【飲食】セクションエイト:母集団は3分の1に減っても、採用は58人へ。しかも質が上がった「出会い酒場」外食企業の採用ブランディング事例

エントリーは毎年数千人。業態の知名度で母集団はいくらでも集まる。それなのに、自社に本当に合う人材が採れない。「出会い酒場」で知られる外食企業セクションエイトが抱えていたのは、数の問題ではなく質の問題でした。同社は創業者の思想を採用の軸に据える採用ブランディングに取り組み、実行後はエントリーが6,706人から2,072人へと減少します。しかしこれは狙い通りでした。説明会参加率は14%から40%へ跳ね上がり、内定承諾は50人から58人へ増加。母集団を「あえて絞る」ことで、採用効率を劇的に改善した事例です。ここでは取り組みの中身と効果を紹介します。 ## この事例のポイント - 業態の知名度でエントリーは大量に集まるが、自社に合う人材が採れないという「質」の課題が出発点だった - 母集団集めの段階で伝えてこなかった「創業者の思想」を掘り起こし、採用の軸に据えた - 採用スローガンは「恋は、日本のエネルギーだ。」。事業の根っこにある考え方を言葉にした - 採用ブランディング後に「エントリー数が減った」数少ない事例。だがそれは意図した結果 - エントリーは6,706人から2,072人へ減ったが、説明会参加率は14%から40%へ、内定承諾は50人から58人へ増えた ## 目次 - 課題:大量に集まるのに、自社に合う人が採れない - やったこと1:伝えてこなかった「創業者の思想」を掘り起こす - やったこと2:思想を採用スローガンに束ねる - やったこと3:事業構造に沿って一貫設計する - やったこと4:飲食業界の常識と逆を打ち出す - 効果:エントリーは減り、参加率と承諾は増えた - よくある質問(FAQ) ## 課題:大量に集まるのに、自社に合う人が採れない 母集団は十分すぎるほど集まる。それでも採用がうまくいかない。ここが出発点でした。 セクションエイトは、男女が同じテーブルで自然に出会える「出会い酒場」という業態を世に送り出した外食企業です。話題性のある業態で認知は高く、新卒採用のエントリーは毎年数千人規模に達していました。数だけを見れば、母集団形成に困っている会社にはまったく見えません。 しかし中身を見ると課題は明確でした。エントリーは業態の知名度に引き寄せられて集まるため、自社の考え方に本当に合う人材の割合が低い。説明会に来る人も、選考に進む人も、どこかミスマッチが残る。大量の応募をさばくコストばかりがかさみ、採用効率は決して高くありませんでした。集まる数ではなく、母集団の質こそが解くべき問題だったのです。 > 「応募は集まるのに、合う人が採れない」。それは数ではなく質の課題です。まずはご相談ください。 > https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-contact ## やったこと1:伝えてこなかった「創業者の思想」を掘り起こす 同社が母集団集めの段階で語ってこなかったものを、掘り起こしました。 この会社の根っこには、創業者の明確な思想があります。飲食と出会いの場を掛け合わせ、世の中の恋愛の数を増やすことで日本を元気にする。出会い酒場という業態そのものが、その考え方から生まれていました。ところが採用の現場では、この思想はほとんど語られてきませんでした。業態の知名度だけで人が集まるため、あえて自社の考え方を伝える必要がなかったからです。 むすびは取材とワークショップを通じて、この埋もれていた思想を採用の軸へと引き上げました。何のためにこの事業をやっているのか。どんな価値観の人と働きたいのか。母集団の入り口でこそ、この会社ならではの考え方を伝える。それが、集まる人の質を変える鍵でした。 ## やったこと2:思想を採用スローガンに束ねる 掘り起こした思想を、一本の採用スローガンに束ねました。 その言葉が「恋は、日本のエネルギーだ。」です。恋愛の数を増やすことで社会を元気にするという創業者の考え方を、働く人に向けたメッセージへと磨き上げました。出会い酒場という業態が何のために存在するのか、その根っこにある信念をまっすぐ言い切った一言です。この言葉に共感できるかどうかが、自社に合う人とそうでない人を分ける入り口になります。 採用ホームページ、採用パンフレット、採用フロー(戦術)まで、このスローガンを軸に一貫して設計しました。入り口から選考まで同じ思想が流れることで、共感した人が自然に残り、そうでない人はそっと離れていく。母集団の質を、設計そのもので変えていきました。 > 自社の強みや思想を採用の軸にする。その言語化から、私たちが伴走します。 > https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-contact ## やったこと3:事業構造に沿って一貫設計する 打ち出しは、事業の構造そのものに沿わせました。 同社の事業は、恋愛を「作る・育てる・結ぶ」という流れで捉えられます。出会いの場を作り、関係を育て、縁を結ぶ。この事業構造を、そのまま採用メッセージの骨格に用いました。働くことと事業の目的が地続きであることを、応募者が直感的に理解できるようにするためです。 素材になったのは、取材とワークショップで現場から出てきた言葉でした。参加者が付箋に書き出した現場のリアルな表現を集め、そこからコピーへと落とし込んでいく。外から借りてきた言葉ではなく、社内にすでにあった言葉を使うからこそ、メッセージに嘘がなく、共感を生みます。この会社「らしさ」を取材とワークショップの段階で見抜き、引き出すディレクションが、打ち出しの精度を決めました。 ## やったこと4:飲食業界の常識と逆を打ち出す 訴求は、飲食業界の常識とあえて逆を行きました。 説明会はカップルや友達同士での参加も歓迎。社内恋愛はむしろ推奨する。一般的な飲食企業の採用ではまず出てこない打ち出しですが、恋愛の数を増やして日本を元気にするという思想に照らせば、これほど自然な訴求はありません。会社の考え方に本当に共感する人にはまっすぐ刺さり、そうでない人には響かない。だからこそ、母集団の質を選び分けるフィルターとして機能しました。 奇をてらった演出ではなく、事業の目的から一直線に導かれた訴求である点が重要です。上流の思想が定まっているからこそ、下流の打ち出しは自然に独自のものになりました。差別化のための差別化ではなく、自社らしさを突き詰めた結果として、他社と違う採用ができあがったのです。 ## 効果:エントリーは減り、参加率と承諾は増えた 数字は、母集団の質が変わったことをはっきり示しました。 採用ブランディングの実行後、エントリー数は6,706人から2,072人へと減少しました。これは同社の事例で最も特徴的な点です。多くの会社では母集団を増やすことを目指しますが、この事例では「あえて減らす」ことが狙いでした。合う人の割合を高めることが目的だったからです。 質の変化は、その後の各段階に表れました。説明会への参加率は14%から40%へと大きく上がっています。エントリーした人のうち、実際に足を運ぶ人の割合が増えた。それだけ共感の度合いが高い母集団になったということです。 そして最終的な内定承諾者は、50人から58人へと増えました。内定者の数自体はむしろ減っているにもかかわらず、承諾者が増えている。少ない内定者数でより多くの承諾を得たということは、口説くべき相手に的を絞れていた証拠です。大量の応募をさばく非効率から抜け出し、採用効率が劇的に改善しました。集める数を追うのをやめ、合う人の割合を高める。その発想の転換が、確かな成果につながった事例です。 > 母集団は数より質。自社に合う人を集める採用設計を、一緒に描きます。 > https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-contact ## よくある質問(FAQ) **Q. どんな会社の事例ですか。** A. 男女が自然に出会える「出会い酒場」という業態を世に送り出した外食企業、セクションエイトの事例です。話題性のある業態で認知が高く、新卒採用のエントリーは毎年数千人規模に達していました。 **Q. なぜエントリー数が減ったのに成功なのですか。** A. 目的が母集団の「数」ではなく「質」の改善だったからです。業態の知名度で集まる大量のエントリーには、自社に合わない人が多く含まれていました。合う人の割合を高めることを狙った結果、エントリーは6,706人から2,072人へ減りましたが、説明会参加率は14%から40%へ上がり、内定承諾は50人から58人へ増えました。 **Q. 具体的に何を変えたのですか。** A. 母集団集めの段階で伝えてこなかった「創業者の思想」を掘り起こし、採用の軸に据えました。恋愛の数を増やして日本を元気にするという考え方を採用スローガン「恋は、日本のエネルギーだ。」に束ね、採用ホームページ・パンフレット・採用フローまで一貫して設計しています。 **Q. 内定者は減っているのに、なぜ承諾者が増えたのですか。** A. 口説くべき相手に的を絞れたからです。共感度の高い母集団になったことで、内定者数自体は減っても、承諾に至る割合が高まりました。少ない内定者数でより多くの承諾を得たことが、採用効率の改善を示しています。 **Q. 自社にも「思想」があるか分かりません。効果はありますか。** A. 多くの会社は、すでに持っている強みや思想を採用の入り口で語れていないだけです。取材とワークショップを通じて自社らしさを引き出し、それを軸に設計すれば、集まる人の質は変わります。詳しくはお問い合わせください。 ## 関連記事 - [採用ブランディングとは何か。定義と全体像](/reports/recruit-branding-guide/) - [採用ブランディングの成功事例10選](/reports/recruit-branding-cases/) - [母集団形成とは何か。質を高める考え方](/reports/recruit-population-building/) - [中小企業のための採用ブランディング完全ガイド](/reports/recruit-branding-sme/) - [採用ブランディング戦略の立て方](/reports/recruit-branding-strategy/) ### もっと知りたい方へ なぜむすびのブランディングは成功するのか。そのメカニズムを知りたい方は、弊社説明ページをぜひご覧ください。 https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-resonance-branding/recruitment-branding 結果がでるブランディングの成功事例はこちらをご覧ください。 https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-resonance-branding/projects 共鳴ウェルビーイングサーベイで、自社の強みや弱みを知りましょう。 https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-resonance-branding/wellbeing-survey

採用ブランディング+採用パンフレット+採用ホームページ+ポスター

企画制作:むすび CD+C+ブランディング・ディレクター:深澤 了 Pr:横内圭介 AD:岡田和朗(ありがとう) D:古田ナツ子(ありがとう)C:奈良和幸+吉田法央(GIORNO)+恩田大輔(ランニングホームラン)撮影+レタッチ:清水将之 TD+PRG:ニンニンドットコム