採用ブランディング

2026.03.27

採用がうまくいかない理由|採用施策より先にやるべきこと

採用がうまくいかない理由|採用施策より先にやるべきこと

「採用できない」という相談の多くは、採用手法の見直しに向かいます。媒体を変える、広告費を増やす、SNSを強化する。しかし、それでも状況が変わらない企業は少なくありません。その理由はシンプルで、採用の問題を採用だけで解決しようとしているからです。

採用は独立した活動ではなく、企業の状態がそのまま反映される領域です。本記事では、採用がうまくいかない企業に共通する構造と、改善のために見直すべきポイントを解説します。

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採用できない企業が陥っている構造

採用がうまくいかない企業は、努力が足りないわけではありません。むしろ多くの場合、コストも手間もかけています。

それでも採用できないのは、「見る場所」がずれているからです。

採用を“手法”で解決しようとしている

・求人媒体を変える
・広告費を増やす
・スカウトを強化する

こうした施策はすべて「手法の改善」です。しかし、企業として何を提供しているのかが曖昧なままでは、手法を変えても結果は変わりません。

発信がコモディティ化している

多くの企業は、市場を見て採用メッセージを作ります。

・働きやすい
・成長できる
・アットホーム

こうした表現はどの企業も使っているため、差別化ができません。結果として、求職者にとって選ぶ理由がなくなります。

採用は企業の状態がそのまま出る

採用は独立した活動ではなく、企業の状態がそのまま表れる領域です。企業の強みが言語化されていない場合、採用の場でもそれは伝わりません。

多くの企業は「強みはある」と思っています。しかし、それを具体的に説明できる企業は多くありません。

・なぜこの会社に入ったのか
・この会社のどこが良いのか
・どんな価値を提供しているのか

こうした問いに対して、社員ごとに答えがバラバラな状態では、採用は機能しません。

社員が語れない企業は選ばれない

採用の場で最も影響力があるのは、社員の言葉です。しかし、企業の強みや価値観が整理されていなければ、社員は語ることができません。

その結果、求職者に伝わるのは表面的な情報だけになります。

採用を変える前に見直すべきこと

採用を改善するためには、採用の前段階を見直す必要があります。

たとえば、強みは新しく作るものではなく、現場にすでに存在しています。

・なぜこの会社に入ったのか
・事業の価値は何か
・入社して何が良かったのか
・会社の文化や価値観を表すエピソード

これらをもとに、具体的なエピソードを集めることが重要です。

複数人で整理することでズレをなくす

強みの整理を一部の担当者だけで行うと、視点が偏ります。そのため、現場を含めた複数人で取り組むことが重要です。

多くのエピソードを出し、共通点を見つけることで、自社らしさが見えてきます。

採用は「順序」で結果が変わる

採用がうまくいくかどうかは、「何をやるか」ではなく「どこからやるか」で決まります。採用施策から入ると、一時的に応募が増えることはあります。しかし、企業の軸が整っていなければ、ミスマッチや早期離職が起きやすいです。

強みや価値観が整理され、社員がそれを語れる状態になると、採用の質が変わります。企業に共鳴する人材が集まりやすくなり、結果として採用は安定していくのです。

採用は“共鳴”で決まる時代になっている

これからの採用は、条件や情報だけで決まるものではありません。企業の考え方や価値観に対して、求職者が共鳴するかどうかが重要になります。

・企業の強みが明確であり
・社員がその価値を語ることができ
・発信に一貫性がある

この状態がつくられたとき、採用は大きく変わります。

採用を変えたいのであれば、採用だけを見るのではなく、企業そのものを見直す。その視点が、結果を変えるのです。

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深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。学術論文7編(査読付き)。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても“光る人材“が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナーブランディング」(セルバ出版)。「人が集まる中小企業の経営者が実践しているすごい戦略 採用ブランディング」(WAVE出版)。国立大学法人富山大学とウェルビーイングに関する共同研究「幸福を超える共鳴」。2025年、新理論「共鳴経済」を日本マーケティング学会にて発表。

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