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レポート

2024.04.03

成功企業が実践するインナーブランディングのステップ

今回は、組織内部のブランド文化の構築からはじまり、戦略的なインナーブランディングの立案、そして内外のブランディングの整合性を保ちつつ、定期的な評価を行うまでの一連のプロセスを解説します。

まずは、組織の成員全員が共有する「組織文化」を醸成します。次に、その文化を反映したインナーブランディング戦略を立案します。その際、社内外のブランド価値を一貫させることにも留意してください。

そして何より重要なのが、定期的な評価と改善です。社内外の動きに合わせて、ブランド力を持続的に高めていく必要があります。

本記事を参考にして、貴社組織におけるブランド力の強化につなげてください。

組織文化の構築ステップ

組織文化の構築ステップ

インナーブランディングの基礎を築くためには、具体的なステップを理解し、実施していく必要があります。

まず、企業のビジョンやミッションを明確にし、全従業員に共有されることが重要です。

次に、組織の価値観を定義し、行動指針を作成します。そして、これらが日常業務に統合されるように、継続的な教育とコミュニケーションが求められます。

優れた組織文化を築く初期段階

組織文化の築き方の初期段階には、ビジョンや使命を明白にするところから始めます。

これらは会社の基本的な指針であり、従業員一人ひとりが理解し、共感できる内容でなければなりません。さらに、具体的な価値観や行動様式を決定し、それを社内で広めるための具体的な方策を策定します。

組織文化は一人ひとりの行動と意識の積み重ねによって形成されるものであり、各スタッフが文化を自然に理解し、その中で働けるような環境作りが求められます。

社内コミュニケーションの重要性

組織文化を育むためには、社内コミュニケーションが不可欠です。心地よく効率的なコミュニケーションが、従業員間の信頼関係の構築を助け、共通の価値観を共有するための土壌となります。

また、積極的なフィードバックや意見交換は、問題解決やイノベーションを促進し、組織全体の成長に繋がります。そのためにも、オープンで透明性の高いコミュニケーションを実施することが推奨されます。

インナーブランディング戦略の立案

インナーブランディング戦略の立案は、企業のアイデンティティを明確にし、それを従業員へ浸透させる計画を慎重に策定しなければなりません。内部から発せられるブランドの価値は、間接的に顧客に伝わり、信頼と絆を築く源泉となるのです。

この立案過程では、企業文化、ビジョン、そしてコアバリューが重要なキーワードになります。

ブランディング目標の設定

インナーブランディング戦略におけるブランディング目標の設定は、成功の土台を築きます。

目標は、企業の長期的ビジョンに沿ったものでなければならず、具体的かつ達成可能なものであるべきです。

目標を設定する際には、全員参加型のワークショップを開催するなどして、意見やアイデアを集め、従業員の期待や希望も反映させることが重要です。

共有された目標は、従業員の連携を強化し、チームとしての一体感を生み出す原動力となります。

戦略的アプローチを計画する

戦略的アプローチは、ブランディング目標を実現するための道筋です。ここで大切なのは、具体的なアクションプランを作成し、各部門、各チームの責任と役割を明確にすることです。

定期的な研修会やワークショップを開催して社員の理解を深めること、適切なコミュニケーションチャネルを確立して透明性を高めることなど、多角的な取り組みが必要です。

内外のブランディングの整合性

インナーブランディング成功のポイントは、企業が外部に発信するブランドイメージと、社内で育成されるブランド価値の間に矛盾がないようにすることです。

この一貫性があることで、社員一人ひとりが企業の顔となり、それぞれの行動がブランドメッセージを体現することに繋がります。外部の顧客に対して一貫した経験を提供することで、ブランドの認知度や信頼性が向上し、最終的には企業の繁栄に寄与します。

社内ブランディングと顧客体験を一致させる

社内ブランディングとは、社員が企業のブランド価値を深く理解し、それを自分の仕事や行動に反映させることです。このプロセスで大切なのは、社員が感じる企業の価値観と実際の顧客体験が一貫していることです。

顧客が接するすべてのタッチポイントでブランドメッセージを一致させるためには、従業員教育プログラムの充実や社内コミュニケーションの活性化が必要です。

また、社員が自社のブランドを正しく理解し、自らがブランドアンバサダーとなるような環境を整えることもポイントになります。

定期的なインナーブランディングの評価

企業が持続可能な成長を遂げるためには、外向けのブランド戦略を練るだけでは不十分です。社内の価値観や文化を定義するインナーブランディングは、社員のモチベーション向上や一体感を形成する上で欠かせない要素です。

このインナーブランディングが長期にわたって効果をもたらすには、定期的な評価が必要です。評価を行うことで、計画の実行状況、目標達成度合い、予想外の問題点などが浮き彫りになり、必要な改善策を迅速に講じられるようになります。

評価の一つであるアンケートに関しては、以下の記事で解説していますのでそちらを参考にしてください。

インナーブランディングの進め方を理解して正しく進めていきましょう

インナーブランディングを効果的に進めるには、正しいステップでおこなってください。

今回解説したどのステップも、浸透させるには必要な要素です。

もしいずれかが抜け落ちてしまうと、インナーブランディングの効果が薄まり、浸透も遅くなります。

「どのように進めるべきで、何をしたらよいかわからない」という場合は、一度弊社にご相談ください。

深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナー・ブランディング まず教育、そして採用、業績アップ。鉄板の好循環をつくる」(セルバ出版)。

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