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レポート

2026.03.09

採用ブランディングで伝えるべき「強み」は自社の中にある

採用ブランディング

企業が採用ブランディングや企業ブランディングに取り組むとき、必ずと言っていいほど出てくるのが「自社の強みは何か」という問いです。

しかし、多くの企業がここでつまずきます。

・自分たちでは強みがよく分からない
・何を打ち出せばよいのか決めきれない

という状態です。

実際のところ、強みは新しく作るものではありません。すでに現場に存在しているものを発見し、言葉にしていくものです。

本記事では、実際に行っている「自社の強みの見つけ方」について解説します。

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強みはどうやって発見するのか

自社の強みを見つけるためには、まず問いを立てることが重要です。特に有効なのが、顕在的な問いと潜在的な問いの両方から考える方法です。

顕在的な問いとしては、例えば次のようなものがあります。

・なぜこの会社に入ったのか
・この会社の事業の価値は何か

これらは比較的言語化しやすく、社員も答えやすい質問です。一方で、潜在的な問いも重要になります。

・この会社に入って何が良かったのか
・この会社の歴史、文化、価値観を表すエピソードは何か

潜在的な問いは、言葉として整理されていない体験や価値観を引き出す役割があります。強みは、この顕在と潜在の両方から見えてきます。

強みは現場のエピソードの中にある

強みを見つけるときに重要なのは、抽象的な言葉ではなく、具体的なエピソードを集めることです。

例えば、

・お客様とのやり取り
・現場での判断
・社員同士の関係
・創業当時の出来事

こうした現場の出来事の中に、その会社らしさが表れています。

ただしここで多くの企業が悩むのが、「これは強みと言えるのか分からない」という問題です。

自分たちにとって当たり前のことは、価値として認識しづらいものです。しかし、外から見ればそれが強みとして捉えられるケースは少なくありません。

そのため、評価や判断をする前に、とにかくエピソードを挙げていくことが重要になります。

強み発見は採用担当だけでやらない

当社が必ず行うのは、採用担当者だけで強みを整理しないことです。必ず現場のメンバーを含めたチームをつくります。

目安としては、5人以上で取り組むことを推奨しています。

採用担当者が一人で進めてしまうと、視点が偏りやすくなるからです。また「巻き込むのが大変だから自分だけでやろう」という判断は、結果として強みを見誤る原因になります。

複数の立場の人がエピソードを出すことで、さまざまな視点が集まり、その中から会社の特徴が浮かび上がります。

強みは三つのステップで見つける

強みの発見は、次の三つのステップで整理していきます。

まず、現場のエピソードをできるだけ多く集めます。この段階では評価はせず、とにかく数を出します。

次に、それらのエピソードを整理し、共通点を探します。似ている内容や共通する価値観をグルーピングしていきます。

最後に、その中から「自分たちにとって特に大事な点」を三つに絞ります。

・エピソードを出す
・共通点を見る
・大事な点を三つに絞る

この三段階が、強み発見の基本プロセスです。

強み以外のエピソードも価値になる

エピソードを整理していくと、数十個以上の具体的な話が集まります。そのすべてが強みの核心になるわけではありませんが、決して無駄にはなりません。

例えば、

・ホームページのコンテンツ
・採用サイトの記事
・求職者との面接での話題
・会社紹介のストーリー

など、さまざまな形で活用することができます。

強みは捻り出すのではなく、思い出す

自社の強みは、会議室で考えて生まれるものではありません。現場にあるエピソードの中にすでに存在しています。

顕在的な問いと潜在的な問いからエピソードを集め、複数人で共通点を見つけ、三つの軸に整理する。このプロセスを通じて、自社らしさは少しずつ言語化されていきます。

強みを発見できれば、採用やブランディングの発信も変わります。そして、その言葉が企業のブランドを形づくっていきます。

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深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。学術論文7編(査読付き)。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても“光る人材“が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナーブランディング」(セルバ出版)。「人が集まる中小企業の経営者が実践しているすごい戦略 採用ブランディング」(WAVE出版)。国立大学法人富山大学とウェルビーイングに関する共同研究「幸福を超える共鳴」。2025年、新理論「共鳴経済」を日本マーケティング学会にて発表。

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