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2023.10.04

採用のためのインナーブランディングはフリーランスも対象|企業とフリーランスの将来

採用のためのインナー・ブランディングはフリーランスも対象|企業とフリーランスの将来

インナーブランディングや採用ブランディングは「社内の人材」もしくは「就職活動中の方」をターゲットにしているケースがほとんどです。もちろん、インナーブランディングも採用ブランディングも、目的から考えれば上記の2者をターゲットにするのは間違っていません。

しかし、今後の「組織」を考えるにあたってフリーランスの存在を忘れてはいけません。今後は組織のなかにフリーランスが入ってくると考えています。

そこで今回は「フリーランスに対して理念浸透活動をすべきか」について解説します。

企業とフリーランスの将来的な関係性

企業とフリーランスの将来的の関係性

今後、企業の組織のなかにフリーランスが入ってくるのは明白です。なぜなら、働き手の人手不足になることがわかっているからです。

少子高齢化による影響もありますし、フリーランスとして個人で働く人の割合も年々増えています。実際に、ランサーズ株式会社による「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」では、以下のような結果が出ています。

  • 2015年…フリーランス人口/917万人
  • 2016年…フリーランス人口/1,050万人
  • 2017年…フリーランス人口/1,145万人
  • 2018年…フリーランス人口/1,151万人
  • 2019年…フリーランス人口/1,118万人
  • 2020年…フリーランス人口/1,063万人
  • 2021年…フリーランス人口/1,518万人

上記のように、ここ数年でフリーランス人口は500万人以上も増えているのです。さらに、終身雇用もなくなったこれからは確実に、社員として働く人は少なくなっていくでしょう。

そのため、企業はフリーランスを含めた組織づくりをしなければ、成長してはいけないと考えます。

理念をアルバイト・パートまで浸透させるのと同じ

多くの企業がフリーランスに対して理念浸透活動を行わないのは、単に「フリーランス」という形にひっかかっているだけです。フリーランスとはいっても、これまでで言えば、アルバイトやパートと同じ感覚だと考えてください。

インナーブランディングにおいても、企業によってはアルバイトやパートまで理念浸透するように活動する企業もあります。そこに、フリーランスも含めるだけです。

従来の枠組みにこだわって「フリーランスは別」と考えていると、今後は成長する組織をつくっていけません。今後は必ず「フリーランスの採用」という言葉が当たり前になってくるでしょう。

フリーランスを含めてインナーブランディングを行うべき理由

フリーランスを含めてインナー・ブランディングを行うべき理由

フリーランスの需要や増加傾向について解説しましたが、単に「フリーランスを組織として考えて作業をしてもらえば良い」と考える企業もあるかもしれません。

しかし、それは結果的にただの「外注先」にしかなりません。大事なのは「フリーランスを入れた組織づくり」です。単に作業員としてフリーランスに依頼するのであれば、理念浸透を行う必要はありません。

ただ、組織として一緒に働いていくのであれば、フリーランスにも理念を伝えていくべきなのです。

フリーランスに選んでもらわなければならない

フリーランスまで理念を伝える理由は、フリーランスに選んでもらう企業になるためです。フリーランスは社員と異なり、自分で仕事を選ぶ選択権があります。やりたくないと思った仕事を断ることができます。

だからこそ「断られるかもしれないから理念を伝える必要はない」と考えてしまう企業もあるかもしれません。しかし、真逆の考えです。

断る権利を持っているからこそ、率先して「ここの企業のこの仕事をやりたいです」と思ってもらえるような組織にしなければいけません。つまり、自社を好きになってもらうということです。

ファンとなって「一緒に働きたい」と感じてもらう

フリーランスに理念を伝えて好きになってもらば、自社のファンになります。当然、ファンとなれば自ら率先して「ここの仕事をしたい」と思ってくれるでしょう。

たとえ、依頼内容や費用感などが合わなかったとしても、根底に「この会社の考え方に共感できる」があるので、目先の待遇で離れることはありません。

つまり、企業にとっては質の良いフリーランスを確保するための価格争いにも巻き込まれなくなるメリットがあるのです。これまで、質の良いフリーランスを確保するために高い外注費を提示していた企業もあるかと思いますが、理念に共感してもらえれば外注費を抑えられる可能性もあります。

なかには「やりがい搾取」というような方も出てくるかもしれませんが、それは単に理念に合わない人と考えれば良いだけです。

フリーランスに理念共感してもらうには?

フリーランスに理念共感してもらうには?

フリーランスのなかには、少なからず「外注だから理念まで聞かされるのは面倒」と感じる人もいます。ただ、この点を難しく考える必要はありません。

採用時や募集時から理念を伝えていれば、上記のようなフリーランスは応募してきません。だからこそ、企業側もフリーランスだからといって内容を省いてしまわないようにしましょう。

社員と関わるようにフリーランスにもしっかり理念を伝えていけば、必ず理念共感してくれる方が集まります。

フリーランスも仲間という意識が組織力を高める

フリーランスも仲間という意識が組織力を高める

今後の組織作りにおいては「フリーランス=外注先・作業員」といった考えは捨てましょう。ここ数年の流れ見れば、確実にフリーランスが組織のなかに入ることは明確です。

そのため、フリーランスを「外の人間」と考えるのではなく、組織の一人、仲間の一人だと考えてください。

ただし、前提として、今のうちから社内のインナーブランディングの土台を構築しておく必要があります。ぜひその際は、弊社に相談いただければ幸いです。

深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。

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