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2026.02.05

採用ブランディングと制作物の関係性。採用ブランディング著者が説く正しい考え方

採用ブランディングと制作物の関係性。採用ブランディング著者が説く正しい考え方

採用ブランディングという言葉は広く使われるようになりましたが、その中身は企業ごとに大きく異なります。SNSを強化すること、採用サイトを作ること、LPを用意することが「採用ブランディング」だと捉えられているケースも少なくありません。

しかし、集めることを採用力だと考えている限り、採用の構造は根本的には変わりません。この記事では、「正しい採用ブランディング」とは何かを、考え方と設計の観点から整理します。

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採用ブランディングを誤解していると採用は変わらない

採用ブランディングの本質は、応募者を増やすことではありません。にもかかわらず、多くの企業では「どう集めるか」に議論が集中します。

この前提が変わらない限り、採用の流れが良くなることはありません。

集める力を高めても理想の採用は起きない

集めることを採用力だと定義している限り、思うような人に出会い、口説き、活躍してもらうという理想的な流れは生まれません。なぜなら、母集団の量を増やすことと、企業に共鳴する人に選ばれることは、まったく別の能力だからです。

採用ブランディングは、数を集めるための施策ではなく、選ばれる理由をつくるための土台です。

制作物は「採用の本体」ではなく「ブースト」

採用ブランディングを考えるうえで、ホームページやパンフレット、映像といった制作物の位置づけを誤ると、施策が噛み合わなくなります。

採用人数によって必要なものは変わる

採用ブランディングがしっかり設計されていれば、年間5人程度の採用であれば、必ずしも多くの制作物は必要ありません。一方で、10人を超える採用を行う場合は、制作物があったほうが良いケースが増えます。

ただし、それは採用ブランディングの代わりではなく、あくまでブースト効果として機能します。HPやパンフレット、映像を分けて考えると、それぞれに得意不得意があります。重要なのは、制作物を作ることではなく、それらが同じ思想とメッセージを増幅させているかどうかです。

SNSやLPだけでは採用できない理由

SNSをやれば採用できる、LPを作れば人が来る、という発想は、採用ブランディングの視点では成立しません。これらは手段であって、土台がなければ機能しません。

共鳴の設計がないまま施策を重ねても、採用は一時的な反応で終わります。

採用時に理念を語ることの意味

採用の場で理念を訴求することに対して、「きれいごと」「響かないのではないか」と感じる企業もあります。しかし、理念を語らない採用は、結果的に活躍人材を逃しやすくなります。

理念共感は活躍の土台になる

採用時に理念へ共感している人は、入社後も組織と価値観を共有しやすく、活躍しやすい傾向があります。理念はスキルの代替ではありませんが、行動や判断の軸になります。だからこそ、採用時に理念をどう伝えるかは、その後の定着や成果に直結します。

採用ブランディングがもたらす変化

採用ブランディングがもたらす変化

採用ブランディングに取り組むことで、採用活動全体の景色が変わります。その変化は、短期的な成果だけでなく、中長期の経営にも影響を与えます。

母集団形成に振り回されなくなる

採用ブランディングが機能すると、「何人集まるか」に一喜一憂しなくなります。自社にマッチした応募者が増え、結果として入社につながりやすくなるため、量を追う必要がなくなります。

選ばれる企業になる

採用ブランディングが進むと、大手企業や有名企業を断って自社を選ぶ人が現れます。これは偶然ではなく、共鳴が起きた結果です。条件や知名度ではなく、「ここで働きたい」という理由で選ばれる状態が生まれます。

中長期で経営に効いてくる

採用ブランディングは、翌年以降に予算削減効果をもたらすケースも多くあります。広告費に依存せず、継続的に人が集まる構造ができることで、採用は単なるコストではなく、経営に貢献する投資になります。

採用ブランディングとは制作物をつくることではない

正しい採用ブランディングとは、集めるための施策を増やすことではありません。選ばれる理由を明確にし、共鳴が起きる土台をつくることです。

制作物やSNSは、その土台を強めるための手段にすぎません。理念を軸に、一貫したメッセージと接点を設計することができたとき、採用は中長期で企業を支える力になります。

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深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても“光る人材“が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナーブランディング」(セルバ出版)。「人が集まる中小企業の経営者が実践しているすごい戦略 採用ブランディング」(WAVE出版)

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