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レポート

2020.11.09

ブランディング・プロジェクトを進化させる「暗黙知と形式知のスパイラル」

ブランディングのプロジェクトで私たちが大切にしていることの一つに
ワークショップがあります。


そこでは、わたしたちファシリテーターからの質問に対しての答えを
付箋に書いたり
価値観を掘り下げるエンゲージメントカードを使ったゲームを通して
ご自身を深く内省する時間が設けられています。
そこでは普段自分自身でも言葉にする機会がなかったり、
チームメーンバーに対してもあまり口にしないような

*言葉や文章で表現するのが難しい暗黙的で主観的な知
*経験や五巻から得られる直接的知識
*思いや信念、身体にしみ込んだ熟練やノウハウ、勘どころなど

が頭の中を巡ります。
こういった個人の中や、場所、対象の人たちの中に積み上げられている知を
「暗黙知」と言います。
ブランディングにおいては自社の強みと他社との差別化を明確にするために
こういった「暗黙知」をいかに引き出せるのか、が重要なポイントです。

同時にワークショップではその「暗黙知」を「形式知」に変えることが大切。
形式知とは、

*言葉や文章で明示できる明示的で客観的な知
*理論、問題解決方法、マニュアル、データベースなど
*言語的媒介を通じて共有、編集が可能

なものを指します。
この考え方は野中育次郎氏のSECIモデルと呼ばれるもの。
SECIモデルは4つの工程があります。


1.個人やチームに眠る「暗黙知」をワークショップで「表出化」し、
2.それを同じ意味のグループに編集することで「連結化」、
3.連結する過程で見えてきた物語をチームの中で実践することで
  自分の中に取り込む「内面化」が起こり、
4.それがまたチームの中で新たな知として「共同化」される。

「表出化」→「連結化」→「内面化」→「共同化」→「表出化」→「連結化」…

このスパイラルが、組織内の知識創造を促進すると言われています。
ブランディングワークショップでいうと、

職場内の個人やチームの中にある特色やノウハウを視える化(表出化)し
メンバーで対話しながらグルーピングを行い(連結化)
新たに気づいた知をチームに戻って実践する(内面化)ことで
それがまたチームメンバーに新たな知として共有(共同化)される

ということ。
こうして自身の内側にある暗黙知を形式知のスパイラルが
ブランディングを、そしてチームを進化させています。

(嶋尾)

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