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レポート

2023.08.10

採用から始めるインナーブランディングの前提「理念の言語化」

理念の言語化

インナーブランディグを従業員が理解し実践し、浸透していくためには、理念を言語化しなければいけません。インナーブランディングにおいて、まずつまずいてしまう部分がこの「理念の言語化」ではないでしょうか。

理念を言語化するには、自社の当たり前になっている文化や価値観に目を向けないといけません。しかし、ほとんどの場合、自分たちでは気づけない部分です。

そこで今回は、言語化するためのポイントについて解説します。

インナーブランディングにおける「理念の言語化」①プロジェクトチームを組む

私たち、むすび株式会社では、まず全社横断のプロジェクトチームを作ることをおすすめしています。なぜなら、プロジェクトチームを作った方が、スムーズに理念を浸透させられるからです。

単に「社長の想いを聞いて言葉にする」だけであれば、スムーズに言語化できるかもしれません。しかし、従業員の立場からすれば、社長から言われた理念をやらせているまたは押し付けられている感覚になってしまう場合があります。

プロジェクトチームで行えば、現場の感覚を吸い上げることも可能なので、理念作成後の浸透までもスムーズになるのです。

インナーブランディングにおける「理念の言語化」②当たり前になっている習慣に目を向ける

理念の言語化

2つ目のポイントは「現場から何を吸い上げるのか」の点で指針になるものです。企業が大切にしている文化に目を向けて掘り下げることで、自社の価値観が浮かび上がります。

しかし、あらためて目を向けてみると、すぐに案が出てくるものではありません。たとえば、「社長と毎週ランチをする」「全社で運動会を行う」といった文化があったとしても、その会社にとっては当たり前のことすぎて案として浮かんでこないのです。

インナーブランディングにおける「理念の言語化」③社長の想い

理念の言語化において、社長の想いは欠かせません。社長のこれまでの経験や今後の目標などを理念に反映させなければ、意味がありません。

とくに創業社長の場合は、社長の生き方自体が企業の成長に大きく反映されます。そのため、会社を立ち上げてからではなく、幼少期からの話を追って聞いていくことで、今ある文化や事業について、より理解できるようになります。

しかし、社長の想いを従業員が聞き出すのは難しいです。社長に対する遠慮も働きますし、社長自身もプライベートな内容を話すことに躊躇してしまうでしょう。

そのため、社長の想いをヒアリングするのは、取材経験が豊富なプロに依頼するのが最適な手段と言えます。

インナーブランディングにおける「理念の言語化」④みんなの想い

理念の言語化

社長だけでなく、みんなの想いを反映させる理由は、言語化後の理念浸透をスムーズに行うためです。社長以外の多くの従業員がどのような価値観を大事に仕事をしてきたかを集めることで、従業員にとって現実味のある理念となっていきます。

ただし「みんな」といっても、全従業員に話しを聞くのは現実的ではありません。5人~10人の企業であれば全員でも良いかもしれませんが、50人以上の場合に全員に話しを聞くのは難しいです。

そのため「みんな」の対象として、それぞれの部署の活躍人材を優先しましょう。とくに「この人は自社の考え方を体現して仕事をしている」という人を優先して話を聞くと良いです。活躍人材の価値観をヒアリングして言語化することで、従業員にとっても現実味のある理念の言語化ができます。

インナーブランディングにおける「理念の言語化」⑤伝わるライティング

理念を言語化するうえで、ライティング力はとても重要です。たとえ言語化できたとしても、長くてわかりにくくなったり、短く抽象的すぎて伝わらなかったりしてしまいます。

また、理念の言語化は、独自性がなければいけません。たとえば「お客様のことを第一に考える」のような理念では、どのような企業でも書けてしまいます。さらに、この内容だけでは、従業員が理念をもとにどのような行動をとれば良いのかわかりません。

どのような行動をとれば良いかわからないということは、浸透もしないということです。対して、独自性のある理念であれば、従業員の行動がより具体的になり、理念浸透もスムーズになります。さらに言えば、社内だけではなく、社外への知名度アップや企業理解の向上につながります。

しかし、理念言語化のライティングは非常に専門的で難易度が高いです。社内の従業員にライティングをしてもらうのは無理があるでしょう。また、社内の人間で言語化しようとしてつまづいてしまうと、何週間も何か月も「これでよいのか?」というループにはまってしまい、前に進めません。

そのため、理念言語化のライティングは、外部のプロに依頼することをおすすめします。

理念の言語化を社内だけで実施するのは非効率

理念の言語化

今回解説した理念言語化のステップは、プロに依頼するのが最良の選択です。ヒアリングから言語化ライティングまで「どのように進めるか?」をわからずに手探りで進めていくのは、非常に非効率です。

私たち、むすび株式会社は、文化の深堀りから取材まで、理念を言語化するためのノウハウを持ち、これまで多くの企業の理念を作り上げてきました。

ぜひ、本当に浸透させるための理念を作るのであれば、私たちにお任せください。

深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランスで5度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。

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