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レポート

2020.03.05

地域を駄目にするデザインとは、見た目だけで判断されて選ばれた良いデザイン。

昨今はブランディングという言葉が浸透してきました。でもいまいちブランディングの必要性がわからない方々が多いのが現実だろう。デザイナーの立場から言うとブランディングが出来てないとデザインは出来ません。

デザインの仕事を発注を受ける時にクライアント様からたまにこういう言葉を言われる時があります。「とりあえずデザイナーの感性で出してみて」と。私はこの言葉を投げ掛けれれる時は制作に置いて非常に危険だと思っています。何故ならばデザインはクライアント様の意思や希望、現状の問題点の解決を形にする作業です。ロゴを制作する場合に会社の在り方や目指す方向、他者にどう見られたいかなど会社としての意思がないと手をつけようがありません。それでもデザイナーの感性でデザインを提出することは出来ます。そのアウトプットを見てかっこいいとか綺麗だとかで選ばれてしまうケースもあります。

果たしてそれで良いのでしょうか?それは企業理解も全くないただデザイナーが作りたいものを作ったものにすぎず、本当にそこにクライアント様の思いやこの先何十年何百年と責任を持って世の中に出す覚悟があるものでしょうか?

地域のデザインも同じことが言えます。ここ10年くらいは地方創生の波に乗り、地方のデザインも活発化してきました。私も東京から山梨へと移住し、地方デザインに数多く触れてきました。デザインも洗練されてきたものが多くなってきました。デザインのレベルも上がってきたと思います。でもその綺麗なデザインにその土地や物、人々に本当に根付く物でしょうか?根付くためにはその土地で何百年何千年と流れた時間の流れを理解してその息吹・魂を感じさせないと決して根付くものにはなりません。洗練されたデザインに目を奪われるのは仕方ない部分はあります。しかし、それに踊らされるとその土地に根付いてきた大切さを忘れたそこには似合わないフワフワとしたどこか浮かれたものが出来上がってしまいます。

ファッションでもその人の体型や個性をしっかりと研究したものがその人物に似合うファッションとなります。地域デザインも同じでその土地の個性や空気感に見合ったものを探り出さなければどんなに見た目が良いデザインでも一過性で終わったファッション的ブームなデザインで終わってしまいます。

ブランディングと言う作業はそのものの歴史や存在意義、強み、弱みなど洗い出し、そのものが世の中に対してどのような存在価値を持ってきたのか、どのようなそ運材価値をもたらすものなのか、もっと強く存在するためにはどのような必然性があるのかを探る作業であり、デザインをする上で一番大事な土台を作る作業です。ここがきちんと出来てないと最終のアウトプットもちぐはぐとした土台のない、中身のないものになってしまいます。しかし見た目の良いデザインというのは中身が無くても何か良いものが出来たと安堵してしまいます。そこに大きな大きな落とし穴がある事を感じてもらえればと思っています。

良いデザイン=良いブランディングではありません。良いデザインとはそのものの本質をしっかりと掴み、ブランディングで構築して生まれた必然性で出来上がったものです。地域を殺すデザインとは見た目は良いが中身のないただファッションでしか存在しないデザインだと私は思っています。

私は地域の仕事を多くやっていますが移住してきたため、まだまだこの土地を理解してる訳ではありません。だから街の活性化や安心安全を守る組織である商工会や消防団に加入し、街の一員として存在するように日々過ごしております。私が街の一員にならなければ私が制作したものは街のためを思うものではないものだから。

(岡谷)

多くの会社様から名刺制作のご依頼を頂きました
南アルプス市商工会青年部部員募集ポスター
南アルプス市を支える大工たち。南アルプス市若手大工の会
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