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2023.06.30

採用ブランディングの戦略・戦術を作るフレームワーク全9工程|⑧~⑨

採用ブランディングの戦略・戦術を作るフレームワーク全9工程|⑧~⑨

前回の記事では採用ブランディング・プロジェクトの戦略・戦術を作るフレームワーク⑥~⑦、コンセプト作りについて解説しました。

全4章に分けて解説してきましたが、フレームワークについては今回が最後です。

今回も、私、深澤了の著書「知名度が低くても〝光る人材〟が集まる 採用ブランディング 完全版」(WAVE出版)から、21の法則のなかから、重要な9工程の⑧~⑨について解説します。

 

採用ブランディングのフレームワーク⑧採用フローを作る

採用ブランディングのフレームワーク⑧採用フローを作る

採用ブランディングの8工程では、採用フローを作ります。

ここで大事なのは、採用コンセプトに忠実にフローに落とし込んでいく点です。作り上げたコンセプトを体現するのに相応しい形を考えながら採用フローに落とし込まなければ、ここまでの工程の意味がありません。

そのほか、クリエイティブにおいてもコンセプト・スローガンを軸にします。

  

採用フローはMOSEALSモデルで構成していく

採用フローを構成していくときは、私たち、むすび株式会社で開発した「MOSEALSモデル」を採用しています。

それぞれの要素は、以下の意味があります。

  • M…Meet(出会う)
  • O…Move(心が動く)
  • S…Search(調べる)
  • E…Experience(体験)
  • A…Action(購買/選考)
  • L…Love(ファンになる)
  • S…Share(人に伝える)

「MOSEALSモデル」は、西城剛央氏が構築した「契機→関心→価値→行動」という心理変容モデルを土台に開発しました。

心理変容モデルを採用ブランディングに当てはめると、以下のようになります。

  • 契機…応募者がスローガンで惹き付けられる
  • 関心…HPを詳細に見て関心を抱く
  • 価値…その情報に価値を見出す
  • 行動…応募を行う

このMOSEALSモデルを基に「どのような採用フローにするべきか?」「採用スローガンと合っているか?」と考えていきます。

 

採用フローに役立つ4つの質問

採用フローの構築をどのように行うべきかわからない場合は、4つの質問から考えていきます。

  • スローガンが伝わる出会いにふさわしい場所はどこか?
  • スローガンが伝えられる説明会の設計は?
  • スローガンが伝わる選考にするには何をすればいいのか?
  • スローガンが伝わる内定出し後の流れとは?

これらを、スローガンにふさわしい場所、人物、方法を具体的に考えていきます。

 

 

採用ブランディングのフレームワーク⑨自社の人物化

採用ブランディングのフレームワーク⑨自社の人物化

採用フローが構築されたら、それを「どのように伝えるか?」を具体化するために、自社を人物化していきます。自社を人物化することで、コミュニケーションにも一貫性が出るのです。

具体的には、以下のような利点があります。

  • 応募者と直接コミュニケーションをとるときの話し方・接し方に一貫性が出る
  • 採用ツールを作成するときのトーンが合う

たとえば、自社の人物化が楽しく明るい人柄なら、採用に関わる全員が明るい話し方をしなければいけません。もしバラバラの話し方になってしまうと「明るく楽しい企業って言ってるけど、本当?」と求職者に不安を抱かせてしまいます。「他人の話をよく聞く」という人柄であれば、採用に関わるすべての人が求職者の質問や会話をしっかり聞く姿勢が必要です。

これらを統一するためのわかりやすい形として、自社がどんな人物であるかを構成していきます。

 

自社を人物化する工程

自社の人物化においても、必ず自社の文化などを反映させていきます。

私たちの採用ブランディング・プロジェクトでは「スキル・性格・スタンス」の3つに分け、それぞれの根拠となるエピソードを書いていく形で人物化を行います。

例えば、以下のように考えられます。

  • スキル:コミュニケーション能力が高い…根拠となるエピソード:顧客数トップクラス
  • 性格:見栄っ張り…根拠となるエピソード:エントランスと来客室を改装
  • スタンス:強い精神力の保持…根拠となるエピソード:創業50年

あくまで参考として3つですが、実際にはスキル・性格・スタンスをいくつも書いてもらいます。そうすることで、自社がどんな人物であるかが見えてくるのです。

 

一つひとつの徹底が自社の採用を強くする

ひとつの徹底が自社の採用を強くする

全4回に分けて、採用ブランディングのフレーム―ワークについて解説しました。

いずれにおいても重要なのは、表面的な採用ツールを使うのではなく、すべてを自社の強みから構築する部分です。

まず、自社を深ぼっていかなければ、圧倒的な差別化はできません。表面的なクリエイティブな部分だけに力を入れても、採用効果はそれほど望めませんし、翌年もその翌年も新しい採用活動のために費用をかけなければいけません。

しかし、私たちの採用ブランディング・プロジェクトは、一度最後まで実施すればコンセプトを基に数年後まで使えます。さらに、自社のイメージが内外的に浸透するので、インナーブランディングを促す側面もあります。

ぜひ採用ブランディングのフレームワークを参考にした上で、私たち、むすび株式会社へご相談ください。

  

    

 

深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランスで5度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。

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