【ホテル】ベッセルホテル開発:採用課題からグループ全体の成長を加速。ベッセルホテル開発の採用ブランディング事例
株式会社ベッセルホテル開発は、採用の課題を入り口に「自分たちは何者か」を再定義したことで、事業の成長スピードそのものを変えました。むすびが約10年にわたり伴走し、同社はグループ売上の85%以上を稼ぐ主力事業へと成長しています。ここでは、その取り組みの中身と効果を紹介します。 ## 目次 - 財務も立地も揃うのに成長が止まった原因 - 内定を出しても6割が去る。打ち手を間違えていた - やったこと1:「どう集めるか」ではなく「何者か」から始める - やったこと2:社員自らが「福山は、世界だ」を導き出す - 効果1:事業戦略と採用戦略が同じ方向を向いた - 効果2:内定と承諾の10年推移が、採用の質の変化を映す - 効果3:採用より大きく変わった、事業の成長スピード - この事例からわかること - よくある質問(FAQ) ## 財務も立地も揃うのに成長が止まった原因 成長を止めていたのは、市場でも資金でも競合でもなく「任せられる支配人がいない」という一点でした。 ベッセルホテル開発は、地方都市を中心にホテルを展開する企業です。客室稼働率は安定し、出店候補地も多数あり、財務も健全でした。それでも新しいホテルをつくれない。理由は、現場を丸ごと任せられる支配人が育っていないことでした。ホテルの価値を生むのは建物ではなく人です。支配人はホテルの文化をつくり、スタッフを育て、数字と現場の両方に責任を持つ存在であり、その人材が見つからない限り、出店計画は机上の空論で終わります。人材の質が、事業拡大のボトルネックになっていたのです。 > 貴社の成長を止めている本当のボトルネックを、一緒に見極めませんか。 > https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-contact ## 内定を出しても6割が去る。打ち手を間違えていた 意欲的に採用しても定着しない。原因は「集め方」ではなく、もっと手前にありました。 支援を始めた当時、同社は15店舗規模で、すでに30店舗の構想を持っていました。自社説明会も地元の大規模な合同説明会も行い、内定者は毎年10名以上出していました。ところが最終的に入社を決めるのは4名ほど。他は、より知名度の高い企業や他業種へ進んでいったのです。 こうした場合、多くの企業は求人広告の見直しや媒体の追加、初任給の引き上げといった直接的メリットの提示に走ります。同社も同じ打ち手を検討していました。むすびが提案したのは、より本質的な変革でした。「どうやって人を集めるか」を問うのをやめ、「本当のボトルネックを解決するには、どんな人材が必要か」から見つめ直したのです。 ## やったこと1:「どう集めるか」ではなく「何者か」から始める 採用ブランディングで最初に取り組んだのは、ターゲット設定よりさらに手前、「自分たちは何者なのか」の再定義でした。 地方に本社を置くビジネスホテルなのか、それとも全国や海外へ展開する意思を持った企業なのか。過去の歩みと現在の強み、これから目指す姿を、経営陣と社員の代表とともに徹底的に言語化しました。ホワイトボードに描き出したのは、創業の原点です。なぜ福山でホテルを始めたのか。日々何を喜びとして働いているのか。お客様から本当に評価されているのはどの瞬間か。 「真面目」「堅実」「お客様第一」といった、どの会社でも言える言葉は残しません。「それはどの場面で表れるのか」「具体的なエピソードはあるか」と問い、体験にまで分解し、また概念に戻す。この往復を繰り返しました。抽象を具体で裏打ちできない言葉は、その会社の本物ではないからです。 ## やったこと2:社員自らが「福山は、世界だ」を導き出す 浮かび上がったのは、「地方の中小企業」という自己認識と、実際の姿とのズレでした。 同社は当時すでにタイやミャンマーでの展開に動き始めており、挑戦のフィールドは世界へ広がっていました。その事実を社員自らが言葉にした瞬間、自社を象徴するフレーズにたどり着きます。「福山は、世界だ」。福山に拠点を置くことと、世界に挑戦することは矛盾しない。世界で活躍したい人材こそ来てほしい、という宣言でした。 外から与えたスローガンではなく、社員自身の言葉だったからこそ、現場が動き始めます。「地方だから採用は難しい」という思い込みを社員が手放し、採用への視座を一気に引き上げた瞬間でした。 > 「自分たちは何者か」を社員の言葉で定義する。その伴走が採用ブランディングの核心です。 > https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-contact ## 効果1:事業戦略と採用戦略が同じ方向を向いた 自己定義が変われば、来てほしい人の像も変わります。 それまでの採用は「全国転勤可能な学生」を掲げつつ、活動は地元中心でした。地元の学生は全国転勤への抵抗感を持つことが多く、うまくいきません。ホテル業には全国転勤があり、支配人を目指すなら複数地域の経験が前提です。海外展開も見据える以上、事業の方向は明らかに「全国」「世界」を向いていたのに、採用ターゲットは「地元に残りたい層」。経営戦略と採用が真逆を向いていたのです。 「福山は、世界だ」を見出したことで、ターゲットは「世界を見据えながら自分のルーツを活かしたい優秀層」へ再設定されます。この層にとって全国転勤は成長機会に、海外展開は現実の挑戦に変わります。結果、内定者の入社率が約4割だった状態から、大卒10名前後、高卒を含めれば30名規模の採用が安定しました。上位大学の学生や留学経験を持つ挑戦志向の若者が、自らエントリーするようになったのです。 ## 効果2:内定と承諾の10年推移が、採用の質の変化を映す 採用ブランディングの成否は、内定と承諾の推移にはっきり表れました。大卒採用の実績を並べると、施策前後の違いが読み取れます。 | 卒業年 | 内定出し | 承諾・入社 | |---|---|---| | 2015年卒(施策前) | 12名 | 11名承諾、最終入社は4名 | | 2016年卒 | 25名 | 11名承諾 | | 2017年卒 | 28名 | 9名承諾 | | 2018年卒 | 25名 | 9名承諾 | | 2019年卒 | 33名 | 8名承諾 | | 2020年卒 | 41名 | 11名承諾 | | 2021年卒 | コロナ禍で中断 | ― | | 2022〜2024年卒 | 新卒採用を実施せず | ― | | 2025年卒 | 15名 | 5名承諾 | | 2026年卒 | ― | 26名入社 | | 2027年卒 | ― | 16名確定、内定承諾率55% | 施策前は、内定を11名出しても最終的に入社したのは4名でした。全国転勤への抵抗から辞退が相次いだためです。施策後は内定を出す学生の顔ぶれそのものが変わり、旧帝大や難関私大、海外の大学からの志望者が一気に増えます。母数と質が上がったことで、大卒に高卒を含めれば30名規模の採用が続くようになりました。 さらに近年は、承諾の歩留まりそのものが改善します。2026年卒は26名が入社し、2027年卒は16名の入社が確定、内定承諾率は55%に達しました。ホテル業の新卒採用として高い水準であり、「福山は、世界だ」という自己定義が、量だけでなく決定率まで押し上げたことを示しています。 > 内定辞退を減らし、承諾率を引き上げる採用の設計を、貴社でも一緒に描けます。 > https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-contact ## 効果3:採用より大きく変わった、事業の成長スピード 人材の質というボトルネックが外れた瞬間、事業の自由度とスピードが一気に高まりました。 支配人を任せられる人材が増えたことで、経営陣は「新店舗を出せば成功する」という確信を持てるようになります。踏み切れなかった新規出店が次々と動き出し、かつて構想にすぎなかった30店舗計画が現実となり、やがて全国35店舗を超える規模へ拡大しました。 さらに、グループ内での位置づけも変わります。ベッセルホテル開発は、グループ売上約317億円のうち、売上の85%以上、営業利益の95%以上を稼ぎ出す主力事業へと進化しました。2023年にはホテルブランドを5つに拡大し、採用改革のときと同じように社員の代表を集めて各ブランドの役割を言語化。現場から自発的に事業アイデアが生まれ、顧客満足度も上昇し、JDパワーなどの調査で「カテゴリー別日本一」を獲得しました。 ## この事例からわかること ベッセルホテル開発の成長を加速させたのは、資金でも立地でも奇抜な戦略でもありませんでした。採用を入り口に「会社の主語」を定めたこと。その一点が、組織の判断を変え、事業のスピードを変え、グループ全体の未来を押し広げたのです。採用ブランディングは、人を集める手法にとどまらず、経営そのものを動かす取り組みになり得ます。 > 採用の課題を、経営の成長エンジンに変える。貴社でも同じことができます。 > https://www.musubi-inc.co.jp/musubi-contact ## よくある質問(FAQ) **Q. ベッセルホテル開発の成長を止めていた本当の原因は何でしたか。** A. 市場でも資金でも立地でもなく、「新店舗を丸ごと任せられる支配人がいない」という人材の質のボトルネックでした。財務も候補地も揃いながら、この1点で出店が止まっていました。 **Q. 採用スローガン「福山は、世界だ」はどう生まれたのですか。** A. 外から与えたのではなく、社員自身が「自分たちは何者か」を言語化する過程でたどり着いた言葉です。海外展開に動いていた実態と、地方企業という自己認識のズレに気づいた瞬間に生まれました。 **Q. 採用ブランディングの成果は数字でどう表れましたか。** A. 内定者の入社率が約4割だった状態から、大卒10名前後、高卒を含め30名規模の安定採用へ変わりました。挑戦志向の学生が自らエントリーするようになりました。 **Q. 内定承諾率55%はどのくらい高い数字ですか。** A. ホテル業の新卒採用として高い水準です。施策前は内定を11名出しても入社は4名にとどまっていましたが、2026年卒は26名が入社、2027年卒は16名が確定し承諾率55%まで改善しました。採用の量だけでなく、決定率まで底上げされたことを示しています。 **Q. なぜ採用改革が事業全体の成長につながったのですか。** A. 支配人を任せられる人材が増えたことで新規出店の確信が生まれ、止まっていた出店が動き出したためです。結果として全国35店舗超へ拡大し、グループ売上の85%以上を稼ぐ主力事業になりました。 **Q. この手法は自社にも応用できますか。** A. 業種を問わず応用できます。重要なのは「どう人を集めるか」の前に「本当のボトルネックは何か」「自分たちは何者か」を社員の言葉で定義することです。詳しくはお問い合わせください。下記はBRAND THINKINGにて掲載された
採用責任者へのインタビュー記事です。
採用ブランディングを実践した結果をぜひ御覧ください。
強みの再発見で、言葉に力がみなぎった。#1
【ベッセルの採用ブランド論 第1回】
https://brandthinking.net/case/recruit-brand/2830
成果が私たちの意識を変え、それが次の成果を呼び込む。#2
【ベッセルの採用ブランド論 第2回】
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【ベッセルの採用ブランド論 第3回<最終回>】
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◯採用サイト+採用パンフレット+採用ポスター
企画制作:むすび CD+C+ブランディング・ディレクター:深澤 了 Pr:横内圭介 AD+D:中島宏樹(Marvelous) C:奈良和幸+錦見譲(BIGFOOT)撮影:櫻井充(Digni Photography) TD+PRG:安藤寛和(アビリティコンサルタント)+岡田将光(アビリティコンサルタント)











