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2026.02.09

採用ブランディングと共鳴経済から考える内定承諾率を高める6つの段階

採用ブランディングと共鳴経済から考える内定承諾率を高める6つの段階

内定承諾率は、採用活動の成否を最も端的に表す指標です。応募数や面接通過率が高くても、最終的に承諾されなければ採用は成立しません。それにもかかわらず、多くの企業では内定承諾率を「条件」や「タイミング」の問題として扱いがちです。

実際には、内定承諾率は偶然ではなく、プロセスの設計によって大きく左右されます。この記事では、内定承諾率を高めるために整理されてきた考え方をもとに、その構造と実務への落とし込み方を解説します。

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内定承諾率は6つの段階で決まる

内定承諾率は、内定通知の瞬間だけで決まるものではありません。採用活動全体を分解すると、最終的に次の6つの段階に整理できます。

「ヒアリング、伝える、社員との接点、本人と向き合う、具体接点、意思決定」この6段階です。この流れ自体は、業種や規模に関わらず、どの会社にも共通しています。

差が出るのは「自社なりのやり方」があるかどうか

6段階の枠組みは共通でも、その中身は会社ごとにまったく異なります。「どんな質問をするのか、何を強みとして伝えるのか、誰と会わせるのか、どこを見せるのか」こうした細部を自社なりに突き詰め、再現できる形にしているかどうかが、内定承諾率の差になります。

型がなく属人的な対応に頼っている場合、承諾率は安定しません。

内定承諾率の正体は「口説く力」である

内定承諾率は数値ですが、その中身は極めて人間的です。内定承諾率が高い会社は、条件で勝っているのではなく、候補者の意思決定を支える納得を積み上げています。

共鳴が生まれると意思決定は前に進む

候補者は、複数の内定を比較しながら最終判断をします。そのとき決め手になるのは、給与や知名度だけではありません。この会社で働くイメージが持てるか、自分の価値観と重なるか、ここで力を発揮できそうか。

こうした感覚的な納得が、承諾という行動につながります。内定承諾率とは、候補者とどれだけ共鳴をつくれたかを表す指標だと言えます。

6段階それぞれで押さえるべき視点

6段階それぞれで押さえるべき視点

内定承諾率を上げるためには、6段階を理解するだけでなく、各段階の役割を明確にする必要があります。

ヒアリングは意思決定の前提を把握する場

ヒアリングは情報収集ではありません。候補者が何を大事にしているのか、どこで迷いそうか、意思決定の軸を把握するための時間です。

ここが浅いと、後半のプロセスで的外れな訴求になりやすくなります。

伝えるは会社説明ではなく翻訳

伝える段階で重要なのは、会社の魅力を並べることではありません。ヒアリングで得た情報をもとに、その人にとって意味のある形に翻訳して伝えることが、共鳴につながります。

社員との接点は具体性をつくる

候補者は、会社の制度よりも「一緒に働く人」を見ています。誰と会わせ、どんな話をしてもらうかを設計することで、働くイメージは一気に具体化します。

本人と向き合うは覚悟をつくる時間

この段階では、不安を消すだけでなく、候補者自身が意思決定に向き合える状態をつくることが重要です。表に出ていない迷いや葛藤に向き合うことで、判断の質が高まります。

具体接点は想像を体験に変える

現場見学や実際の業務に触れる機会は、承諾率に直結します。働く姿が想像できないことは、承諾をためらう大きな理由になるためです。

意思決定は整理の場

最終段階で求められるのは、強く押すことではありません。候補者が比較している軸を整理し、自分で決めきれる状態をつくることが、この段階の役割です。

内定承諾率を上げるのは小手策のテクニックではない

内定承諾率を上げるために必要なのは、特別なテクニックではありません。ヒアリングから意思決定までの6段階を自社なりに設計し、口説く力、共鳴させる力を磨き続けることです。

ケーススタディのような汎用性の高い手法を活用しながら、誰が担当しても一定の品質で実行できる状態をつくることが、内定承諾率を安定して高める近道になります。

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深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても“光る人材“が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナーブランディング」(セルバ出版)。「人が集まる中小企業の経営者が実践しているすごい戦略 採用ブランディング」(WAVE出版)

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