【士業】吉岡マネジメントグループ:公務員に負ける採用から、内定承諾3倍へ。吉岡マネジメントグループの採用ブランディング事例

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札幌の税理士事務所・吉岡マネジメントグループは、内定を出しても公務員に流れて承諾4名どまりという状態から、採用ブランディングで強みを言語化し、承諾13名(約3倍)へと伸ばしました。専門職(士業)の採用でブランディングがどう効くかを示す事例です。ここでは、その取り組みの中身と効果を紹介します。

この事例のポイント

目次

課題:内定を出しても公務員に負ける

内定を出しても承諾に至らない。その背景には、地方の老舗企業が共通して抱える構造がありました。

吉岡マネジメントグループは、札幌に本部を置き道内に複数拠点を持つ、北海道でも規模の大きい税理士事務所です。会長と2代目社長が率いる、30年以上の歴史を持つ組織でした。採用ブランディングに取り組む前は、20名に内定を出しても承諾は4名どまり。理由は、地方の老舗が陥りやすい「公務員とのバッティング」でした。

学生に伝わっていた自社の魅力は「安定している」という一点だけ。すると、より安定した公務員(県庁・市役所など)を志望する学生に「公務員の結果を待ちたい」と言われ、その結果が出る秋から冬まで待たされた末に断られます。企業側はその時期から採り直すこともできず、常にマイナスからのスタートになる。この悪循環から抜け出せずにいました。

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やったこと1:3つの強みと「弱み」を言語化する

採用ブランディングではまず、経営陣とのワークショップで自社の強みを言語化しました。

導き出した強みは3つ。「チームで働く環境」「経営者と直に仕事ができること」「簿記の知識や資格がなくても、育てる仕組みがあること」です。税理士事務所でありながら、経営者と対等に向き合える点は、他事務所にはない魅力でした。あわせて、あえて「弱み」も整理します。採用の場でマイナスの質問を受けたとき、担当者がその場しのぎで否定的に答えるとブランドが崩れます。弱みをどう受け止め、どう前向きに語るかを事前に全員で合意しておく。この「予防注射」が、一貫したメッセージを守る土台になりました。

やったこと2:ペルソナの目線を引き上げ、東京の大学へ

採用したい人物像(ペルソナ)は、あえて高く設定しました。

地方企業の採用でありがちなのは、近場の大学に目線を下げてしまうことです。しかしターゲットを下げるとメッセージが尖らなくなります。同グループでは、新卒・中途とも東京の有力大学をペルソナに据え、目線を引き上げました。地方企業が採用を成功させる定石の1つは、都市部に出た人材のUターン需要を狙うことです。「東京では競争が激しくて採れない」と考えがちですが、都市部に目を向けるほど理想のペルソナを高く保て、メッセージも鋭くなります。

やったこと3:「経営は数字で救え」でメッセージを尖らせる

言語化した強みは、採用サイトとパンフレットのコピーへと落とし込みました。

掲げたスローガンは「経営は数字で救え」。日本に420万社ある企業のうち黒字はおよそ4割で、6割以上が赤字という現実を示し、だからこそ数字のプロが必要だと訴えます。数字を整理するだけならソフトに任せればいい。プロは無数の現場で、生の数字と生の経営者から実践で学ぶ。資格は後から取ればよく、それを育てる仕組みがある。北海道から東京まで届かせるために、あえて強い言葉で尖らせたメッセージでした。

やったこと4:ケーススタディを採用フローの前半に置く

採用フローで最も特徴的だったのは、学びとケーススタディを早い段階に組み込んだことです。

説明会などの入り口で、簿記会計や相続税といった仕事内容を伝える勉強会を実施し、さらにケーススタディを用意しました。たとえば赤字のクリーニング店や動物病院を題材に、財務諸表を添えて「どう赤字を解消し、売上を確保するか」を学生や中途応募者に考えてもらい、実際の担当者がフィードバックします。あえて重い課題を選考の前半に置くことで、志望度の高い人が残り、同時にこの会社への理解とファン心理が深まります。選別とファン化を一度に進めるこの設計は勇気がいりますが、頭脳労働を担う士業だからこそ受け入れられ、強い差別化になりました。

自社にしかできない体験を採用フローに組み込む。その設計をむすびが伴走します。
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効果:承諾3倍、母集団の質が入れ替わった

取り組みの結果、同じ内定数のまま承諾数が大きく伸びました。

内定20名に対し承諾4名だった状態から、内定20名・承諾13名へ。約3倍の成果です。しかも承諾者13名のうち5名が、弘前大学・小樽商科大学といった国立大学の学生でした。理想としていたペルソナ通りの人材が、実際に入社を決めたのです。

注目すべきは、エントリー数そのものは大きく増えていない点です。それでも承諾が伸びたのは、母集団の「質」が入れ替わったからです。従来は公務員と競合して負けていた採用が、同業他社やメーカー、金融機関と並んで選ばれる採用へと変わりました。ペルソナの設定と伝え方を変えることで、応募してくる層そのものが入れ替わる。数を追うのではなく質を変えることで、地方の専門職でも都市部の国立大生から選ばれる採用が実現した事例です。

よくある質問(FAQ)

Q. 吉岡マネジメントグループはどんな組織ですか。
A. 札幌に本部を置き、北海道内に複数拠点を持つ規模の大きい税理士事務所です。会長と2代目社長が率いる、30年以上の歴史を持つ組織です。

Q. なぜ内定を出しても採用できなかったのですか。
A. 学生に伝わる魅力が「安定」しかなく、より安定を求める学生が公務員を志望していたためです。公務員の結果が出る秋から冬まで待たされ、その末に断られる悪循環に陥っていました。

Q. どんな成果が出ましたか。
A. 同じ内定数20名のまま、承諾が4名から13名(約3倍)へ伸びました。承諾者のうち5名は弘前大学・小樽商科大学などの国立大学生で、母集団の質が入れ替わりました。

Q. ケーススタディを選考の前半に置くのはなぜですか。
A. 志望度の高い人が残る「選別」と、会社への理解が深まる「ファン化」を同時に進められるためです。重い課題を先に出すことで、他社との差別化にもなりました。

Q. 専門職や士業以外にも応用できますか。
A. できます。自社にしかできない体験を採用フローに組み込む発想は、現場系・技術系を含め業種を問わず有効です。詳しくはお問い合わせください。

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