしてもモデルの性能に依存してしまいます。ただ思っていた機能を持たせることが、すでに今のモデルで出来てしまうという事実にもある意味脅威を感じています。

セキュアな提供環境の検討

今後はお客様からご要望があれば提供したいと考えており、その場合はDifyをローカル環境で構築・セキュリティ面を強化した上で展開する予定です。もし気になる方がいらっしゃれば、お問合せからご連絡ください。まだ実験ベースなので、モニターとしてお使いいただくでも構いません。

5. AIコンサルの可能性は多岐に

暗黙知の形式知化は可能

今回の実験で確信したのは、コンサルティングの暗黙知な部分も、要素を整理していけばAIで十分再現可能だということです。

これはコンサルタントに限らず、いろいろな会社の専門知識でも同様に応用できるはずです。有効活用できれば、社内の教育・業務時間の短縮・品質の向上・外部への販売など多岐に渡る可能性を秘めています。

まだまだ改善の余地

現在のツールは私の暗黙知をベースにしているので、別の暗黙知で改めてコンサル機能を構築してみても面白そうだと考え実験中です。

「作ってみてよかった」こと

この実験を通じて感じたのは、AIツールを「使う」だけでなく「作る」ことの面白さです。

自分のノウハウを客観視し、構造化する過程で、これまで無意識にやっていたことが明確になりました。これ自体が大きな学びでした。

また、各AIモデルの特性の違いも肌で感じることができました。同じプロンプトでもここまで差が出るとは予想していませんでした。

何より、「コンサルティングはAIに代替される」という仮説を、自分の手で検証できたのが一番の収穫です。

結論:AIコンサルは「作れる」し「使える」

まだテスト段階ですが、十分実用レベルに近づいています。技術的なハードルは思ったより低く、重要なのは知識の構造化でした。

もしあなたも専門知識をお持ちなら、AIツール化にチャレンジしてみることをお勧めします。きっと新しい発見がありますよ。

今回のテスト結果まとめ

ツール開発のポイント